雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 社会労働委員会
平成元年法律第36号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院社会労働委員会
- H1.5.23趣旨説明・修正案趣旨説明・採決(修正)・附帯決議・修正案社会労働委員会 4252
- H1.6.8委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 1959
参議院社会労働委員会
- H1.6.16議案(衆議院修正部分)社会労働委員会 3198
- H1.6.20趣旨説明社会労働委員会 4171
- H1.6.21質疑・附帯決議・採決社会労働委員会 5204
- H1.6.22附帯決議・採決・委員長報告本会議 1783
提案理由
丹羽兵助 労働大臣 平成元年5月23日ただいま議題となりました雇用保険法及び労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
近年、我が国においては、サービス経済化の進展、女子の就業意欲の高まり等を背景として、就業形態の多様化が進展しております。特に、いわゆるパートタイム労働者につきましては、その数が著しく増加するとともに、勤続年数の伸長、就業分野の拡大等の質的な変化も見られるなど、今や経済社会にとって欠くことのできない重要な労働力になっております。今後ともこの傾向はさらに進むものと見込まれます。これに伴い、雇用保険制度においても、パートタイム労働者の生活の安定、福祉の増進等を図るため適切に対応することが課題となっております。
また、今後の経済構造調整期においては、経済変動と高齢者問題、地域問題等の雇用問題が密接に関連して生ずることが予想されることから、雇用に関する各般の施策を総合的、一体的に実施していくとともに、その財政基盤の強化を図ることが必要となっております。
このため、これらの問題につき中央職業安定審議会に検討をお願いいたしておりましたところ、昨年末に現行制度の改善の方向が示されたところであります。政府といたしましては、この改善の方向を踏まえつつ、この法律案を作成し、関係審議会にお諮りいたした上、提出した次第でございます。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、雇用保険法の一部改正であります。
その一は、短時間労働者について、新たに適用拡大を図ることとした上で、その就業及び労働市場の実態に応じた失業給付の特例を設けることであります。
まず、短時間労働者の範囲については、一週間の所定労働時間が、同一の適用事業に雇用される通常の労働者に比し短く、かつ、労働大臣の定める時間数未満である者としております。
次に、受給資格については、実質的に労働時間が短いこと等にかんがみ、賃金支払い基礎日数が十一日以上の月を一年以上必要とすることとしております。
また、賃金日額については、その賃金の実情にかんがみ、二千四百十円を下限とすることとしております。
さらに、所定給付日数については,通常の労働者に比し再就職が容易であること等を考慮し、年齢と被保険者であった期間等に応じ九十日から二百十日までの日数としております。
このほか、高年齢求職者給付金等について所要の特例を設けることとしております。
その二は、雇用保険四事業を再編し、雇用安定事業と雇用改善事業を統合することであります。
現在、雇用安定事業は経済変動に対処し、雇用改善事業は高齢者問題、地域問題等に対処するものとされておりますが、今後は、これを統合し新たな雇用安定事業とした上で、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るため、各般の事業を総合的、一体的に行うことができることとしております。
第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部を改正することであります。
現在、雇用安定資金の残高については、四事業に係る保険料収入と同額まで確保できることとされておりますが、今後の経済構造調整期における経済変動に備えるため、これを改め統合後の三事業に係る保険料収入の一・五倍まで確保できることとしております。
なお、この法律のうち短時間労働者に係る規定は本年十月一日から、雇用保険四事業及び雇用安定資金に係る規定は本年四月一日から施行することとしております。
以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げて、説明にさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
第114回国会衆議院社会労働委員会議録第4号2頁(平成元年5月23日)〔丹羽兵助労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一近年著しく増加しているパートタイム労働者等については、その処遇及び労働条件等をめぐる諸問題にかんがみ、これらの者の雇用の安定、労働条件の確保を図るため、法的整備を含め必要な措置について検討すること。
二小零細企業労働者及びパートタイム労働者の雇用保険への加入促進に格段の努力を払うこと。
三パートバンクの一層の増設を含め、公共職業安定所における職業紹介機能の強化及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等をめぐる諸問題に対応するため必要な規制を行うこと。
四いわゆる多重就労の実態を早急に把握するとともに、法的整備を含む必要な対応策を検討すること。
五不正受給の防止対策については、一層の強化を図ること。
六本格的な高齢化社会の到来を迎え、高齢者の雇用と生活の安定を保障する観点から、公的年金制度との連携を図りつつ、定年延長、雇用延長をはじめ、高年齢者の雇用就業対策について、法的措置を含め抜本的な拡充、強化を図ること。
七雇用保険三事業として実施している各種給付金制度については、中小零細企業における活用を促進するため、職業安定機関等における指導援助を拡充、強化すること。
八雇用保険三事業については、経済社会の変化に対応し、適宜各種給付金の整理統合をはじめ制度及び運営の両面にわたり必要な見直しを行うこと。
九本法の実効ある運営を確保するため、定員増を含め行政の実施体制の充実強化を図ること。
政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一近年著しく増加しているパートタイム労働者等については、その処遇及び労働条件等をめぐり、種々の問題が生じていることにかんがみ、これらの者の雇用の安定、労働条件の確保を図るため、法的整備を含め必要な措置について検討すること。
二今回のパートタイム労働者に対する雇用保険の適用拡大については、改正の趣旨にかんがみ、労使等に対する制度の周知徹底を図ること。
三パートバンクの一層の増設を含め、公共職業安定所における職業紹介機能及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等をめぐる諸問題に対応するため必要な規制を行うこと。
四小零細企業労働者及びパートタイム労働者の雇用保険への加入促進に格段の努力を払うこと。
五いわゆる多重就労の実態を早急に把握するとともに、法的整備を含む必要な対応策を検討すること。
六不正受給の防止対策については、一層の強化を図ること。
七本格的な高齢化社会の到来を迎え、高齢者の雇用と生活の安定を保障する観点から、公的年金制度との連携を図りつつ、定年延長、雇用延長を初め、高年齢者の雇用就業対策について、法的措置を含め抜本的な拡充強化を図ること。
八雇用保険三事業については、経済社会の変化、事業の実施状況その他の事情を考慮して、適宜、各種給付金の整理統合を初め、制度及び運営の両面にわたり必要な見直しを行うこと。また、各種給付金制度の中小零細企業における活用を促進するため、職業安定機関等における指導援助を拡充強化すること。
九本法の実効ある運営を確保するため、定員増を含め行政の実施体制の充実強化を図ること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401025)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。