TaiLexi AI日本の判例・法令
国会審議›第108回国会›閣法第64号
閣法第108回国会 第64号成立修正あり

精神衛生法等の一部を改正する法律案

昭和62年法律第98号 精神衛生法等の一部を改正する法律
提出昭和62年3月16日 内閣
付託衆議院 社会労働委員会
参議院 社会労働委員会
成立
昭和62年法律第98号
審議会議 6回・発言 307(政府答弁等 122)

審議経過

右の数字は会議の発言数

参議院社会労働委員会

  1. S62.9.16趣旨説明社会労働委員会 7272
  2. S62.9.18質疑・採決・附帯決議社会労働委員会 995
  3. S62.9.18附帯決議・委員長報告・採決本会議 1251

提案理由

斎藤十朗 厚生大臣 昭和62年7月16日

精神衛生法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 近時の精神医療、精神保健をめぐる状況には種々の変化が見られるところであり、精神医学の進歩等に伴い入院中心の治療体制からできるだけ地域中心の体制を整備していくとともに、多様化し、複雑化する現代社会において、広く国民の精神保健の向上を図ることが重要な課題となってきております。こうした諸状況の変化を踏まえ、国民の精神保健の向上を図るとともに、精神障害者の人権に配意しつつ適正な精神医療を確保し、かつ、その社会復帰の促進を図るため、今般、精神衛生法その他の関係法律を見直すこととし、この法律案を提出した次第であります。

 以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、精神保健の向上に関する事項についてでありますが、精神衛生法の題名を精神保健法に改めるとともに、その目的や国及び地方公共団体並びに国民の義務として、精神的健康の保持及び増進その他の精神保健の向上に関する事項を盛り込むこととしております。

 第二は、精神障害者の人権の擁護並びにその適正な医療及び保護の実施のための措置に関する事項についてであります。

 まず、精神保健指定医についてであります。

 従来の精神衛生鑑定医制度を見直して精神保健指定医制度を導入することとし、精神医療についての一定の実務経験のほか、厚生大臣等が行う研修の修了を新たにその指定の要件として加えるとともに、五年ごとに研修を受けることとする等の措置を講ずることとしております。

 次に、入院患者の処遇に関する事項についてであります。

 本人の同意に基づく入院を推進する見地から、これを任意入院として新たに法律上規定するとともに、保護義務者の同意によるいわゆる同意入院については医療保護入院として位置づけ、入院に当たって精神保健指定医の診察を要件とする等、その適正な実施を確保するための措置を講ずることとしております。また、措置入院の解除につき精神保健指定医の診察を要件とする措置を講ずることとしているほか、精神科救急に対応するため応急入院を新設する等、入院制度に関して必要な整備を図ることとしております。

 次に、入院手続等についてであります。

 入院の際には必要な事項を患者本人に告知することとするとともに、都道府県に新たに精神医療審査会を設け、入院患者の病状に関する定期の報告等に基づき、その入院の要否等に関する審査を行うこととしております。また、入院患者に対する行動制限のうち特に人権上重要なものについては、これを行うことができないこととするとともに、精神保健指定医の認める場合でなければ著しい行動制限は行うことができないこととする等の措置を講ずることとしております。

 第三は、精神障害者の社会復帰の促進に関する事項についてであります。

 法律の目的等において、精神障害者の社会復帰の促進に関する事項を盛り込むとともに、日常生活に適応するために必要な訓練及び指導を行う生活訓練施設並びに自活のために必要な訓練と職業を与えるための授産施設を精神障害者社会復帰施設として法律上規定し、都道府県、市町村、社会福祉法人その他の者がこれを設置することができることとしております。また、その設置の促進を図るため、国及び都道府県は施設の設置及び運営に要する費用を補助することができることとしております。あわせて、社会福祉法人、医療法人等が精神障害者社会復帰施設を設置することができるよう社会福祉事業法及び医療法の改正も行うこととしております。

 以上のほか、精神病者に係る公衆浴場の利用規制を見直すこととし、公衆浴場法の改正もあわせて行うこととしております。

 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日からとしておりますが、公衆衛生審議会への諮問に関する事項は公布の日からとしております。

 以上が精神衛生法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)

     ————◇—————

 精神衛生法等の一部を改正する法律案(第百八回国会、内閣提出)の趣旨説明に対する質疑

第109回国会衆議院会議録第4号1頁(昭和62年7月16日)〔斎藤十朗厚生大臣発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 社会労働委員会昭和62年9月10日

政府は、次の事項について、適切な措置を講ずるよう配慮すべきである。

一任意入院、応急入院等が新設されたことにかんがみ、これら制度の円滑な実施に努めること。

二社会復帰施設の整備等社会復帰のための施策の一層の推進を図るとともに、地域精神保健医療の推進に努めること。

三精神科ソーシャル・ワーカー等の専門家の養成とその制度化などマンパワーの充実に努めること。四 今回の改正の趣旨、今後の精神医療のあり方を踏まえ、診療報酬の面等において適切な配慮を行っていくこと。

参議院 社会労働委員会昭和62年9月18日

政府は、次の事項について、適切な措置を講すべきである。

一任意入院、応急入院等が導入されたことにかんがみ、これら制度の円滑な実施に努めるとともに、人権擁護に配慮した適正な精神医療の確保及び社会復帰の促進のための法改正であることを踏まえ、その趣旨に沿って適切な運用に配意すること。

二社会復帰施設の整備等社会復帰のための施策の一層の推進を図るととともに、地域精神保健医療の推進に努め、関係予算においても十分配慮すること。

三医師、精神科ソーシャル・ワーカー等の専門家の養成などマンパワーの充実に努めること。

四今回の改正の趣旨、今後の精神医療のあり方を踏まえ、診療報酬の面等において適切な配慮を行っていくこと。

五精神障害者に対する資格制限等について検計を行うとともに、社会における精神障害者に対する不当な差別・偏見を解消するために必要な努力を払うこと。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=110801064)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。