老人保健法等の一部を改正する法律案
参議院 社会労働委員会
昭和61年法律第106号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会・社会労働委員会地方行政委員会連合審査会
- S61.10.17趣旨説明・質疑本会議 643
- S61.10.23趣旨説明・質疑社会労働委員会 4364
- S61.10.28質疑社会労働委員会地方行政委員会連合審査会 1213
- S61.10.30派遣委員報告・質疑・派遣委員意見聴取社会労働委員会 6411
- S61.11.6質疑社会労働委員会 73
- S61.11.13質疑社会労働委員会 82
- S61.11.20質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案社会労働委員会 9127
- S61.11.21委員長報告・討論・採決(修正)本会議 1431
- S61.12.19参議院回付案同意・参議院回付案本会議 2028
参議院社会労働委員会・社会労働委員会,地方行政委員会連合審査会
- S61.11.26趣旨説明・質疑本会議 1060
- S61.11.27趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明社会労働委員会 421
- S61.12.9質疑社会労働委員会 5433
- S61.12.15参考人招致社会労働委員会 760
- S61.12.16派遣委員報告・質疑社会労働委員会 8433
- S61.12.17質疑社会労働委員会,地方行政委員会連合審査会 1229
- S61.12.18質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案社会労働委員会 9383
- S61.12.19附帯決議・委員長報告・討論・採決(修正)本会議 1340
提案理由
斎藤十朗 厚生大臣 昭和61年10月17日老人保健法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
人口の高齢化が急速に進む中で、老人医療費の増加は避けられないところでありますが、最近著しい伸びを示しております老人医療費を適正なものとし、国民がいかに公平に負担していくかということは、老人保健制度を長期的に安定したものとしていく上で不可欠の課題であります。
また、人口の高齢化に伴い、今後急増すると予想される寝たきり老人等の要介護老人に対し、保健、医療、福祉を通じた総合的な施策の展開が求められております。
こうした状況等を踏まえ、老人保健制度を幅広く見直すこととし、老人保健法等の一部を改正する法律案を第百四回国会に提出し、御審議を煩わしたのでありますが、継続審議となった後、第百五回国会において衆議院の解散に伴い廃案となり、成立を見るに至らなかったものであります。
しかしながら、老人保健制度の改正は、今後の本格的な高齢化社会において、国民が安心して老後を託せる制度を確立するという観点から極めて重要なものでありますので、ここに再度この法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、一部負担の改正であります。
現在、外来の場合一月四百円、入院の場合二カ月を限度として一日三百円となっておりますが、これを改め、外来については一月千円に、入院については期限を撤廃して一日五百円に改定することといたしております。増大し続ける老人医療費の負担の現状にかんがみ、健康に対する自覚と適正な受診、さらには世代間の負担の公平という観点から、被用者保険本人や在宅療養者とのバランスも勘案して、定額制を維持しつつ、一部負担金の額の引き上げをお願いするものであります。
第二は、加入者按分率の引き上げであります。
昭和六十一年度の十一月一日以降は八〇%、昭和六十二年度以降は一〇〇%に引き上げることとしております。老人医療費につきましては、一人当たりで他の世代の五倍となっているため、老人加入率の高い保険者ほど老人医療費の負担は重いものとなっており、各保険者間の老人医療費の負担の不均衡は一層拡大しております。このため、加入者按分率を引き上げ、どの保険者も同じ割合で老人を抱えるようにし、負担の一層の公平化を図ることとしております。
第三は、老人保健施設の創設であります。
寝たきり老人等の要介護老人にふさわしい医療サービスと生活サービスを提供する施設として、老人保健施設を創設するとともに、この施設を利用する老人に対する新たな給付として、老人保健施設療養費を支給することとしております。これらの施策を講ずることにより、国民が安心して老後を託せる老人保健制度を確立しようとするものであります。
以上のほか、医療保険各法に準じて特定療養費制度を導入するとともに、老人保健施設の創設に伴う医療法、社会福祉事業法の改正なども行うこととしております。
また、医療保険各制度を通ずる老人医療費の公平な負担を図るため、国民健康保険法を改正し、正当な理由がないのに保険料を滞納している者に対し、給付を一時差しとめる等の措置を講ずることとしております。
なお、この法律の施行期日は、本年十一月一日としておりますが、老人保健施設に関する事項は、公布の日から起算して一年六カ月を超えない範囲内において政令で定める日とし、また、関係審議会への諮問に関する事項は公布の日としております。
以上が老人保健法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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老人保健法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第107回国会衆議院会議録第6号2頁(昭和61年10月17日)〔斎藤十朗厚生大臣発言・発言番号17〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について、速やかに適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。
一本格的な長寿社会の到来に対応し、人生八十年時代にふさわしい社会保障システムを構築するため、長寿社会対策を総合的に推進すること。
二入院時一部負担金については、低所得者に対する配慮を検討するとともに、付添い看護料、お世話料、差額室料等にみられる保険外負担を解消するよう努力すること。
三一部負担金の額については、今後の老人医療費の動向等を踏まえ、必要な見直しを行うこと。
四政管健保の家族の給付率の改善について、一元化の展望を踏まえ検討を進めること。
五加入者按分率の引上げにより、健保組合等被用者保険の財政運営に支障が生ずると認められる場合、適切な措置を講ずること。
六市町村は、収納率の向上、レセプト審査の強化等国民健康保険事業の運営について一層の経営努力を行うこと。
七国民健康保険制度の財政基盤の強化を図るため、経営主体その他制度のあり方について抜本的な検討を行うこと。
八老人保健施設を全国的に速やかに整備するため、整備方針を早急に明らかにするとともにその整備促進に必要な税制、補助金、融資等の助成措置を講ずること。
九老人保健施設の施設、人員及び運営の諸基準については、寝たきり老人等にふさわしい医療サービス及び生活サービスが確保されるよう十分配慮すること。
十疾病の予防、健康の維持増進のため、健康相談や、健康教育を拡充し、節目検診及び乳がんや、子宮がんを中心とした女性の厄年(三十三歳)検診を大幅に拡充実施すること。また、休日夜間の検診体制を強化すること。
十一在宅の寝たきり老人や、痴呆性老人の看護・介護を強化するため、福祉と連携した訪問看護・介護体制を速やかに整備促進すること。特に「巡回」健康相談や機能訓練を実施すること。
十二保健・医療・福祉サービスを総合的、効率的に提供できるようにするため、市町村に公私の実務者からなる協議会を設けるとともに、都道府県に連絡調整協議会の設置を検討すること。
十三高齢化社会の進行に伴い老人関係施設の大量整備が緊急の課題となつていることにかんがみ、年金福祉事業団による厚年・国年積立金を活用した老人関係施設用地確保のための土地取得事業の来年度実施の実現に努めること。さらに老人に生きがいや活力を与えるような新しい施設・事業等のあり方についても検討を行うこと。
十四長寿を明るく健やかに全うできるようにするため、老化メカニズムの解明や、老年性痴呆等の老人問題に関する総合的な研究体制の整備を促進すること。
政府は、次の事項について速やかに適切な措置を講ずべきである。
一超高齢化社会の到来に対応し、人生八十年時代にふさわしい社会保障システムを構築するため、総合的な対策を推進すること。
二一部負担金の額については、今後の老人医療費の動向等を踏まえ、必要な見直しを行うこと。また、付添看護料、お世話料、差額室料等の不当な保険外負担を解消するよう一層努力すること。
三老人医療費の増加により過大な負担を招かないよう、幅広い医療費適正化対策を強力に推進すること。
四加入者按分率の引上げにより、健康保険組合等被用者保険の財政運営に支障が生ずると認められる場合、適切な措置を講ずること。
五政府管掌健康保険の家族の給付率の改善について、一元化の展望を踏まえ検討を進めること。
六国民健康保険制度の財政基盤の強化を図るため、経営主体その他制度の在り方について抜本的な検討を行うこと。また、市町村は、収納率の向上、レセプト審査の強化等国民健康保険事業の運営に関し、一層の経営努力を行うとともに、国及び都道府県知事は市町村に対する指導をより一層強化すること。
七老人保健施設については、高齢化社会におけるその需要に緊急に対応する観点から、老人保健法上の施設として位置づけられたものであるが、政府は今後老人保健施設を含めたいわゆる中間施設の在り方について、医療法上における適正な位置づけ、及び、その適正配置に関する方策について速やかに検討を加え、必要な法制整備を図ること。
八老人保健施設を全国的に速やかに整備するため、整備方針を早急に明らかにするとともに、税制、融資等所要の助成措置を講ずること。また、老人保健施設の施設、人員及び運営の諸基準については、寝たきり老人等にふさわしい医療サービス及び生活サービスが確保されるよう十分配慮すること。特に、医薬品の安全かつ適正な使用を図るため、必要に応じて医薬品の管理、調剤が薬剤師により行われるよう努めること。
九疾病の予防、健康の維持増進のため、健康相談や健康教育を拡充し、特定年齢の者に対する重点的な循環器、がん等の検診を大幅に拡充実施すること。また、休日、夜間の検診体制を強化すること。
十在宅の寝たきり老人や痴呆性老人の看護、介護を強化するため、福祉と連携した訪問看護・介護体制を速やかに整備促進する乙と。特に「巡回」健康相談や機能訓練を実施すること。
十一保健・医療・福祉サービスを総合的、効率的に提供できるようにするため、市町村に公私の実務者からなる協議会を設けるとともに、都道府県に連絡調整協議会の設置を検討すること。
十二老人医療についての診療報酬は、老人の心身の特性を踏まえてさらに改善を図り、特に老人歯科診療報酬については、老人歯科医療の特殊性が十分評価されるよう特段の配慮をすること。
十三長寿を明るく健やかに全うできるようにするため、老化メカニズムの解明や老年性痴呆等の老人問題に関する総合的な研究体制の整備を促進すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110701009)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。