平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案
参議院 大蔵委員会
平成元年法律第42号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院大蔵委員会
- H1.6.9趣旨説明大蔵委員会 109
- H1.6.9趣旨説明・質疑本会議 2057
- H1.6.14質疑大蔵委員会 11288
- H1.6.16質疑・修正案趣旨説明・討論・修正案・附帯決議・採決(修正)大蔵委員会 12103
- H1.6.16委員長報告・討論・採決(修正)・附帯決議本会議 2268
参議院大蔵委員会
- H1.6.19趣旨説明・質疑本会議 1584
- H1.6.20趣旨説明・質疑大蔵委員会 9253
- H1.6.21質疑・討論・附帯決議・採決大蔵委員会 10163
- H1.6.22附帯決議・委員長報告・討論・採決本会議 1783
提案理由
村山達雄 大蔵大臣 平成元年6月9日ただいま議題となりました平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るため
の特別措置に関する法律案の提案の理由及びその内容を御説明申し上げます。
御承知のとおり、我が国財政は、巨額の公債残高を抱え、国債の利払い費も歳出予算の約二割を占めるなど、なお極めて厳しい状態にあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定向上を図るためには、引き続き財政の改革を強力に推進し、その対応力の回復を図ることが緊要であります。
このため、政府は、まず、平成二年度までの間に特例公債依存体質から脱却し、公債依存度の引き下げに努めるという目標を掲げ、財政再建に向けて努力をしてまいりました。平成元年度予算におきましても、経済が好調に推移しているこの時期にこそ、目標達成に向けて確かな歩みを進めることが何よりも重要であると考え、緩むことなく歳出の徹底した見直し・合理化に取り組んだところであります。
その結果、特例公債発行額を前年度当初予定額に比し、一兆八千二百億円減額することができました。また、公債依存度も、前年度当初予算の一五・六%から一一・八%にまで低下しており、努力目標達成に向けて着実に歩みを進めたものになったと考えております。
しかしながら、平成元年度におきましては、なお財源が不足するため、特例公債の発行を行うこととするほか、国債費定率繰り入れ等の停止などの措置をとらざるを得ない状況にあります。
本法律案は、以上申し述べましたように、特例公債の発行等、平成元年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置を定めるものであります。
以下、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、特例公債の発行であります。
平成元年度の一般会計の歳出の財源に充てるため、予算をもって国会の議決を経た金額の範囲内で特例公債を発行できることとしております。
第二は、国債費定率繰り入れ等の停止であります。
平成元年度における国債の元金の償還に充てるべき資金の一般会計から国債整理基金特別会計への繰り入れについて、国債総額の百分の一・六に相当する金額の繰り入れ及び割引国債に係る発行価格差減額の年割り額に相当する金額の繰り入れば、行わないこととしております。
第三は、政府管掌健康保険事業に係る繰り入れの特例であります。
平成元年度における一般会計から厚生保険特別会計健康勘定への繰り入れについては、健康保険法に規定する国庫補助に係る額から四百億円を控除して繰り入れるものとするなどの措置を講ずることとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
第114回国会衆議院大蔵委員会議録第10号1頁(平成元年6月9日)〔村山達雄大蔵大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について十分配慮すべきである。
一我が国経済の着実な発展と国民生活の安定・向上を図るためには、引き続き行財政の改革を強力に推進し、財政の対応力の回復を図ることが緊要であり、歳入歳出両面において制度改革を含め、さらに徹底した見直しに取り組むとともに、特例公債依存体質脱却後の財政運営の在り方について今後鋭意検討を進め、財政改革に引き続き努めること。
一今後とも公債の償還に支障なきよう、所要の財源の確保に努め、もって公債に対する国民の信頼の保持に万全を期するとともに、日本電信電話株式会社の株式売払収入の社会資本整備への活用に当たっては、国債整理基金の円滑な運営に支障が生じないよう十分留意すること。
一現下の内外経済情勢にかんがみ、均衡かつ調和ある経済発展を図るため、引き続き適切かつ機動的な財政・金融政策の運営に努めること。
一為替相場の我が国経済に与える影響が極めて大きいことにかんがみ、今後とも各国との政策協調等を通じて、安定した為替相場の実現に努めること。
政府は、次の事項について、十分配慮すべきである。
一我が国経済の安定的発展と国民生活の質的向上を期するためには、引き続き行財政の改革を強力に推進し、財政の対応力の回復を図ることが緊要であり、歳入歳出両面において制度改革を含め、さらに徹底した見直しに取り組むこと。
一特例公債依存体質脱却後の財政運営のあり方について、いわゆる財政支出の繰延措置等の適切な処理も含め、今後鋭意検討を進めるとともに、引き続き財政改革に努めること。
一公債に対する国民の信頼の保持に万全を期するため、今後ともその償還財源に支障なきよう、所要の償還財源の確保に努めるとともに、日本電信電話株式会社の株式売払収入の社会資本整備への活用に当たっては、国債整理基金の円滑な運営に支障が生じないよう十分留意すること。
一なお、日本電信電話株式会社の株式の売却に当たっては、証券市場の動向、国債整理基金の資金繰り等に十分配意すること。直面する内外経済情勢に対応し、我が国の均衡と調和ある経済発展を図るため、内需を中心としたインフレなき持続的成長の確保に努め、今後とも、財政・金融政策の運営に適切かつ機動的に対処すること。
一為替相場の我が国経済に与える影響が極めて大きいことに配慮し、今後とも各国との政策協調等を通じて、安定した為替相場の実現に努めること。右、決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401007)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。