国土利用計画法の一部を改正する法律案
衆議院 土地問題等に関する特別委員会公聴会
参議院 土地問題等に関する特別委員会
平成元年法律第85号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院土地問題等に関する特別委員会・土地問題等に関する特別委員会公聴会
参議院土地問題等に関する特別委員会
- H1.11.22趣旨説明土地問題等に関する特別委員会 311
- H1.11.29質疑土地問題等に関する特別委員会 4165
- H1.12.1質疑土地問題等に関する特別委員会 5185
- H1.12.6質疑土地問題等に関する特別委員会 6210
- H1.12.7参考人招致土地問題等に関する特別委員会 761
- H1.12.8質疑土地問題等に関する特別委員会 8193
- H1.12.13質疑・附帯決議・採決土地問題等に関する特別委員会 9133
- H1.12.13附帯決議・採決・委員長報告本会議 1226
提案理由
中村茂 議員(発議者) 平成元年6月15日ただいま議題となりました国土利用計画法の一部を改正する法律案について、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党・民主連合を代表して、提案理由を御説明申し上げます。
今日の土地取引は、監視区域の設定による介入、指導が行われ、一定の成果が見られますが、全般的にはまだ規制が不十分だと申さなければなりません。
それは、一昨年から異常に暴騰した東京圏の地価が、単に監視区域設定などの行政指導では一向に下落することがないばかりか、今やその地価動向は全国的に上昇しており、とりわけ大阪圏においては著しく高騰しているからであります。
したがって、投機的土地取引を極力抑制するには、土地取引の規制を強化する以外に方法はないのであります。また、地価高騰の要因として、金融機関の過剰融資を初め大規模土地所有者の値上がり待ちの保有、すなわち遊休地問題に対する厳しい指導の必要性がありますが、今回の改正案は、そうした点も改善しようというものであります。
次に、この改正案の概要について御説明申し上げます。
第一は、規制区域指定の強化についてであります。
これは指定要件が二重三重になっているので、具体的には「投機的取引」とか、「集中して」とか、また「投機的おそれのある」とかなどの要件を削除し、単に「急騰と、そのおそれ」がある、または「合理的な土地利用が困難となる」という要件だけで指定できるようにするものであります。
第二は、野方図な土地融資の抑制についてであります。
さきの土地問題等特別委員会でも焦点となった最上恒産等の土地融資に見られましたように、銀行法や銀行局通達という行政指導等々の無力さを補完し、加えて過剰流動性、いわゆる金余り現象と土地投機を遮断するため、土地取引に伴う届け出項目に、新たに資金計画も追加させ、融資元を明らかにさせようとすることによって一連の不当な行為を抑制しようというものであります。
第三は、国公有地の処分にかかわる手続上の規制強化についてであります。
国公有地を払い下げ、処分する場合、現行法では国は都道府県等に届け出る必要がないため、土地利用を合理的に進めようとする当該自治体からその不備が指摘されていたものを、この改正案ではそれを届け出させることにするものであります。また、その届け出は、当該都道府県にその旨を通知し、都道府県側も国に対し、適正な地価や利用計画等について協議することができることにしたものであります。
第四は、値上がり待ちの反社会的遊休地の有効利用についてであります。
現行法の「遊休地の旨の通知」は、市街地内または市街地外の区分などでの一定の面積基準を自由に引き下げ、都心等の反社会的遊休地の市民的、国民的有効利用を促進させようとするものであります。
以上が、この改正案の提案理由及び内容の概要であります。
何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
第114回国会衆議院土地問題等に関する特別委員会議録第5号2頁(平成元年6月15日)〔中村茂議員発言・発言番号6〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一地価の高騰が大都市地域の住宅取得を困難としている現状にかんがみ、適正な地価水準の形成を目標に総合的な土地対策を強力に推進すること。
二土地需要の分散を図り、合理的な土地利用と適正な地価の形成に資するため、首都機能の移転等諸機能の分散を図り、多極分散型国土の形成を強力に推進すること。
三土地についての共通の認識を確立するとの土地基本法制定の趣旨にかんがみ、土地について公共の福祉を優先させるとの基本理念の周知徹底を図り、その定着に努めること。
四土地問題の緊要性にかんがみ、土地基本法に基づく関係法令の整備を含めた具体的な施策を早急かつ的確に実施すること。
五土地基本法の精神にのっとり、早急に土地税制の見直しに取り組み、取得譲渡、保有等に関し、整合性ある税制の確立に努めること。
六大都市地域における良質な住宅・宅地の供給を促進するため、市街化区域内農地の計画的宅地化、工場跡地等低・未利用地の有効利用、既成市街地の再開発、鉄道と宅地の一体的開発等に努めること。
七住宅の供給に当たっては、勤労者にとって負担可能な住宅価格や家賃で供給することを優先すること。
八国公有地等の利用・処分に当たっては、公用・公共用の利用を優先させるとともに、売却に当たっても、周辺の地価へ悪影響を及ぼさないよう十分配慮すること。
九過剰な土地関連融資が土地の投機的取引を助長させている面がある現状にかんがみ、金融機関、貸金業者等に対する指導、監督を一層徹底すること。
十土地の買占めや投機的取引が地価高騰の一因となっている現状にかんがみ、不動産業者に対する指導、監督の一層の徹底を図るとともに、健全な不動産取引市場の整備を図ること。
十一国土利用計画法による監視区域の運用に当たっては、地価高騰のおそれのある区域に対する先行的指定、届出対象面積の引き下げ等、その的確な運用により地価高騰の未然防止に努めること。
十二都道府県等における監視区域制度の円滑かつ的確な実施が確保されるよう、必要な財源措置等を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=111401062)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。