勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
昭和57年法律第55号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S57.4.6趣旨説明社会労働委員会 5283
- S57.4.13質疑社会労働委員会 7294
- S57.4.20採決・附帯決議社会労働委員会 926
- S57.4.20採決・委員長報告・附帯決議本会議 1840
参議院社会労働委員会
- S57.4.22趣旨説明社会労働委員会 107
- S57.5.13質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 14238
- S57.5.14附帯決議・採決・委員長報告本会議 1863
提案理由
初村滝一郎 労働大臣 昭和57年4月6日ただいま議題となりました勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
勤労者財産形成促進法は、資産の保有面で立ちおくれが見られる勤労者生活の実情にかんがみ、勤労者の財産形成を促進し、その生活の安定を図るとともに国民経済の健全な発展に資するため、昭和四十六年に制定されたものであります。
この法律による勤労者財産形成貯蓄制度は、発足後十年を経過し、現在、財形貯蓄を行う勤労者は一千三百万人に達し、その貯蓄額は五兆円を超える等、勤労者生活に広く定着してきているところであります。
しかしながら、この貯蓄資金を活用して行う勤労者財産形成持ち家融資につきましては、その利用状況ははなはだ低調であり、このままでは、勤労者の生活の安定のみならずわが国経済の発展にとっても重要である住宅建設を十分に促進することができない実情にあります。また、高齢化社会の進展に対応して勤労者の老後生活の一層の安定を図るためには、在職中におけるそのための財産形成を促進する必要がありますが、現行の制度では、制度上十分に対処することができない現状にあります。
政府は、このような実情等にかんがみ、厳しい行財政事情のもとではありますが、勤労者財産形成促進制度を見直し、貯蓄及び住宅の両面にわたる施策の大幅な充実、強化を図りたいと考え、そのための案を勤労者財産形成審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに勤労者財産形成促進法の一部を改正する法律案として提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一は、勤労者財産形成年金貯蓄制度の創設であります。
勤労者が老後生活のための計画的な貯蓄を行うことを促進するため、勤労者財産形成貯蓄制度に、年金の支払いを目的とする一定の貯蓄を勤労者財産形成年金貯蓄として加えることといたしております。また、勤労者がこのような年金貯蓄を行う場合に事業主が勤労者財産形成給付金制度等を利用して援助を行うことができることとすること等所要の措置を講ずることといたしております。
なお、この法律案による勤労者財産形成年金貯蓄の利子等について退職後も引き続き非課税とする措置につきましては、すでに租税特別措置法の一部を改正する法律案に盛り込んで御審議を願ったところであります。
第二は、勤労者財産形成持ち家個人融資制度の拡充であります。
勤労者の住宅の取得を一層促進するため、勧労者財産形成持ち家個人融資の貸付限度額を財形貯蓄の額の三倍に相当する額から五倍に相当する額に引き上げることといたしております。
なお、この融資につきましては、このほか、予算措置により新たに利子補給を行い、返済負担の大きい当初五年間について貸付利率を引き下げることとし、他の公的住宅融資の利用と相まって、勤労者の住宅建設に効果的な施策を講ずるようにいたしております。
その他、この法律案におきましては、その附則において、勤労者財産形成年金貯蓄制度の創設等に伴う経過措置を規定いたしますとともに、関係法律の所要の規定の整備を行うことといたしております。
以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第96回国会衆議院社会労働委員会議録第5号39頁(昭和57年4月6日)〔初村滝一郎労働大臣発言・発言番号281〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一勤労者財産形成制度全般については、法の 趣旨に照らし基本的な検討を続け、それに即した制度の整備充実を図ること。
二勤労者の財産形成促進に必要な税制、財政面からの優遇措置を充実するよう、更に一層努力すること。
三物価及び地価の安定が勤労者の財産形成の基礎的条件であることにかんがみ、物価政策及び土地対策の推進に遺憾なきを期すること。
四財形貯蓄及び財形年金貯蓄については、転職の場合における継続措置の拡充等勤労者の生涯設計に即し、一層利用し易いものとするよう努めること。
五取扱金融機関の選定については、勤労者の意思が反映できるよう配慮すること。
六勤労者財形持家融資等については、一層の充実と活用促進に努めること。
七住宅貯蓄控除制度が廃止されることに伴い、財形持家個人融資の積極的活用、財形年金貯蓄への円滑な移行等の措置により、勤労者に実損が生じないよう努めること。
八財形持家分譲融資により日本勤労者住宅協会が建設する財形住宅については、地方公務員にも分譲できるよう早急に努力すること。
九勤労者財産形成給付金制度及び基金制度の充実に努め、事業主がこれらを積極的に活用するよう行政指導を行うこと。
十勤労者財産形成促進制度における各種制度が広く活用されるよう、その周知徹底と手続の簡素化に努めること。
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一財形制度全般については、法の趣旨に照らし基本的な検討を続け、それに即した制度の整備充実を図ること。
二勤労者の財産形成促進に必要な税制、財政面からの優遇措置の充実に更に一層努力するとともに、財産形成の基礎的条件である物価の安定及び土地政策の推進に遺憾なきを期すること。
三財形貯蓄及び財形年金貯蓄については、転職の場合の継続措置の拡充等勤労者の生涯設計に即して一層利用し易いものとするよう努めるとともに、これらの取扱金融機関の選定について勤労者の意思が反映できるような配慮すること。
四財形持家融資制度等については、一層の充実と活用の促進を図るため、利子補給期間、貸付金利等について、財形審議会で早急に検討を行うこと。
五日本勤労者住宅協会の財形住宅が、地方公務員にも分譲できるよう、財形審議会で制度のあり方について検討するとともに、地方公共団体に対し事前の行政指導を行うこと。なお、これによつても困難な場合には、できるだけ速やかに基本的解決を図ること。
六住宅貯蓄控除制度が廃止されることに伴い、財形持家個人融資の積極的活用、財形年金貯蓄への円滑な移行等の措置により、勤労者に実損が生じないよう努めること。
七財形給付金制度及び基金制度について、事業主が積極的に活用するよう行政指導を行うほか、財形制度の周知徹底と手続の簡素化に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109601028)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。