雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案
参議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会公聴会
昭和60年法律第45号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- S59.6.26趣旨説明社会労働委員会 187
- S59.6.26趣旨説明・質疑本会議 3239
- S59.7.3質疑社会労働委員会 20260
- S59.7.10質疑社会労働委員会 23365
- S59.7.17参考人招致・派遣委員報告・質疑社会労働委員会 25332
- S59.7.24質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・修正案社会労働委員会 27289
- S59.7.27委員長報告・討論・採決(修正)本会議 3826
- S60.5.14参議院修正部分趣旨説明・採決社会労働委員会 2093
- S60.5.17委員長報告・採決本会議 2812
参議院社会労働委員会・社会労働委員会公聴会
- S59.8.1趣旨説明・質疑本会議 2638
- S59.8.2趣旨説明社会労働委員会 18274
- S60.4.11質疑社会労働委員会 13396
- S60.4.17公聴会社会労働委員会公聴会 1108
- S60.4.18質疑社会労働委員会 16473
- S60.4.25質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・修正案社会労働委員会 18305
- S60.5.10委員長報告・討論・採決(修正)本会議 1549
提案理由
坂本三十次 労働大臣 昭和59年6月26日ただいま議題となりました雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年、我が国における女子労働者は着実に増加し、約千五百万人と全労働者の三分の一を超え、また、あらゆる産業、職業に進出し、我が国の経済社会の発展は今や女子労働者を抜きにしては考えられなくなってきております。女子の職業に対する意識も高まり、その生涯における職業生活の比重も増大しております。しかしながら、我が国経済社会の実態は意欲と能力のある女子労働者がそれを十分に発揮し得る環境が整えられているとは必ずしも言えない状況にあり、そのような環境を整えることが大きな課題となってきております。
また、昭和五十年の国際婦人年を契機として、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇を確保することが国際的潮流となっている中で、我が国は国際連合総会において採択された婦人に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約を昭和五十五年に署名したところであり、先進国の一員として、早期に関係国内法を整備し、条約の批准に備えることが要請されております。
このような内外の情勢を考慮に入れますと、我が国においても、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇が確保されるよう、新たな立法措置を講ずる一方、労働基準法の女子保護規定については、女子の就業分野の拡大に資するとともに、時代の変化に即したものとなるよう見直すことが必要となっております。また、これらに加えて、既婚女子労働者の増加等に伴い、女子労働者自身の健康と福祉、さらには次代を担う国民の健全な育成という観点から、母性保護等についての施策の拡充が求められているところであります。
これらの問題については、昭和五十三年以来婦人少年問題審議会において御審議をいただいてきておりましたが、本年三月末、六年余の長期にわたる御審議の結果を建議としていただいたところであります。政府といたしましては、世界の潮流を見通し、あるべき姿へ向かって着実に進むべく歴史的な第一歩として、この建議を踏まえ法律案を作成し、関係審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。
もとより、雇用の分野において男女の均等な機会及び待遇が現実に確保されるためには、このような法制の整備と相まって、女子自身が労働に従事する者としての自覚のもとにその能力を発揮すると同時に、女子の就労についての国民全体の理解を深めることが必要でありますので、政府といたしましては、これらの機運の醸成を図ってまいることといたしております。
次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、勤労婦人福祉法の名称を雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等女子労働者の福祉の増進に関する法律に改めるとともに、その内容を男女の均等な機会及び待遇の確保の促進を図るという観点から抜本的に改正することであります。
その内容の一は、男女の均等な機会及び待遇の確保のために必要な事業主の責務を新たに規定したことであります。すなわち、募集、採用、配置及び昇進については事業主は女子と男子を均等に取り扱うよう努めなければならないこととするとともに、これらの事項について労働大臣が指針を定めることができることといたしております。また、労働省令で定める教育訓練及び福利厚生並びに定年・退職・解雇については、事業主は労働者が女子であることを理由として差別的取り扱いをしてはならないことといたしております。
その二は、男女の均等な取り扱いに関する紛争の解決のための措置であります。このような紛争については、事業主は、まず、企業内で自主的な解決を図るように努めなければならないことといたしております。また、紛争の関係当事者から求められた場合には、都道府県婦人少年室長が必要な助言、指導または勧告を行うほか、都道府県ごとに機会均等調停委員会を設け、紛争の調停に当たらせることといたしております。
その三は、妊娠、出産または育児のため一たん退職し、再就職しようとする女子の就業の援助の措置等であります。すなわち、事業主は、これらの女子の再雇用について特別に配慮するように努めなければならないこととし、また、国は、その再雇用の促進に必要な援助を行うように努めるものといたしております。
第二は、労働基準法を改正し、妊娠及び出産にかかわる母性保護措置を拡充する一方、それ以外の女子保護措置について廃止または緩和することであります。
その一は、女子の時間外・休日労働の規制について、まず、命令で定める管理職及び専門職についてはそれを廃止することといたしております。また、工業的事業の女子については時間外労働に関する現行の一日二時間の制限を廃止することとし、非工業的事業の女子については時間外・休日労働の規制を命令で定める範囲内において緩和することといたしております。
その二は、深夜業の規制について、命令で定める管理職及び専門職、業務の性質上深夜業が必要とされる業務に従事する命令で定める短時間労働者等については、深夜業の禁止を解除することといたしております。
その三は、危険有害業務の就業制限、生理休暇及び坑内労働についてそれぞれ現行規制を緩和するとともに、帰郷旅費の規制は廃止することといたしております。
その四は、妊娠及び出産に係る母性保護について、まず産前休業を多胎妊娠の場合十週間に延長するとともに、産後休業を八週間に延長することとしております。また、妊産婦が請求した場合には時間外・休日労働及び深夜業を禁止することといたしております。
最後に、この法律の施行は、事前の周知を十分に図る必要があることを考慮し、一部の規定を除き、昭和六十一年四月一日からといたしております。
以上、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保を促進するための労働省関係法律の整備等に関する法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第101回国会衆議院社会労働委員会議録第18号2頁(昭和59年6月26日)〔坂本三十次労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110101083)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。