船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
昭和57年法律第54号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
坂田道太 法務大臣 昭和57年3月19日次に、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
現行の船舶の所有者等の責任の制限に関する法律は、千九百五十七年の海上航行船舶の所有者の責任の制限に関する国際条約に準拠して制定されたものでありますが、この条約は、成立後すでに二十年以上経過し、現在では必ずしも社会経済の実態にそぐわなくなる等の問題が生じております。そのため、国際的にも、船舶の所有者等の責任限度額を引き上げ、かつ、これを定める単位を国際通貨基金の定める特別引き出し権によることとする等を内容とする千九百七十六年の海事債権について責任の制限に関する条約が成立を見るに至り、すでに英、仏等主要海運国がこの条約を批准しております。
そこで、政府におきましては、前述の千九百五十七年条約を廃棄して、この千九百七十六年条約に加入するため、今国会においてその承認方を求めているところであります。
この法律案は、千九百七十六年条約への加入に伴い、船舶の所有者等の責任の制限に関して所要の規定を整備する必要がありますので、船舶の所有者等の責任の制限に関する法律の一部を改正しようとするものであります。
この法律案の要点を申し上げますと、
第一に、船舶の所有者等の責任限度額を引き上げるとともに、責任限度額の算定の基礎となる船舶のトン数を国際的に統一された基準によって算定することとしております。また、責任限度額の単位は、国際通貨基金の定める特別引き出し権によることとし、従来の金価値による定めを改めております。
第二に、責任の制限主体として、新たに救助者及び被用者等を追加することとしております。
第三に、制限債権を人の損害に関する債権、物の損害に関する債券及び旅客の損害に関する債権に分けて、責任制限の効力の及ぶ範囲及び責任限度額を定めるとともに、責任を制限することのできない債権の範囲の合理化等のため所要の改正を行うこととしております。
なお、責任制限手続についても、条約への加入等に伴い所要の改正をすることとしております。
以上がこの法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第96回国会衆議院法務委員会議録第4号2頁(昭和57年3月19日)〔坂田道太法務大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=109601066)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。