商法等の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
昭和56年法律第74号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- S56.4.17趣旨説明・質疑本会議 1922
- S56.4.21趣旨説明・質疑法務委員会 6418
- S56.4.24質疑法務委員会 8254
- S56.4.28質疑法務委員会 9310
- S56.5.6参考人招致法務委員会 10195
- S56.5.8質疑法務委員会 11409
- S56.5.12質疑法務委員会 12343
- S56.5.13質疑・討論・附帯決議・採決法務委員会 13191
- S56.5.15委員長報告・採決・附帯決議本会議 2563
参議院法務委員会
- S56.5.21趣旨説明・質疑法務委員会 6156
- S56.5.26質疑法務委員会 7165
- S56.5.27参考人招致法務委員会 890
- S56.5.28質疑法務委員会 9318
- S56.6.2質疑・附帯決議・採決法務委員会 10321
- S56.6.3附帯決議・採決・委員長報告本会議 2234
提案理由
奥野誠亮 法務大臣 昭和56年4月17日商法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、最近の経済情勢及び会社の運営の実態にかんがみ、会社の自主的な監視機能を強化し、その運営の一層の適正化を図る等のため、商法のうち主として株式会社に関する部分の一部及び株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律の大部分を改正するとともに、これに関連して有限会社法の一部を改正しようとするものでありまして、その改正の要点は、次のとおりであります。
まず、商法につきましては、
第一に、株式の流通及びその管理の実態に照らして株式制度の合理化を図ることであります。そのため、株式会社の設立に際して発行する額面株式の金額及び無額面株式の発行価額は、五万円以上でなければならないものとして、株式の単位を引き上げることとしております。これに伴いまして、既存の上場会社につきましては、原則として、券面額の合計が五万円に当たる数の株式をもって株式の一単位とし、この一単位の株式を有する株主についてのみ完全な株主の権利の行使を認め、一単位に満たない株式を有する株主については、利益配当請求権等の自益権のみの行使を認めるいわゆる単位株制度を採用することとしております。
第二は、株主総会の運営を適正化することであります。そのため、株主が株主総会における議題の提案をすることができるとの制度を新設すること等により、株主の権限を強化しております。また、いわゆる総会屋の排除を図るため、株主権の行使に関して会社がする利益の供与を禁止し、その利益の供与を受けた者は、これを会社に返還しなければならないものとするとともに、これに違反して会社の計算でそのような利益の供与をした取締役等は刑罰に処することとしております。
第三は、監査役の監査権限を充実強化することであります。そのため、監査役は、取締役が法令または定款に違反する行為をし、またはするおそれがあると認めるときは、取締役会に報告しなければならないものとし、必要があるときは、取締役会の招集を請求することができるものとし、また監査役の報酬及び監査費用を確保するための規定を設ける等の改正をすることとしております。
第四は、会社の業務及び財務の内容の株主及び会社債権者への開示を強化することであります。そのため、営業報告書及び監査報告書の記載内容の充実を図ることとしております。
第五は、会社の資金調達を容易にするため、会社は、新株の引受権の付された社債を発行することができることとしております。
次に、株式会社の監査等に関する商法の特例に関する法律につきましては、
第一に、会計監査人の監査を実施する大規模の会社の範囲を、資本の額が五億円以上または負債の合計額が二百億円以上のいずれかに該当するものに拡大することとしております。これは、大規模の会社の計算書類が不正に作成されることによってもたらされる社会的な影響の大きさにかんがみ、一定規模以上の会社は、会計に関する専門家の監査を受けることが適当であると考えられるからであります。
第二は、このような大規模の株式会社につきましては、会計監査人は、株主総会において選任するものとして、その地位を強化し、また監査役は二人以上でなければならないものとし、そのうち少なくとも一人は常勤の監査役でなければならないものとして、監査制度の一層の強化を図ることとしております。
第三は、このような大規模の株式会社におきましては、貸借対照表及び損益計算書については、会計監査人及び監査役のこれを適法とする意見があったときは、株主総会の承認を受けることを要しないこととしております。これは、専門的かつ技術的な計算書類の内容の適否を一般の株主が判断することは困難であること及び計算書類については株主総会により選任された会計監査人及び監査役の厳重な監査がされ、かつ、その監査結果が監査報告書により株主に開示されることを考慮したものであります。
第四は、このような大規模の会社で株主の数が多いものにつきましては、株主総会の招集の通知には、議決権の行使についての参考書類を添付しなければならないものとするとともに、株主の議決権の行使を容易にするため、書面により議決権を行使することができることとしております。
最後に、有限会社法につきましては、商法の一部改正に伴いまして、これと関連する部分について、所要の整理をすることとしております。
以上がこの法律案の趣旨であります。(拍手)
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商法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の
趣旨説明に対する質疑
第94回国会衆議院会議録第19号2頁(昭和56年4月17日)〔奥野誠亮法務大臣発言・発言番号13〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、次の事項について格段の配慮をすべきである。
一今次の法改正が国民一般に与える影響、とりわけ単位株制度の導入が株主等に与える影響の大きいことにかんがみ、その趣旨及び内容の周知徹底を図ること。
二今次株式会社制度改正の趣旨及び経緯にかんがみ、すみやかに、企業結合・合併・分割及び大小会社の区分等について検討すること。
三株主、債権者等の保護を図るとともに、企業の社会的責任を明らかにするため、株式会社の業務及び財務に関する公示・公開の制度をより一層充実強化すること。
四営業報告書及び附属明細書の記載事項に関する省令の制定に当たっては、国会における審議の内容を尊重し、大会社の社会的責任を明らかならしめる内容のものとすること。
五株主総会の形骸化を防止し、その適正な運営を図るため、いわゆる総会屋の絶滅に一層の努力をすること。
六会社の業務及び財務の適正を期するため、監査役の権限を強化し、その独立性を確保した法改正の目的を達成するよう、引き続き、関係団体と密接な連携のもとに、一層の努力をすること。
七大会社に対する監査業務の重要性にかんがみ、会計監査人の独立性と監査の的確性を確保するための方策を検討するとともに、監査法人の国際的競争力を高めるため必要な措置を講ずること。
八新株引受権付社債制度の創設は、証券市場の国際化の進展に即応し企業の資金調達方法の多様化を図ることを目的とするものであることにかんがみ、早期に実務面の調査検討を行い、その円滑な実施を期すること。
九いわゆる外国会社の企業活動の適正化を図るため、すみやかに、その実態を調査し、商法上所要の措置を講ずること。
十商法及びその関連諸法令については、経済その他諸般の情勢を考慮し、必要に応じ所要の改正措置について検討すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109401059)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。