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国会審議›第101回国会›閣法第67号
閣法第101回国会 第67号成立修正あり

医療法の一部を改正する法律案

昭和60年法律第109号 医療法の一部を改正する法律
提出昭和59年4月4日 内閣
付託参議院 社会労働委員会
衆議院 社会労働委員会
成立
昭和60年法律第109号
審議会議 9回・発言 1,469(政府答弁等 655)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院社会労働委員会

  1. S59.8.7趣旨説明社会労働委員会 3224
  2. S60.11.14質疑社会労働委員会 1389
  3. S60.11.21質疑社会労働委員会 2338
  4. S60.11.28質疑・修正案趣旨説明・附帯決議・採決(修正)・修正案社会労働委員会 3182
  5. S60.12.3委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 938

参議院社会労働委員会

  1. S60.12.5趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明社会労働委員会 311
  2. S60.12.10質疑社会労働委員会 4408
  3. S60.12.19質疑・討論・附帯決議・採決社会労働委員会 5109
  4. S60.12.20附帯決議・委員長報告・採決本会議 940

提案理由

渡部恒三 厚生大臣 昭和59年8月7日

 次に、ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。

 現行医療法は、昭和二十三年に我が国医療の基本法として制定されて以来、医療体制の充実を通じ、国民医療の確保、向上に大きな役割を果たしてまいりました。

 しかしながら、我が国の、医療体制については、病床の増加等量的には相当程度の整備が行われてきた反面、病院、診療所などの医療資源が地域的に偏在している、あるいは医療施設相互の機能の連係が十分でないといった指摘が、かねてよりなされているところであります。また、近年の一部医療機関における不祥事は、医療に対する国民の信頼を揺るがしておりますが、これを回復するためにも、制度の改革が強く望まれております。

 殊に、本格的な高齢化社会の到来を間近に控え、医療需要は今後ますます増大し、かつ、多様化していくことが予想されるところであります。二十一世紀を目指すこれからの医療は、このような状況を念頭に置いて、医療資源の効率的活用を図りつつ、人口の高齢化、医学医術の進歩、疾病構造の変化に対応して、国民に対し適正な医療をあまねく確保していくものでなければならないと考えます。そのためには、病院、診療所のあり方等を含め、医療制度について見直しを行い、時代に即応した制度の改革を図っていくことが必要であります。

 このような観点に立った見直しの第一歩として、都道府県ごとに医療計画を策定して地域における体系立った医療体制の実現を目指すとともに、医療法人の適正な運営を確保すべく、医療法の一部を改正する法律案を第九十八回国会に提出し、御審議を煩わしたのでありますが、第百回国会において衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至りませんでした。

 しかしながら、医療制度の見直しは、本格的な高齢化社会において、すべての国民が適正な医療を受けることができるようにするための基盤づくりとして、極めて重要なものであることから、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一は、医療法の目的を、病院、診療所等の開設及び管理に関し必要な事項並びにこれらの施設の整備を推進するために必要な事項を定めること等により、医療を提供する体制の確保を図り、もって国民の健康の保持に寄与することとしたことであります。

 第二は、医療計画についてであります。

 医療計画は、都道府県がこれを作成し、対象となる区域の設定及び必要病床数に関する事項を定めるものとするほか、病院の整備の目標、医療施設相互の機能の連係、医師、歯科医師等医療従事者の確保その他医療を提供する体制の確保に関し必要な事項を定めることができるものとしております。

 この医療証画の策定を通じて、地域における各種医療機関の役割を明確にし、その機能の連係強化を図ることによって、地域の医療需要に沿った医療体制の確立を目指していきたいと考えます。

 医療計画の達成の推進のための排置といたしましては、国及び地方公共団体は、病院等の不足地域におけるその整備等必要な措置を論ずるように努めるとともに、病院の開設者等は、その建物、設備等を病院に勤務しない医師、歯科医師に利用させる、いわゆる病院の開放化に努めるものとしております。

 さらに、都道府県知事は、医療計画の達成の推進のため特に必要がある場合には、病院を開設しようとする者等に対し、病院の開設その他必要な事項に関して勧告することができることとし、これにより病床の適正な配置を図ることとしております。

 第三は、医療法人の運営の適正を確保するための指導監督規定等の整備についてであります。

 まず、医療法人の役員に関し、理事及び監事の定数並びに欠格事由を定めることとしております。また、都道府県知事の認可を受けた場合を除き、医療法人の開設する病院または診療所の管理者はすべて理事に加えることとするとともに、その理事長は医師または歯科医師である理事のうちから選出することとしております。

 次に、都道府県知事は、医療法人の業務または会計が法令に違反している疑いがあると認める等の場合には、医療法人の事務所に対する立人検査を行うことができることとするとともに、このような違反等の事実が判明した場合には、必要な措置をとるべき旨を命じ、その命令に従わないときは、業務停止命令または役員の解任の勧告を行うことができることとしております。

 最後に、この法律の施行については、医療法人に関する規定は公布の日から起算して六月を経過した日から、医療計画に関する規定は公布の日から起算して一年を超えない範囲内で政令で定める日から、それぞれ施行することとしております。

 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

第101回国会衆議院社会労働委員会議録第32号58頁(昭和59年8月7日)〔渡部恒三厚生大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 社会労働委員会昭和60年11月28日

政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう努めるべきである。

一国民の健康と福祉の向上を図るため、疾病の予防、治療からリハビリテーションに至るまでの包括的な保健医療体制の確立に努めること。また、医療従事者の重要性にかんがみ、その確保に努めること。

二人口構造の高齢化、医学医術の進歩、疾病構造の変化に即した医療供給構造の確立を図るため、医療施設の区分を含め、所要の法制の整備を行う等医療制度の抜本的な見直しを行うこと。特に病院等における薬剤師を含む職員の配置の在り方については早急に検討を行うこと。

三早急に中間施設の法的な性格を明らかにすること。

四医療審議会の構成に当たっては、医療を受ける立場にある者を含め、医療に関する識見を有する者の幅広い意見が反映できるように留意すること。

五医療の公共性、非営利性を重視した医療法制、税制、金融等の確立に努めること。あわせて医療法人の育成についても積極的な対策を講ずること。

六医療法人の理事長を医師又は歯科医師を原別とする規定については、医療法人の実態を考慮した適切な運用を行うこと。

七診療科名を含む医業に関する広告の制限については、医療事情の変化、国民意識の動向に即し見直しを行うこと。

参議院 社会労働委員会昭和60年12月19日

政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。

一国民の健康と福祉の向上を図るため、疾病の予防、治療からリハビリテーションに至るまでの包括的な保健医療体制の確立に努めること。また、医療従事者の重要性にかんがみ、その確保に努めること。

二病院・診療所の区分、役割分担を含め、所要の法制整備を行う等医療制度の抜本的な見直しを行うこと。

三病院等における薬剤師を含む職員の配置の在り方について早急に検討を行うこと。また、総合病院について、精神科・神経科の必置の問題を含め、その基本的な在り方を検討すること。

四医療計画の策定に関しては、都道府県の自主性を十分尊重し、中央統制に及ぶことのないよう留意すること。

五医療が営利を目的とせず、適正に行われるようその趣旨の徹底に万全を期すこととし、歯科を含め適切な指導監督を行うこと。また、医療法人の育成について積極的な対策を講ずること。

六医療審議会の構成、運営に当たっては、医寮を受ける立場にある者を含め、医療に関する識見を有する者の幅広い意見が十分反映できるように留意すること。

七公的病院に対する病床規制については、今後の運用状況を勘案し、鋭意検討すること。

八中間施設について、法的性格等その在り方を早急に明らかにすること。

九歯科保健の増進強化を図るため、保健所、都道府県等における業務の円滑な推進体制の整備に努めること。

十医療を提供する体制の一層の充実を図るため、医薬品情報の確保、薬剤師による適正な医薬品の管理・調剤が行われるよう努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110101067)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。