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国会審議›第120回国会›閣法第60号
閣法第120回国会 第60号成立

森林法等の一部を改正する法律案

平成3年法律第38号 森林法等の一部を改正する法律
提出平成3年2月26日 内閣
付託衆議院 農林水産委員会
参議院 農林水産委員会
成立
平成3年法律第38号
審議会議 9回・発言 847(政府答弁等 321)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院農林水産委員会

  1. H3.2.27趣旨説明農林水産委員会 44
  2. H3.3.7質疑農林水産委員会 5172
  3. H3.3.12参考人招致農林水産委員会 659
  4. H3.3.13質疑・討論・附帯決議・採決農林水産委員会 7178
  5. H3.3.14委員長報告・採決・附帯決議本会議 1963

参議院農林水産委員会

  1. H3.4.9趣旨説明農林水産委員会 6267
  2. H3.4.12質疑農林水産委員会 7128
  3. H3.4.18参考人招致・質疑・討論・採決・附帯決議農林水産委員会 8285
  4. H3.4.19附帯決議・委員長報告・採決本会議 2051

提案理由

近藤元次 農林水産大臣 平成3年2月27日

 続きまして、森林法等の一部を改正する法律案につきまして、御説明申し上げます。

 我が国の森林は、木材等の林産物を供給するとともに、国土の保全、水資源の涵養等の公益的機能の発揮を通じて国民生活と深く結びついてきたところであります。特に近年、このような森林の有する多様な機能の発揮に対する国民の期待は著しく高まってきております。

 しかしながら、森林・林業の状況を見ると、採算性の低下、林業従事者の減少、高齢化の進行等により、林業生産活動が停滞し、管理が適正に行われていない森林が増加する等まことに厳しいものがあります。

 このような状況のもとで、森林の有する多様な機能の発揮に対する国民の期待の高まりにこたえ、緑と水の源泉である多様な森林の整備とともに、国産材時代の到来を現実のものとすることは現下の林政の重要課題であり、その達成に向けて、流域を基本的単位とし、民有林、国有林を通じた森林整備水準の向上等を推進する森林の流域管理システムを確立するとともに、森林の有する公益的機能の維持増進のための制度の拡充を図ることが不可欠となっております。

 政府といたしましては、このような森林・林業をめぐる諸情勢にかんがみ、国、都道府県、市町村を通ずる森林計画制度の改善、地方公共団体間の森林整備協定の締結の促進等の措置を講ずるため、所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。

 次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、流域を基本的単位とした民有林、国有林を通ずる森林整備の推進のため、森林計画区を民有林、国有林に共通の区域に再編成することを前提として、新たに国有林の地域別の森林計画を作成することとするとともに、森林施業の条件整備を図るため、市町村森林計画を含め森林計画に関する計画事項の拡充等の改善を行うこととしております。

 また、その一環として、森林整備の計画的かつ着実な推進を図るため、森林整備事業計画を創設することとしております。

 第二に、森林の有する公益的機能の維持増進等のため、上下流の地方公共団体が協力して森林整備を推進するための森林整備協定の円滑な締結の促進のための措置を講ずるとともに、複層林、長伐期施業等森林の公益的機能を重視した特定森林施業計画制度を創設することとしております。

 第三に、緊急に間伐等を要する森林についてその適正実施のための森林施業代行制度を創設するとともに、林地の保全のため、林地開発許可制度の改善を行うこととしております。

 第四に、特定森林施業の円滑な推進に資するため、森林組合法及び林業等振興資金融通暫定措置法の改正により、所要の措置を講ずることとしております。

 以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。

 何とぞ、これらの二つの法律案につき、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

第120回国会衆議院農林水産委員会議録第4号1頁(平成3年2月27日)〔近藤元次農林水産大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 農林水産委員会平成3年3月13日

まず、案文を朗読いたします。森林法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)近年、わが国森林・林業をめぐる情勢は、森林の有する各種機能の発揮に対する国民の要請が多様化・高度化する一方、国内の林業生産活動は、外材との競合の強まり等から停滞の度を深め、森林資源の維持培養を図る上でも憂慮すべき状況となっている。よって政府は、森林整備の拡充、国産材需要の拡大、林業の活性化及び木材産業の体質強化等のため積極的な施策の推進を図るとともに、本法の施行に当たっては左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。記

一全国森林計画等の見直しに当たっては、広く国民の意見並びに森林をめぐる自然的条件及び社会的経済的要請を踏まえ、適切な内容のものとなるよう十分配慮すること。また、自然環境の保全等に対する国民の関心の高まりに対応し、これらの要請を適切に反映するよう努めること。

二民有林及び国有林が一体となった地域林業の振興を推進するため、森林計画の策定段階にとどまらず、その達成に向けた事業実行面での一層の連携強化が図られるよう努めること。

三森林整備事業計画については、地域における森林の実態、森林整備の緊要性等を十分に勘案した適切な策定に努めるとともに、必要な予算の確保等その着実な実行の確保について特段の努力を傾注すること。

四市町村森林整備計画の策定に当たっては、地域の関係者の意向等が適切に反映されたものとなるよう指導すること。また、計画の円滑な推進を図るため、市町村における林業行政体制の充実を図るとともに、所要の支援措置を積極的に講ずるよう努めること。

五都道府県知事の裁定にかかる森林施業の代行制度については、現行勧告制度の運用等を踏まえ、裁定の基準を明確にし、公正な運用が図られるよう指導すること。

六森林の公益的機能の高度発揮が期待される複層林施業等を推進するため、特定森林施業計画制度の創設・運用に併せ、その経営的・技術的な普及指導の積極的な展開に努めること。

七森林整備協定制度の運用に当たっては、適切かつ有効なあっせんの実施に努めるとともに、都市住民等の森林・林業及び協定制度に対する理解の醸成等について積極的に取り組むこと。

八林業就業者の減少・高齢化が深刻の度を加えている現状にかんがみ、林業事業体の体質強化、雇用の安定、賃金水準、労働基準法の完全適用、社会保険の適用、退職金制度の拡充など他産業並みの労働条件と労働安全の確保、高性能機械の導入促進による作業の効率化、労働強度の軽減を図るなど、早急にその養成確保対策の拡充・強化に取り組むこと。併せて、山村地域における生活環境の改善等定住条件整備の一層の促進に努めること。

参議院 農林水産委員会平成3年4月18日

国有林野及び国有林野事業は、木材の安定的な供給、国土保全等公益的機能の発揮等を通じ、国民生活の向上、国民経済の発展を図る上で、重要な役割を果たしている。よって、政府は、これら国有林野事業に課せられた使命達成のため、森林の整備拡充に必要な措置を積極的に講ずるとともに、本法の施行に当たっては、長期的・総合的な展望に立って、次の事項の実現に遺憾なきを期すべきである。

一国有林野事業の公益性及び累積債務処理の重要性にかんがみ、自助努力と併せて、経常事業部門へは民有林並みの助成と、累積債務の計画的償還のため一般会計からの繰入れ等財政上の援助措置を積極的に講ずるよう努めること。また、累積債務と経常事業部門の区分については、経常事業への影響の防止等その目的が十全に果たされるよう適切な運用に努めること。

二新たな改善計画の策定及びその実施に当たっては、国有林野事業が直面している構造的要因を認識し対策を講ずるとともに、広く国民各層の理解を得つつ円滑に推進されるよう努めること。

三林野・土地の売払いについては、それが国民の貴重な財産であることにかんがみ、関係審議会等の意見を十分聴取し、特に、林野についてはその有する公益性の維持・確保が図られることにも配意し、適切かつ公正に行うこと。また、その売払い実績については公表すること。

四国有林野の機能分類に基づく類型化については、国民の多様な要請に応え、国有林野事業の管理経営上の指針とするという趣旨に照らし、適切かつ合理的なものとなるよう十分検討すること。

五将来の要員規模については、国有林野事業の事業運営の在り方についての労使の話し合い等を踏まえ、その使命達成を旨とした適切なものとなるよう検討すること。併せて、将来の要員規模、要員調整の進展状況、職員の年齢構成等を踏まえ、新規採用の在り方に着目し、その検討を進めること。また、いわゆる希望退職者の募集に当たっては、職員の意思を尊重した適切な運用が行われるよう指導を徹底すること。

六組織機構の整備に当たっては、地方自治体及び関係団体等の意見をも踏まえつつ、地元サービス及び国有林としての機能の低下を来さぬよう適切に対処すること。

七国有林野事業の自己収入を確保するため、その大宗を占める林産物の販売に当たっては、木材需要の開発推進、的確な市況・市場の調査とそれへの対応、民有林とも連携した産地銘柄の形成等積極的な販売戦略の展開に努めること。

八森林に対する国民の要請の多様化に対処し、併せて自己収入の確保に資するため、自然保護を含めた国有林野事業の管理運営との適切な調整を図りつつ、森林空間を利用した保健休養等に係る新たな事業の展開を図ること。

九林業事業体の育成に当たっては、一般林政施策とも相まって、計画的な事業の発注等による経営の安定強化を図るとともに、雇用関係の明確化、他産業並みへの労働条件の改善及び国有林内での安全対策について積極的な指導・監督を行うなど、優秀な林業労働力の定着・確保に必要な労働環境の整備に努めること。

十民有林・国有林一体となった適正な流域管理という林政の方向にかんがみ、国有林野事業の運営に当たっては、地域振興に留意して市町村等との一層の連携強化を図ること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112001060)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。