鉄道整備基金法案
参議院 運輸委員会
平成3年法律第46号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院運輸委員会
- H3.2.22趣旨説明・質疑運輸委員会 457
- H3.3.1質疑運輸委員会 5304
- H3.3.8質疑運輸委員会 6381
- H3.3.12質疑・採決・附帯決議運輸委員会 7182
- H3.3.14委員長報告・採決・附帯決議本会議 1963
参議院運輸委員会
- H3.3.26趣旨説明運輸委員会 2403
- H3.4.16質疑運輸委員会 5385
- H3.4.18質疑・討論・附帯決議・採決運輸委員会 6453
- H3.4.19附帯決議・委員長報告・採決本会議 2051
提案理由
村岡兼造 運輸大臣 平成3年2月22日次に、鉄道整備基金法案につきまして御説明申し上げます。
鉄道は、道路、港湾、空港と並んで国民の移動、物資の輸送を確保する上で必要な交通施設であり、多極分散型国土の形成に資する高速交通網
の整備の一層の充実、円滑で快適な地域交通基盤の整備の推進を図るため、鉄道がその特性を発揮できる分野における鉄道網の整備が要請されているところであります。
他方、鉄道の整備につきましては、投下資本が多額に上ること、投資の懐妊期間が長いこと等から、国は、交通政策上必要な鉄道の整備に対する助成等を行うことにより、鉄道事業者の投資意欲を醸成するための環境整備を図る必要があります。
このような状況を踏まえ、緊急に整備が必要な新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の整備等を促進するため、別途、新幹線鉄道に係る鉄道施設の譲渡等に関する法律案の規定により実施される新幹線鉄道保有機構からの既設四新幹線の鉄道施設の譲渡に伴う収入の一部を活用しつつ、これに一般会計等からの補助金等を加えて、総合的かつ効率的に鉄道助成を行う特殊法人鉄道整備基金を設立することとし、鉄道整備基金の設立、その組織、運営等に関し必要な事項を定めるこの法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の概要につきまして御説明申し上げます。
第一に、鉄道整備基金は、国土の均衡ある発展と大都市の機能の維持及び増進を図る観点から緊要な課題となっている新幹線鉄道、主要幹線鉄道及び都市鉄道の計画的かつ着実な整備を促進するとともに、鉄道の安全性及び利便性の向上を図るための施設の改良、業務運営の能率化その他鉄道事業の健全な発達を図る上で必要となる事業または措置を支援するため、鉄道事業者等に対する助成を総合的かつ効率的に行うことを目的とする法人とすることとしております。
第二に、鉄道整備基金は、その目的を達成するため、既設新幹線の鉄道施設の譲渡収入の一部を活用して、新幹線鉄道の建設に要する費用に充てる資金の一部についての交付金の交付、主要幹線鉄道及び都市鉄道の建設または大規模な改良に要する費用に充てる資金の一部についての無利子貸付金の貸し付け等の業務を行うとともに、法令または予算で定める国の補助金等の交付を受け、これを財源として鉄道事業者等に対し補助金等を交付する業務を行うこととしております。
第三に、鉄道整備基金は、既設新幹線の鉄道施設の譲渡収入の一部を活用して行う業務については、運輸大臣が定めて鉄道整備基金に指示する業務実施方針に従って行うこととしております。
第四に、鉄道整備基金の監督等に関し、事業計画、借入金、業務方法書の作成等について運輸大臣の認可を要することとしております。
第五に、鉄道整備基金は、新幹線鉄道保有機構の解散のときにおいて成立するものとし、そのときにおいて新幹線鉄道保有機構の一切の権利及び義務を承継することとしております。
以上が、この法律案を提案する理由であります。
第120回国会衆議院運輸委員会議録第4号1頁(平成3年2月22日)〔村岡兼造運輸大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本鉄道関連三法の施行に当たり、次の事項について配慮すべきである。
一鉄道の整備に関する中・長期的な計画について、運輸政策審議会等を活用しつつ、検討すること。
二今後、整備新幹線の建設を進めるに当たっては、本鉄道関連三法案に関する国会における議論に十分に配慮すること。
三整備新幹線の建設及び運営に当たっては、整備新幹線を運営する旅客鉄道会社が貸付料として負担する建設負担割合が受益相当分を超えないようにすることなど、旅客鉄道会社の経営に悪影響を及ぼすことがないよう十分に配慮すること。
四既設新幹線の譲渡後においても、経営の安定を図りつつ、運賃・サービスの維持・改善及び安全・防災対策等に万全を期するよう旅客鉄道会社を指導すること。
五整備新幹線の建設に際し、並行在来線の取り扱いについては、地方公共団体及び旅客鉄道会社の意見を十分に配慮するとともに、貨物鉄道会社の輸送に係る対策に万全を期するようあわせて配意すること。
六大都市圏の鉄道整備については、今後とも積極的に推進し、通勤・通学混雑の緩和対策の促進を図ること。
七鉄道軌道整備法に基づく大規模な鉄道災害復旧事業の助成については、できる限り速やかな適用が図られるよう十分に配慮すること。
八鉄道整備基金に対して、その業務を適正に運営するよう責任をもって指導するとともに、新幹線鉄道保有機構の職員の雇用・処遇に万全を期するよう同機構への指導等適切な措置を講ずること。
九旅客鉄道会社及び貨物鉄道会社に対して、健全な労使慣行の維持発展を図るよう指導すること。
政府は、本鉄道関連三法の施行に当たり、次の事項につき、万全の措置を講ずべきである。
一鉄道整備に関する長期的展望を確立するとともに、運輸政策審議会等を活用しつつ、新たに「鉄道整備の中・長期計画」を策定するよう努力すること。
二今後、整備新幹線の建設を進めるに当たっては、本鉄道関連三法案に関する国会における議論に十分に配慮すること。
三整備新幹線の建設及び運営に当たっては、整備新幹線を運営する旅客鉄道会社が貸付料として負担する建設負担割合が受益相当分を超えないようにすることをはじめ、将来にわたるJRの負担のあり方を検討するなど、旅客鉄道会社の経営に悪影響を及ぼすことがないよう十分に配慮すること。
四既設新幹線の譲渡後においても、経営の安定を図りつつ、運賃・サービスの維持・改善及び安全・防災対策等に万全を期するよう旅客鉄道会社を指導すること。
五整備新幹線の建設に際し、並行在来線の取り扱いについては、関係する地方公共団体及び旅客鉄道会社の意見を十分に尊重すること。また、貨物鉄道会社の輸送に支障が生じることのないよう万全を期すること。
六大都市圏の鉄道整備については、今後とも積極的に推進し、通勤・通学混雑の抜本的な改善策を確立するとともに、地方鉄道の維持・整備についても更に適切に対応すること。
七鉄道軌道整備法に基づく大規模な鉄道災害復旧事業の助成については、できる限り速やかな適用が図られるよう十分に配慮すること。
八鉄道整備基金に対して、その業務を適正に運営するよう責任をもって指導するとともに、新幹線鉄道保有機構の職員の雇用・処遇に万全を期するよう同機構への指導等適切な措置を講ずること。
九旅客鉄道会社及び貨物鉄道会社に対して、今後とも健全な労使関係の維持発展を図るよう指導すること。一〇 国の鉄道整備に関する公共財源の投入等の助成策について一層の充実を図るとともに、開発利益の還元等新たな財源調達を図るシステムを確立するよう努力すること。
一一JR株式の売却に当たっては、JR会社の経営状況等を十分見極めた上で、慎重に必要な準備を進めること。
一二整備新幹線の建設問題に関連して増大が予想される地域負担の増加については、地方財政を圧迫しないよう十分に配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112001036)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。