TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第94回国会›閣法第31号
閣法第94回国会 第31号成立

漁船損害補償法の一部を改正する法律案

昭和56年法律第31号 漁船損害補償法の一部を改正する法律
提出昭和56年2月14日 内閣
付託参議院 農林水産委員会
衆議院 農林水産委員会
成立
昭和56年法律第31号
審議会議 6回・発言 578(政府答弁等 249)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. S56.3.19趣旨説明・補足説明農林水産委員会 4254
  2. S56.3.24質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 5183
  3. S56.3.26委員長報告・採決・附帯決議本会議 1339

参議院農林水産委員会

  1. S56.3.27趣旨説明農林水産委員会 4223
  2. S56.4.9質疑・附帯決議・採決農林水産委員会 5102
  3. S56.4.10附帯決議・委員長報告・採決本会議 1242

提案理由

亀岡高夫 農林水産大臣 昭和56年3月19日

漁船損害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 漁船損害補償制度につきましては、漁業の生産手段たる漁船の不慮の事故による損害の復旧と適期における更新を容易にすることにより、漁業経営の安定に多大の寄与をしてまいったことは御承知のとおりであります。

 しかしながら、近年における漁船の大型化、沿岸海域の利用の高度化等に伴って、他船との衝突その他の偶発的な事故により、漁船の所有者等が、第三者に与えた損害を賠償し、または放置することができない沈没漁船の撤去費用等の不測の費用を負担することによりこうむる損失が漁業経営に重大な影響を及ぼすようになってきておりまして、このような責任及び費用等を適切に保険する制度の確立が強く要請されております。

 政府におきましては、このような事情にかんがみ、昭和五十一年十月以降漁船船主責任保険臨時措置法に基づいて漁船の所有者等の責任等に関する保険事業を試験的に実施してきたのでありますが、その実績等を踏まえて、本年十月から漁船損害等補償制度の一環として漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険を恒久的な制度として確立することとし、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 まず第一に、漁船損害補償制度に新たに漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険を加えるとともに、これに伴い、漁船損害補償法の題名を漁船損害等補償法に改めることとしております。

 第二に、漁船船主責任保険及び漁船乗組船主保険の実施体制であります。これは、漁船保険組合の保険事業及び漁船保険中央会の再保険事業のほか、漁船船主責任保険に関し漁船保険中央会の負う再保険責任をさらに国が再保険する事業により行うこととしております。

 第三に、漁船船主責任保険は、漁船の運航に伴って、第三者に与えた損害を賠償し、または沈没漁船の撤去費用等の不測の費用を負担することによる漁船の所有者等の損失をてん補することを内容とし、漁船乗組船主保険は、漁船の所有者等であってその漁船の乗組員であるものの漁船の運航に伴う死亡等につき一定額の保険金を支払うことを内容とするものであります。

 第四に、漁船保険組合の引き受けは、漁船船主責任保険は漁船保険とあわせて、また、漁船乗組船主保険は漁船船主責任保険とあわせて行うこととしております。

 第五に、漁船船主責任保険の保険料につきましては、漁業者の負担の軽減を図るため漁業者が支払うべき純保険料の一部を国庫が負担することといたしております。

 第六に、漁船保険中央会は、従来の漁船保険事業の健全な発達を図るための事業のほか、漁船船主責任保険再保険事業及び漁船乗組船主保険再保険事業を行うものとしたことに伴い、同会の再保険事業の内容に関する規定のほか、その再保険事業の適正円滑な実施を確保するために必要な規定を設けております。

 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。

第94回国会衆議院農林水産委員会議録第4号1頁(昭和56年3月19日)〔亀岡高夫農林水産大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会昭和56年3月24日

まず、案文を朗読いたします。漁船損害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、昨今の漁業をめぐる極めて厳しい情勢に対処し、漁業経営の維持安定対策に万遺憾なきを期するとともに、外国周辺水域における操業実績の確保、新漁場の開発、我が国周辺漁業の振興等を積極的に推進し、併せて本法の施行に当たっては、左記事項の実現に努めるべきである。記

一漁船損害等補償制度及び漁船積荷保険制度については、保険収支の実態に照らし純保険料率の適正化を図るとともに、損害てん補範囲の充実に努め、他の同種保険に比して、不利な制度とならないよう留意すること。

二漁船保険組合の経営の格差が、付加保険料率等の格差としてあらわれている現状にかんがみ、組合の経営基盤の強化のための施策の充実を図るとともに、その抜本的改善のため、組合合併につき積極的指導を行うこと。

三本法施行に伴い、従来の中立機関としての機能に加え、再保険者としての機能を併せ持つこととなる漁船保険中央会については、それぞれの機能に係る業務が適正に行われるよう指導・監督の強化を図ること。

四漁船積荷保険制度は、保険設計に必要な基礎資料が整備され次第可及的速やかに本格実施に移行すること。

五漁業関係の保険・共済制度の統合、一元化及び漁業災害補償制度の改正問題については、引続き前向きに検討を加えるとともに、それぞれの保険・共済制度についても相互に調整を図り、漁業者にとって分かり易く、簡便な制度となるよう努めること。

参議院 農林水産委員会昭和56年4月9日

我が国の漁業をめぐる情勢は、二百海里時代到来に伴う諸外国の漁業規制の強化、第二次石油ショック後の燃油の高騰、水産物需給の緩和を反映した魚価の低迷等、まことに厳しいものがあり、漁業経営も困難の度を加えている。よって、政府は、漁業における保険・共済制度の充実等、漁業経営安定のための施策を強力に推進するとともに、とくに、本法の施行に当たって、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。

一漁船船主責任保険制度の本格実施移行に当たっては、試験実施中の保険収支の実態にかんがみ、純保険料率の適正化を図るとともに、漁業の現状に即したてん補範囲の拡大、保険金額の弾力的な設定及び加入の促進に努め、もって、制度の充実を期すること、

二漁船保険中央会の再保険事業については、指導事業との関係にも留意して、厳正な常例検査の実施等、指導・監督を強化すること。

三漁船保険組合の付加保険料率等の格差が、組合の経営規模の差を反映したものである事実にかんがみ、組合合併等の経営基盤強化対策を推進すること。

四試験実施継続中の漁船積荷保険については、必要な資料の収集・整備を急ぐとともに、漁船船主責任保険制度及び漁船保険制度との関連性を十分考慮して、可及的速やかに本格実施に移行すること。

五漁業に関する各種保険・共済制度の相互関係の実態等にかんがみ、引き続き制度の統合、一元化及び簡素化に前向きに取り組むとともに、漁業共済制度の収支悪化の現状に対処するため、制度改善措置を検討し、早急に結論を得るよう努めること。

六漁船の海難多発に対処するため、海難防止対策の拡充を図ること。

参議院 本会議昭和56年4月10日

以上、御報告申し上げます。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109401031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。