著作権法の一部を改正する法律案
衆議院 文教委員会
昭和61年法律第64号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院文教委員会
- S61.4.18趣旨説明・質疑・参考人招致文教委員会 8134
- S61.4.23質疑・附帯決議・採決文教委員会 9287
- S61.4.25委員長報告・採決・附帯決議本会議 2453
参議院文教委員会
- S61.5.8趣旨説明・参考人招致文教委員会 6224
- S61.5.13参考人招致文教委員会 792
- S61.5.15質疑・採決・討論・附帯決議文教委員会 8204
- S61.5.16附帯決議・採決・委員長報告本会議 1747
提案理由
海部俊樹 文部大臣 昭和61年4月18日次に、著作権法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年の情報処理技術及び電気通信技術の発達に伴い、電子計算機を用いて必要な情報を容易に検索できるようにしたデータベースや有線テレビジョン放送やビデオテックスを初めとする有線系ニューメディアが急速に開発され、普及してきております。
このような状況に対応し、データベースについては、著作権法により保護される著作物であることを明らかにし、データベースの作成者の権利を適切に保護するとともに、その円滑な利用を図る必要が生じてきております。
また、データベースのオンラインサービスやビデオテックスなど有線系ニューメディアについては、その発達に適切に対処し得るようにするため、有線による送信に関する規定を整備するとともに、有線テレビジョン放送が、大規模化、多チャンネル化するなど、放送と同様の有力な情報伝達手段となってきたため、放送に準じた著作権法上の取り扱いをする必要が生じてきております。
これらの必要性に基づき、所要の措置を講ずることが、今回の著作権法の一部改正の趣旨であります。
次に、本法律案の内容について申し上げます。
第一は、データベースの著作物について、著作権法による保護を明確化することであります。
すなわち、データベースの定義を新しく設けるとともに、データベースで、その情報の選択または体系的な構成により創作性を有するものは著作物として保護することを明らかにしております。
第二は、有線による送信に関する規定の整備であります。
まず、有線放送の定義を改正し、有線放送は公衆によって同一の情報が同時に受信されるように送信する形態のものに限定し、この有線放送と、利用者の求めに応じ個別の情報を個々に送信する形態のものを一括し、公衆に対する送信を広く有線送信と定義しております。
これに伴い、著作者及び実演家の有線放送権を改め、有線送信権として規定するなど関係規定の整備を行っております。
第三は、有線放送事業者の保護についでであります。
現在、放送事業者には、著作隣接権が認められておりますが、有線放送事業者に対しても、その実態にかんがみ、複製権、放送権、再有線放送権などの著作隣接権を新たに認めることとしております。さらに、放送事業者と同様に有線放送事業者に著作物の一時的固定を認めるとともに、商業用レコードの二次使用料支払い義務を課する等の措置を講じております。
最後に、施行日等についてであります。
この法律は、昭和六十二年一月一日から施行することとし、所要の経過措置を講ずることといたしております。
以上が、この法律案を提案いたしました理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。
第104回国会衆議院文教委員会議録第8号2頁(昭和61年4月18日)〔海部俊樹文部大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一プログラムの登録については、その登録事務が円滑に行われるよう適切に対処すること。
二複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版者を保護するため出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。
三著作隣接権保護の徹底を図るため、現在行っている「実演家、レコード製作者及び放送事業者の保護に関する条約」への加入についての検討を急ぎ、適切に対応すること。
四私的録音・録画問題については、国際的動向にかんがみ、録音・録画の機器・機材に対する賦課金制度の導入など抜本的解決のための制度的対応について検討を進めること。
五コンピュータ創作物に係る著作権問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう配慮しつつ、検討を進めること。
六プログラムの権利保護の在り方については、国際的調和に留意しつつ、今後とも中長期的観点から検討を行うこと。
七ビデオディスクの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。
する法律案に対する附帯決議(案)政府は、文化の発展に寄与する著作権保護の重要性にかんがみ、著作権思想の一層の普及に努めるとともに、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一プログラムの登録機関の指定及びその運営に当たっては、登録事務が適正かつ円滑に行われるよう十分配慮すること。
二ニューメディアに関する著作権問題については、今後とも情報伝達手段の進歩等に留意しながら適切に対処すること。
三複写複製問題については、文献複写に関する著作権の集中的処理体制の確立に努めるとともに、出版物の版面の利用に関する出版者の権利の創設について検討を進めること。また、私的録音・録画問題については、録音・録画の機器・機材に対する賦課金制度の導入など抜本的解決のための制度的対応について検討を急ぐこと。
四「実演家、レコード製作者及び放送事業者の保護に関する条約」への加入について、その検討を急ぎ、適切に対応すること。なお、ビデオディスクの発達等により録音・録画された実演の利用が多様化している等の実態を勘案して、実演家の権利の適切な保護等について検討すること。
五コンピュータ創作物の保護に関する問題については、今後における技術の発達普及に十分対応できるよう検討を進めること。
六著作者等の貸与権に関しては、著作権法の一部を改正する法律(昭和五十九年法律第四十六号)施行後に形成された円満な利用関係の維持に努めるよう当事者に対し指導する等適切に対処すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110401062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。