特定石油製品輸入暫定措置法案
参議院 商工委員会
昭和60年法律第95号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会
- S60.11.19趣旨説明商工委員会 34
- S60.11.20質疑商工委員会 4330
- S60.11.22質疑・修正案趣旨説明・修正案・採決(修正)商工委員会 5109
- S60.11.26委員長報告・採決(修正)本会議 712
参議院商工委員会
- S60.12.5趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明商工委員会 49
- S60.12.10質疑商工委員会 5271
- S60.12.12質疑・討論・採決・附帯決議商工委員会 6140
- S60.12.13附帯決議・委員長報告・採決本会議 820
提案理由
村田敬次郎 通商産業大臣 昭和60年11月19日特定石油製品輸入暫定措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
石油は、我が国一次エネルギーの約六割を占める重要物資であり、その安定供給の確保は我が国エネルギー政策の根幹をなすものであります。
我が国は、石油の安定的かつ低廉な供給の確保を図るとの観点から、原油を輸入し、国内で精製し、製品にして供給する方式、いわゆる消費地精製方式を基本として採用してまいりましたが、他方、その補完として石油製品の輸入を進めてきております。現在、輸入は重油、ナフサ、LPGの三油種について行われており、我が国の輸入量は米国、西独に次ぎ世界第三位にあり、内需に占める輸入の比率も二〇%弱で欧米諸国と遜色のない水準となっております。
しかしながら、この他の油種、すなわちガソリン、灯油、軽油については、輸入が行われないできております。その理由としては、第一に、これまでこれらの油種については国際的に貿易の規模が小さく、量的にも価格的にも供給が不安定であること、第二に、ガソリン等の輸入がふえればその国内生産が減るため、石油製品の連産品としての特性から他の油種の供給もあわせて減るおそれがあること、第三に、粗悪な品質の製品が流入した場合の問題が大きいことなどによるものであります。
しかるに、近年、国際石油情勢が緩和基調で推移しているもとにおいて、ガソリン等の石油製品貿易も拡大する傾向にあり、特に、中東における輸出用製油所の完成等により中東産油国からの輸出は今後増大するものと予測されております。これをいかに円滑に輸入するかは現在石油消費国各国共通の課題となっており、特に我が国に対する輸出圧力は近年とみに強くなってきております。こうした状況を踏まえ、本年七月の国際エネルギー機関閣僚理事会においては、「供給の安全保障に留意しつつ、市場機能を基本として円滑に石油製品が流通する条件を創出すべし」との趣旨のコミュニケが取りまとめられたところであります。
また、本年七月の臨時行政改革推進審議会答申においては、「所要の条件整備を行った上で漸進的国際化を図っていくべきである。」との趣旨の指摘も行われております。
こうした内外情勢を踏まえ、石油製品輸入問題について検討を行ってきた石油審議会では、本年九月に中間報告を取りまとめ、本問題についての対応につき提言がありました。その内容といたしましては、第一に、安定供給の基本となる消費地精製方式を基本としつつ、市場機能を尊重して、国際協調の観点から石油製品輸入の調和ある拡大を図ること、第二に、これまで輸入が行われないできたガソリン等についても、時期を逸することなく、輸入の道を開くこと、第三に、輸入の道を開くに際しては、石油製品輸入と国内精製との弾力的な選択、組み合わせによって需給の変動に対応し得ること、消費者利益のため十分な品質確保能力を有すること、緊急時のための備蓄を確保し得ること等の要件を充足する輸入主体による輸入を推進することとなっております。同報告は、欧米各国から高い評価を受けており、同報告に沿って条件整備が急がれ、ガソリン等の輸入が早期に実現されることが国際的にも強く期待されております。本法律案は、かかる観点から適格な輸入主体を登録に係らしめる等の暫定措置を講ずることにより、市場機能を尊重しつつガソリン等の輸入を開始させようとするものであります。
次に、この法律の要旨につきまして御説明申し上げます。
第一は、用語の定義であります。この法律案における基本的用語である「特定石油製品」の定義を置くこととしております。
第二は、特定石油製品輸入業者の登録についてであります。特定石油製品の輸入の事業を行おうとする者は、通商産業大臣の登録を受けなければならないものとしております。登録の要件としては、石油製品輸入と国内精製との組み合わせが図り得ること、貯蔵を行い得ること、品質調整を行い得ることの三点としております。
第三は、品質に関する勧告であります。特定石油製品輸入業者が輸入し販売しようとする特定石油製品の品質が使用者の需要に適合していないと認めるときは、品質の確保に関し必要な措置をとるべきことを勧告することができることとしております。
第四は、特定石油製品輸入業者の努力であります。国際的な石油製品市場の動向に応じて特定石油製品の円滑な輸入に努めることを求めております。
第五は、本法は、内外の石油情勢の見通しが不透明であることを踏まえ、恒久的措置としてではなく、五年間の暫定措置法としております。
以上のほか、登録を受けないで輸入の事業を行った者に対する罰則に関する規定等の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第103回国会衆議院商工委員会議録第3号1頁(昭和60年11月19日)〔村田敬次郎通商産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行にあたり、本委員会における審議の経過をふまえ、本法が国際石油製品市場における需給緩和が想定される期間における臨時的な暫定措置であるという性格にかんがみ、石油に関する基本法制である石油業法及び石油行政のあり方等についての抜本的な見直しを中期的課題として強く求められている状況等を十分に考慮し、石油をめぐる内外諸情勢の変化に敏速かつ的確に対応しつつ、本法施行期間中においても法の廃止措置を含め本法の見直しについて随時検討を行い、適切な対策を講ずべきである。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110301004)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。