大気汚染防止法の一部を改正する法律案
参議院 環境特別委員会
平成元年法律第33号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院環境委員会
- H1.5.23趣旨説明・質疑・採決環境委員会 3221
- H1.6.8委員長報告・採決本会議 1959
参議院環境特別委員会
- H1.6.19趣旨説明環境特別委員会 2117
- H1.6.21質疑・採決・附帯決議環境特別委員会 3182
- H1.6.22附帯決議・委員長報告・採決本会議 1783
提案理由
青木正久 環境庁長官 平成元年5月23日ただいま議題となりました大気汚染防止法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
大気汚染防止法は、昭和四十三年に制定され、以来、工場及び事業場の事業活動に伴う大気汚染の防止等に大きな役割を果たしてきたところであります。
しかしながら、近年、石綿、いわゆるアスベストによる大気の汚染、ひいては人の健康への影響に関する国民の関心が高まっており、その未然防止のための措置を講ずることが喫緊の課題となっております。
石綿は、有用な物質として多くの製品に使われていますが、発がん性などの健康影響を有する物質であります。
このため、中央公害対策審議会において、石綿製品等製造工場から発生する石綿による大気汚染の防止のための基本的なあり方について答申が取りまとめられたところであります。
今回の改正はこの答申を踏まえ、石綿等による大気汚染を防止するため、石綿その他の人の健康に被害を生ずるおそれがある物質について規制基準を定めるなど、所要の改正を行うものであります。次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。
第一は、定義の改正であります。
現行法においては、物の粉砕、選別その他の機械的処理または堆積に伴い発生し、または飛散する物質を「粉じん」としておりますが、改正案においては、粉じんのうち石綿その他の人の健康に係る被害を生ずるおそれのある物質を「特定粉じん」とし、それ以外の粉じんを「一般粉じん」とすることとしております。
また、これに伴い、一般粉じんを発生する施設を「一般粉じん発生施設」、特定粉じんを発生する施設を「特定粉じん発生施設」とすることとしております。
第二は、新たに規制対象として位置づけられた特定粉じんの規制措置に関する改正であります。
まず、特定粉じんに係る規制基準は、特定粉じんの発生または飛散の態様を踏まえ、特定粉じん発生施設を設置する工場または事業場の敷地の境界線における濃度について定めることとしております。
次に、特定粉じん発生施設を設置しようとする者に対し、あらかじめ都道府県知事への届け出を義務づけるとともに、都道府県知事は、当該届け出に係る施設について、特定粉じんの濃度が規制基準に適合しないと認めるときは、計画の変更または廃止を命ずることができることとしており、また、特定粉じんの濃度が規制基準に適合しないと認めるときは、特定粉じんを排出し、または飛散させる者に対して改善または施設の使用の一時停止を命ずることができることとしております。さらに、特定粉じんを排出し、または飛散させる者に対して測定義務を課すこととしております。
以上のほか、特定粉じんに関する規制の導入に伴い、罰則規定その他の規定及び関係法律について所要の整備を行うこととしております。
この法律案の施行期日は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内で政令で定める日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第114回国会衆議院環境委員会議録第3号1頁(平成元年5月23日)〔青木正久環境庁長官発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項につき適切な措置を講ずべきである。
一石綿等の特定粉じんに係る規制の実施に当たっては、特に、中小零細企業者に配慮し、技術上の助言、金融上及び税制上の優遇措置等の実施に努めること。
二石綿の代替品の開発、普及を促進すること。その際、安全性の確認を十分行うこと。
三建築物の改修・解体、廃棄物の処理など石綿製品等製造工場・事業場以外から発生する石綿による大気汚染についても、その汚染の状況及び対策の実態を把握し、総合的に対策を推進するため、必要な措置を講ずること。
四石綿以外の未規制の大気汚染物質について、その健康影響、排出実態等を十分調査するとともに、その結果に基づき、必要な排出抑制等のための規制措置を講ずること。右決議する。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401055)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。