異分野中小企業者の知識の融合による新分野の開拓の促進に関する臨時措置法案
参議院 商工委員会
昭和63年法律第17号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院商工委員会
- S63.3.24趣旨説明商工委員会 3174
- S63.3.30質疑・採決・附帯決議商工委員会 5177
- S63.3.31附帯決議・委員長報告・採決本会議 954
提案理由
田村元 通商産業大臣 昭和63年3月1日次に、異分野中小企業者の知識の融合による新分野の開拓の促進に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
円高の長期化のもとで、中小企業は、新たな発展のための構造転換を迫られております。また、近年における技術革新の急速な進展は、基本的な技術体系の変革をもたらしつつあり、国民ニーズの多様化・高度化は、新たな製品やサービスの提供を中小企業に求めております。
このような厳しい経済的環境に対応して中小企業が新分野を開拓するには、広い視野と事業分野をまたがった技術や経営に関する知識が必要となりますが、一般に事業分野が狭く、経営資源の蓄積が乏しい中小企業が自力でこれを行うことは容易なことではありません。現在、全国各地で、事業分野を異にする中小企業者が協同してそれぞれの技術や経営に関する知識を融合させ、新たな製品やサービスを開発し、新分野を開拓しようとする動き、いわゆる異分野中小企業者の融合化が積極的に展開されております。これは、融合化が厳しい経済的環境の中で中小企業が創造的発展を遂げていくための新たな活動理念であることを示すものと考えられます。
本法案は、このような融合化を促進するための措置を講ずることにより、新たな経済的環境に即応した中小企業の創意ある向上発展を図り、もって我が国産業構造の転換の円滑化と国民経済の均衡ある発展に資することを目的に立案されたものであります。
次に、本法案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、国及び地方公共団体は、異分野中小企業者の知識の融合による新分野の開拓を促進するための施策を総合的に推進するよう努める旨を規定しております。融合化は、異分野中小企業者の交流に始まり、その組織化から開発、事業化に至るまでの息の長い活動を行うことによって初めてその目的を達成し得るものであります。したがって、融合化の円滑な実施のためには、国及び地方公共団体が総合的に施策を講ずることが重要であり、このような観点から、その施策に係る努力義務を規定しているものであります。
第二に、異分野中小企業者を組合員とする事業協同組合は、研究開発その他の知識融合開発事業に関する計画を作成し、所管行政庁の認定を受けることができることとし、計画の認定を受けた組合及びその組合員等に対しては、必要な資金の確保、中小企業信用保険法による新事業開拓保険の付保限度額等の特例、試験研究についての課税の特例、準備金制度の創設等金融、税制面における種々の助成措置を講ずることとしております。
第三に、計画の認定を受けた事業協同組合が知識融合開発事業を円滑に実施できるよう、中小企業等協同組合法の特例を設けるとともに、その開発成果を協業組合において円滑に事業化できるよう、中小企業団体の組織に関する法律の特例を設けることとしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第112回国会衆議院商工委員会議録第2号33頁(昭和63年3月1日)〔田村元通商産業大臣発言・発言番号202〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、中小企業信用補完制度の中小企業振興対策としての重要性にかんがみ、同制度の健全な運営に配慮しつつ、次の諸点について適切な措置を構ずべきである。
一中小企業信用保険公庫及び信用保証協会の運営基盤を強化するための諸施策を引き続き進めること。
二信用保証協会の今後の保証業務の運用に当たっては、中小企業者の保証ニーズに応えるため、保険収支の改善のために行われてきた諸措置について所要の見直しを行い、特に担保徴求等保証業務については、中小企業者の実情を踏まえ弾力的に対処するよう指導すること。
三中小企業者の保証料負担の軽減を図るよう配慮すること。
四新事業開拓保険及び海外投資関係保険については、中小企業者に幅広く利用されるよう極力弾力的な運用に努めること。
五信用保証協会が地域における中小企業振興のための機関としてその機能が十分発揮されるよう指導すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111201014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。