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閣法第96回国会 第42号成立

漁業災害補償法の一部を改正する法律案

昭和57年法律第38号 漁業災害補償法の一部を改正する法律
提出昭和57年2月13日 内閣
付託参議院 農林水産委員会
衆議院 農林水産委員会
成立
昭和57年法律第38号
審議会議 6回・発言 454(政府答弁等 191)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. S57.3.18趣旨説明・補足説明農林水産委員会 7294
  2. S57.4.7質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 11219
  3. S57.4.8委員長報告・採決・附帯決議本会議 1632

参議院農林水産委員会

  1. S57.4.15趣旨説明・参考人招致農林水産委員会 840
  2. S57.4.22質疑・附帯決議・採決農林水産委員会 9192
  3. S57.4.23附帯決議・採決・委員長報告本会議 1554

提案理由

田澤吉郎 農林水産大臣 昭和57年3月18日

漁業災害補償法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。

 漁業災害補償制度は、昭和三十九年の創設以来、中小漁業者の相互救済の精神を基調とした共済事業の実施を通じて、その経営の安定に重要な役割りを果たしてまいりました。

 しかしながら、近年におけるわが国水産業を取り巻く厳しい諸環境の中で、共済事業の運営は、新たな対応を必要とするに至っております。すなわち、二百海里体制への移行を契機とする魚価の著しい変動、漁場環境の悪化等により、共済事故が多発してきております。また、危険の分散に必要な幅広い加入がいまだ確保されていないという事情もございます。

 今後とも、漁業共済事業が中小漁業者の経営の安定のためにその機能を十全に発揮してまいるためには、このような新しい事態に対応した仕組みの改善を図っていかなければなりません。また、中小漁業者の共済需要に積極的にこたえる措置を講じて加入の一層の拡大を図ってまいる必要があります。このため、漁業共済事業等につき所要の改正を行うこととした次第であります。

 次に、漁業共済基金の廃止とその機能の中央漁業信用基金への承継について申し上げます。漁業共済基金は、漁業共済団体のほか、政府、都道府県が出資して設立された特殊法人であります。漁業共済基金は、共済金支払い資金の不足する漁業共済団体に、低利資金を融通しておりますが、その機能は、漁業共済事業等の健全かつ円滑な運営に欠かすことができないものであります。しかしながら、行政改革の一環として、特殊法人の整理合理化を進めるという観点から、昭和五十四年十二月の閣議決定に基づき、今回、これを廃止し、その機能を中央漁業信用基金に吸収することとしたものであります。本法律案におきましては、これに必要な法的措置を定めております。

 以下、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、漁獲共済の仕組みの改善であります。まず、加入の拡大を図るため、地域の実態に応じて加入集団や加入区を設けることができるようにいたしております。また、継続的な加入を確保するため、継続申込特約方式を導入し、この方式による契約については、補償水準が大幅に変動しないようにいたしております。

 第二に、養殖共済の仕組みの改善であります。まず、加入の拡大を図るため、契約締結要件を緩和し、漁業者が自己の共済需要に応じて加入できるようにいたします。また、共済金の支払い方法を改め、特定の共済事故についてはてん補の対象としない道を開くこととしております。

 第三に、その他の共済事業の仕組みの改善であります。まず、現在、試験的に実施している特定養殖共済について、養殖施設を共済の対象とすること等の改善を図ります。また、新たに、地域の共済需要に応ずるため、漁業共済組合が自主的に地域共済事業を実施することができることといたしております。

 第四に、漁業共済基金の整理でございます。漁業共済基金を解散し、その業務を、中央漁業信用基金が行うことができるようにするほか、権利及び義務の承継等所要の措置を講じております。

 以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

第96回国会衆議院農林水産委員会議録第7号33頁(昭和57年3月18日)〔田澤吉郎農林水産大臣発言・発言番号286〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会昭和57年4月7日

まず、案文を朗読いたします。漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、漁業用燃油価格の高騰、二百海里海洋新秩序の定着等厳しい漁業環境に対処し、漁業経営安定対策の強力な推進を図り、併せて、本法の施行に当たっては、本制度が果たす役割の重要性を十分考慮し、左記事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。記

一燃油価格の高騰による漁業経費の増大が中小漁業経営を圧迫している現状に対処するため、再生産が阻害されることのないよう漁業実態に即応した補償水準の設定に努め、併せて、大型漁船の操業形態に適合した制度の仕組み及び漁業経費の補てんを基本とする制度の在り方について検討すること。

二国際規制の強化が本制度の健全な運営に著しい影響を及ぼすことのないよう、共済組合が行う共済契約締結の制限、共済限度額の調整等につき適切な指導を行うこと。

三漁業経営の安定と本制度の健全な発展のため、政府及び地方公共団体が行う融資措置等の経営対策と本制度との有機的な運用について検討すること。

四試験実施が続けられているのりの特定養殖共済については、すみやかに本格実施に移行するよう努めること。

五養殖共済において常襲病害を不てん補とするについては、発病の予防及び魚病のまん延の防止等防疫措置の充実を図るとともに、適正な養殖管理につき指導を強化すること。

六地域共済については、十分な危険分散を図ること等によって、漁業者の共済需要に対応し、かつ、その事業運営の健全性が確保されるような措置を講ずること。

七漁業共済団体の赤字処理に当たっては、漁業者の経済負担力が弱小である実情にかんがみ、漁業者の過大な負担とならないよう十分配慮し、その円滑な解消に努めること。

八漁業共済基金の機能が中央漁業信用基金に承継されることに伴い、漁業共済事業の運営に支障を生ずることのないよう必要な資金の調達等に万全を期すること。

参議院 農林水産委員会昭和57年4月22日

案文を朗読いたします。漁業災害補償法の一部を改正する法律案に対する附帯決裁(案)厳しい漁業情勢の下にあつて、漁業共済制度が中小漁業の再生産と経営の安定に果たす役割は、ますます重要になつている。よつて、政府は、本法の施行に当たり、次の事項の実現に万全を期すべきである。

一燃油費等の漁業経費の増大が、中小漁業経営の悪化の大きな要因となつている現状にかんがみ、再生産の確保を旨として、経営実態を反映した補償水準の設定に努め、併せて、大型漁船の操業形態に適合した制度の仕組み及び漁業経費の補てんを基本とする制度の在り方について検討すること。

二継続契約方式の導入に当たつては、その普及を図るため、掛金率、無事故奨励金等について魅力ある仕組みを設定すること。

三諸外国の漁業規制による操業条件の変化が、本制度の運営に悪影響を及ぼすことのないよう、危険の程度に応じた共済契約締結の制限、共済限度額の調整等につき、適切な指導を行うこと。

四魚病多発地域における常習的な病害についての足切り制度の導入に当たつては、魚病の研究の促進及び防疫措置の充実を図るとともに、養殖管理につき指導を強化すること。

五地域共済の実施に当たつては、十分な危険分散を図ること等によつて、漁業者の共済需要に対応し、かつ、その事業運営の健全性が確保されるような措置を講ずること。

六特定養殖共済については、データの収集等を進め、すみやかに本格実施に移行するよう努めること。

七漁業共済基金の機能を中央漁業信用基金に承継させるに当たつては、円滑な引継ぎがなされるよう配慮するとともに、漁業共済事業の運営に支障を生ずることのないよう、必要な資金の調達等に万全を期すること。

八漁業共済団体の累積赤字の処理に当たつては、中小漁業者の経営が厳しい情勢下にあることにかんがみ、漁業者の過大な負担とならないよう十分配慮し、その円滑な解消に努めること。

九本制度の加入率が全般に低い水準にある実態にかんがみ、共済団体及び漁協が行う普及推進活動について、指導を強化すること。

十本制度と漁業経営安定のための国の制度融資との有機的な運営について検討するとともに、本制度に対する地方自治体の助成の実態にかんがみ、加入促進に資するよう、自治体の協力について指導に努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109601042)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。