司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案
衆議院 法務委員会
昭和60年法律第86号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- S60.4.12趣旨説明・質疑法務委員会 14249
- S60.4.16参考人招致法務委員会 1574
- S60.4.19質疑・附帯決議・採決法務委員会 17403
- S60.4.23採決・委員長報告・附帯決議本会議 2315
参議院法務委員会
- S60.5.21趣旨説明法務委員会 1111
- S60.5.23参考人招致法務委員会 1270
- S60.5.28質疑法務委員会 13241
- S60.5.30質疑・採決・附帯決議法務委員会 14301
- S60.5.31附帯決議・委員長報告・採決本会議 1955
提案理由
嶋崎均 法務大臣 昭和60年4月12日司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、司法書士及び土地家屋調査士の制度の運営の実情にかんがみ、司法書士及び土地家屋調査士の自主性の強化を図るため、その登録を日本司法書士会連合会または日本土地家屋調査士会連合会が行うものとするとともに、官公署等が公共の利益となる事業に関して行う不動産の登記の嘱託等の実情にかんがみ、その嘱託等の登記の手続の適正化を図るため、司法書士または土地家屋調査士を社員とする社団法人がその嘱託等に係る事務を受託してこれを処理することができることとするものでありまして、その要点は、次のとおりであります。
第一に、現行法におきましては、司法書士及び土地家屋調査士の登録は、法務局または地方法務局の長が行うものとしておりますが、これを改め、この登録は、日本司法書士会連合会及び日本土地家屋調査士会連合会が行うものとしております。
第二に、登録の拒否及び登録の取り消しの手続を適正に処理するため、一定の事由に該当することを理由に登録の拒否または登録の取り消しをしようとするときは、登録審査会の議決に基づいてしなければならないものとしております。
第三に、登録の拒否または登録の取り消しを受けたがその処分に不服があるときは、その者は、法務大臣に対し、行政不服審査法による審査請求をすることができるものとし、法務大臣は、審査請求が理由があるときは、日本司法書士会連合会または日本土地家屋調査士会連合会に対し、相当の処分をすべき旨を命ずることとしております。
第四に、移譲した登録事務の適正を確保するため、法務大臣は、必要があるときは、日本司法書士会連合会または日本土地家屋調査士会連合会に対し、登録事務に関し、報告を求め、または勧告をすることができることとしております。
第五に、司法書士会または土地家屋調査士会の自主性の強化を図るため、会則の変更のうち、会費に関する規定の変更等については、法務大臣の認可を要しないものとしております。
第六に、官公署等が公共の利益となる事業に関して行う不動産の登記の嘱託または申請に必要な手続は、その規模、性質等にかんがみ、専門的知識、技能を有する司法書士または土地家屋調査士が組織的に受託して処理することが望ましいところでありますが、現行法のもとでは種々の険路があり、司法書士または土地家屋調査士がこれらの登記の嘱託等の手続の受託をしているのはわずかの部分にしかすぎず、これがひいては官公署等のする登記の嘱託等の手続の適正、円滑な処理の目的を十分果たし得ない実情となっております。
そこで、官公署等が公共の利益となる事業に関して行う不動産の登記の嘱託等の手続の適正かつ迅速な実施に寄与することを目的として、司法書士または土地家屋調査士を社員とする民法第三十四条の規定による社団法人が当該嘱託等に係る事務を受託してこれを処理することができるものとする制度を創設することとしております。
第七に、右に述べました社団法人制度の創設を認めることに伴い、所要の罰則の規定を設けるとともに、罰金及び過料の多額を引き上げることとしております。
以上が司法書士法及び土地家屋調査士法の一部を改正する法律案の趣旨であります。
何とぞ慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第102回国会衆議院法務委員会議録第14号1頁(昭和60年4月12日)〔嶋崎均法務大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について格段の努力をすべきである。
一日本司法書士会連合会及び日本土地家屋調査士会連合会の自主性の確保についてなお検試すること。
二司法書士及び土地家屋調査士の職務の専門性にかんがみ、その資質・能力の向上を図るため、司法書士会及び土地家屋調査士会が行う研修について協力すること。
三公共嘱託登記司法書士協会及び公共嘱託登記土地家屋調査士協会に関し、 1 その設立許可に当たっては、日本司法書士会連合会及び日本土地家屋調査士会連合会の意見を尊重し、これが適正に行われるよう努めること。 2 その理事の選任及び運営に当たっては、法務省から当委員会に提出された昭和六十年二月二十六日付け回答書を踏まえて、これが自主的、民主的に行われるよう配慮すること。 3 その活動が、司法書士会及び土地家屋調査士会の定める標準報酬規定の適正な運用を損うことのないよう指導すること。
四公共嘱託登記が円滑・適正に行われるよう関係諸機関に対し、公共嘱託登記司法書士協会及び公共嘱託登記土地家屋調査士協会の制度創設の趣旨について周知徹底を図ること。
五不動産登記法第十七条の地図の整備について更に努力すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について努力すべきである。
一日本司法書士会連合会及び日本土地家屋調査士会連合会の運営については、その自主性を高めるよう引き続き検討すること。
二司法書士及び土地家屋調査士の業務の専門性にかんがみ、その資質・能力の向上を図るため、両連合会及び各単位会の行う研修に協力すること。
三公共嘱託登記司法書士協会及び同土地家屋調査士協会の設立許可に関しては、両連合会の意見を尊重して行うこと。
四公共嘱託登記の協会制度がその目的を達成するよう関係諸機関にその趣旨の周知徹底を図ること。
五不動産登記法第十七条の地図については、更にその整備を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110201049)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。