消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案
衆議院 地方行政委員会
昭和61年法律第20号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院地方行政委員会
- S61.3.20趣旨説明・質疑・討論・採決・附帯決議地方行政委員会 397
- S61.3.24附帯決議・委員長報告・採決本会議 772
衆議院地方行政委員会
- S61.3.27趣旨説明・質疑・採決・討論・附帯決議地方行政委員会 7160
- S61.3.28委員長報告・採決・附帯決議本会議 1518
提案理由
小沢一郎 自治大臣・国家公安委員会委員長 昭和61年3月20日ただいま議題となりました消防法及び消防組織法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
昭和五十八年三月の臨時行政調査会の答申で、一定の特殊法人等について、その業務が制度的に独占されていないこと、国等からの出資が制度上及び実態上ないこと、役員の選任が自主的に行われていること等の自立化の原則に従い、民間法人化するとの基本的方策が提言されたところであります。
この法律案は、このような臨調答申の趣旨を踏まえ、日本消防検定協会及び危険物保安技術協会について、検査制度の適正な運営を維持しつつその経営の効率化を図るため、役員の選任、財務等についての政府の関与を縮小するとともに、日本消防検定協会に対する政府出資の制度を廃止するほか、検定対象機械器具等について指定検定機関制度を導入する等の所要の改正を行うものであります。
また、あわせて住民生活の安全を確保するため、救急業務の対象となる優病者の範囲及び応急の手当て、消防が行う人命の救助に係る活動の基準並びに移動タンク貯蔵所に係る事故時の応急措置命令等に関し所要の改正を行うものであります。
以上がこの法律案を提出いたしました理由であります。
次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、消防法の改正であります。
まず、日本消防検定協会及び危険物保安技術協会の経営の効率化に関する事項として、役員の選任について、自治大臣による任命制を廃止し、協会における選任に対し自治大臣が認可するものとしております。また、資金計画及び借入金に係る自治大臣の認可、財務諸表に係る自治大臣の承認等に関する制度を廃止することといたしております。
次に、日本消防検定協会につきましては政府出資に関する制度を廃止するとともに、日本消防検定協会のほか自治大臣の指定する者は検定対象機械器具等についての検定等の業務を行うことができるものとし、その指定の手続、要件等を定めることといたしております。
そのほか、両協会の目的及び業務について所要の規定の整備を行うこととしております。
その他の事項といたしまして、次の三点について所要の改正を行うものであります。
第一点は、救急業務についてであります。
近年、救急業務の対象は、災害や事故による傷病者のみならず、急病人も大きな割合を占めてきていること等にかんがみ、その対象に生命に危険等のある急病人で医療機関等に迅速に搬送する手段のない者を加えるとともに、救急業務には、傷病者が医師の管理下に置かれるまでの間において応急の手当てを行うことを含むものといたしております。
第二点は、移動タンク貯蔵所についてであります。
最近における移動タンク貯蔵所の火災及び事故の実態にかんがみ、市町村長は、許可をした移動タンク貯蔵所以外のものについても、貯蔵または取扱基準の違反に対する基準遵守命令及び危険物の流出その他の事故が発生したときの応急措置命令をすることができることといたしております。
第三点は、消防が行う人命の救助についてであります。
火災その他の災害時における人命の救助活動は消防の重要な任務の一つでありますが、市町村によって救助体制に格差が生じている現状にかんがみ、市町村は、人口その他の条件を考慮して自治省令で定める基準に従い、人命救助に必要な特別の救助器具を装備した消防隊を配置するものといたしております。
そのほか、罰則その他について所要の規定の整備を図ることといたしております。
第二は、消防組織法の改正であります。
消防庁の事務として、消防が行う人命救助活動の基準の研究及び立案、指定検定機関の指定及び監督並びに所掌事務に係る国際協力に関する事項を加えることといたしております。
また、都道府県の消防に関する事務として、消防が行う人命救助活動の指導に関する事項を加えることといたしております。
なお、これら消防法及び消防組織法の改正は、一部を除き、昭和六十二年一月一日から施行することといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
第104回国会参議院地方行政委員会会議録第3号1頁(昭和61年3月20日)〔小沢一郎自治大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
法律案に対する附帯決議(案)政府は、左の諸点につき善処すべきである。
一日本消防検定協会の民間法人化に当たっては、検定業務の確実な実施を図るため、同協会の経営基盤の安定の確保に努めるとともに、検査制度の適正な運営の維持に十分配慮すること。
二救急業務の実施に当たっては、救急医療体制の充実強化を図り、いやしくも人命の保護に遺憾のないよう万全を期すること。
三救助業務の実施体制を整備するため、財政措置について配慮すること。
四最近における火災による死者の現状にかんがみ、防煙対策等の充実について一層の推進を図ること。
政府は、次の事項について所要の措置を講ずべきである。
一日本消防検定協会の民間法人化に当たっては、検定制度の適正な運営の維持に十分配慮すること。
二救急業務については、救急医療機関における医師の受信応待について更に整備を図るとともに、救急自動車への医師の添乗について検討努力する等救急医療体制の充実強化を図ること。
三救急業務の実施体制を整備するため、財政措置について配慮すること。
四最近における火災による死者の現状にかんがみ、防煙対策の充実のほか、防火対象施設における防火管理体制、消防用設備等の整備及び違反是正の一層の推進を図ること。
五防災無線通信施設の整備の促進及び防災まちづくり事業の推進を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110401067)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。