労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案
参議院 労働委員会
平成5年法律第79号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院労働委員会
- H5.4.6趣旨説明・質疑本会議 1635
- H5.4.7趣旨説明労働委員会 599
- H5.4.16質疑労働委員会 7178
- H5.4.21派遣委員報告・質疑・派遣委員意見聴取労働委員会 8330
- H5.4.23質疑労働委員会 9213
- H5.4.28質疑労働委員会 10120
- H5.5.11質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案労働委員会 1180
- H5.5.11委員長報告・採決・附帯決議本会議 2522
参議院労働委員会
- H5.5.12趣旨説明労働委員会 75
- H5.5.12趣旨説明・質疑本会議 1559
- H5.5.13質疑労働委員会 8237
- H5.5.18参考人招致労働委員会 958
- H5.5.25質疑労働委員会 10258
- H5.6.1質疑・修正案趣旨説明・採決・討論・附帯決議・修正案労働委員会 11247
- H5.6.2委員長報告・採決・附帯決議本会議 2114
提案理由
村上正邦 労働大臣 平成5年4月6日労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。
今日の我が国の経済的発展は、長い間に培われてきた国民の勤勉、実直、すぐれた創意工夫、そして働くことをとうとぶ精神に支えられており、こうした日本人の持つ伝統的な価値観を大切にしつつ、労働時間の短縮を推進していきたいと考えております。
衣食足りて礼節を知ると言われてきましたが、我が国の経済力が相当の水準となり、衣食がある程度満足できるところまで来ている今日では、生活の豊かさやゆとりを実感するためには、「住」と「時」のゆとりが求められているところであります。
労働時間の短縮は、働く人々が時間的余裕を持ち、家族とのコミュニケーションや健康の増進により、心身を健全にし、能率的でよりよい仕事をするための大きな課題であり、「時」のゆとりを実感することのできる生活大国実現のための大きな柱であります。
このため、政府といたしましては、労働時間の短縮、中でも完全週休二日制の定着に向けて取り組んできたところであります。特に、昭和六十二年の労働基準法の改正により、完全週休二日制に相当する週四十時間労働制を法定労働時間の目標とし、段階的にその短縮を進めてまいりましたが、既に十分な年月を経ており、週四十時間労働制の実施を図ることが求められているところであります。また、労働時間の短縮が難しい中小企業に対する支援措置の充実が必要となっております。
政府といたしましては、このような課題に適切に対処するため、中央労働基準審議会の建議を踏まえ、法律案を作成し、同審議会にお諮りした上、ここに提出した次第であります。
次に、この法律案の内容の概要を御説明申し上げます。
第一に、労働基準法第三十二条第一項に明記されている週四十時間労働制を平成六年四月より実施することにするとともに、中小企業等の実情に配慮して、平成九年三月三十一日までの間、必要な猶予措置を講ずることとしております。
第二に、年間単位での休日増を図るために、現行の三カ月単位の変形制を最長一年単位の変形制に改正することとしております。
第三に、時間外及び休日労働に係る法定割り増し賃金率について、二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ命令で定めることとしております。
第四に、年次有給休暇について、継続勤務要件を六カ月に短縮し、出勤率の算定に当たって育児休業について出勤したものとみなすこととしております。
第五に、労働時間短縮を進めにくい中小企業等に対する支援を行うため、労働時間短縮支援センターを指定し、労働省令で定める助成金の支給等を行わせることとしております。
その他、裁量労働制の対象業務の範囲を具体的に命令で定めることとし、また、林業について労働時間法制の適用対象事業に加えることとしております。
なお、この法律の施行期日は、労働基準法の改正部分については平成六年四月一日、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の改正部分については公布の日としております。
以上が労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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労働基準法及び労働時間の短縮の促進に関す
る臨時措置法の一部を改正する法律案(内
閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第126回国会衆議院会議録第16号2頁(平成5年4月6日)〔村上正邦労働大臣発言・発言番号11〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
豊かでゆとりある勤労者生活の実現、「生活大国」への前進、国際協調の推進等の観点から、労働時間の短縮は国民的課題となっていることにかんがみ、政府は次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一猶予措置の対象事業について、猶予期間中であっても、できるだけ早期に週四十時間制が実施されるよう、関係省庁が連携を図りながら、事業主に対する啓発、指導等必要な指導援助を行い、平成九年度からの週四十時間制への移行が円滑に行われるよう努めること。
二時間外・休日労働の割増賃金率についての今回の改正は、時間外・休日労働の抑制、国際的な公正労働基準の確立等の観点から政策目標を掲げたものであるとの認識に立って、段階的な引上げを図るよう努めること。
三一年単位の変形労働時間制については、濫用されることのないよう十分指導するとともに、改正法施行後三年以内に実態調査を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行うこと。
四年次有給休暇の最低付与日数については、ILO条約の水準を参考に、その増加を図ることについて来春を目途に中央労働基準審議会における検討を開始し、速やかに結論が得られるよう努めること。また、「連続休暇取得促進要綱」に示された年次有給休暇の平均二十日付与、二十日取得の達成に向けた労使の自主的な取組みの一層の促進を図るとともに、そのための実効ある方策について引き続き検討すること。
五建設業における週休二日制等労働時間短縮を推進するため、発注時期の平準化、適正工期の確保等受注条件の改善が図られるよう努めるとともに、月給制の普及促進を図る等日給制労働者の労働条件が確保されるよう十分指導すること。
六下請企業における労働条件の改善・向上に資するため、関係省庁が十分連携協力しつつ下請振興基準の周知徹底を図るとともに、短納期発注の改善等取引慣行の是正に向けて、政府全体として強力な取組みを進めること。
七労働基準法の履行確保、労働時間短縮の一層の促進を図るため、労働基準監督官等の増員をはじめ労働基準行政体制の充実強化を図ること。
八小中、高等学校の完全土曜休日制の早期実施に努めること。
九改正法施行三年後に、その施行状況を勘案しながら、今後における労働時間法制のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
政府は、すべての国民がゆとりと豊かさを実感できる社会を実現し、同時に、国際協調を推進するため、年間総労働時間千八百時間を早期に達成するよう、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一猶予措置の対象事業については、法の下の平等の観点から極力これを限定するとともに、猶予期間中であっても、できるだけ早期に週四十時間制が実施されるよう、関係省庁が十分連携し、中小企業の事業主に対する必要な指導援助を行い、平成九年度からの週四十時間制への移行が円滑かつ確実に行われるよう努めること。
二時間外・休日労働の割増賃金率についての今回の改正は、法定労働時間外の労働に対する補償、時間外・休日労働の抑制、国際的な公正労働基準の確立等の観点から政策目標を掲げたものであるとの認識に立って、段階的な引上げに努めること。
三一年単位の変形労働時間制については、労働者の家庭生活との調和を図るため、合理的な一日、一週の労働時間及び連続労働日数の上限を定めること。また、制度の運用に当たっては、濫用されることのないよう十分指導・監督するとともに、改正法施行後三年以内に実態調査を行い、その結果に基づいて必要な見直しを行うこと。
四年次有給休暇の最低付与日数については、ILO条約の水準を参考に、速やかにその増加を図ること。また、年次有給休暇の平均二十日付与、二十日取得の実現に向け、実効ある方策を推進するとともに、介護休業等について、法制化を含めそのあり方について検討を行うこと。
五出稼労働者に対する年次有給休暇については、継続勤務要件の改善が行われたことに伴い、その実態に応じて有給休暇が付与されるよう指導基準を速やかに見直すとともに、関係業界等に対し周知徹底を図ること。また、パート労働者に対する年次有給休暇の比例付与についても、今回の改正に伴い必要な措置を講ずるとともに、完全取得に向けて指導を強化すること。
六建設業における週休二日制等労働時間短縮を推進するため、関係省庁が十分連携し、発往時期の平準化、適正工期の確保等受注条件の改善が図られるよう努めるとともに、月給制の普及促進を図る等日給制労働者の労働条件が改善されるよう十分指導すること。
七下請企業における労働条件の改善・向上に資するため、関係省庁が十分連携し、下請振興基準の周知徹底を図るとともに、短納期発注の改善等取引慣行の是正に向けて、政府全体として強力な取組みを進めること。
八みなし労働時間制については、休日及び年次有給休暇の確保を含め適切な運用が行われるよう十分指導すること。また、裁量労働制の適用対象業務を定めるに当たっては、労働者保護の観点から十分慎重に検討すること。
九労働基準法の履行確保、労働時間短縮の一層の促進を図るため、労働基準監督官等の増員をはじめ労働基準行政体制の充実強化を図ること。
十小、中、高等学校の完全土曜休日制の早期実施に努めること。
十一改正法施行三年後に、その施行状況を勘案じ、今後における労働時間法制のあり方について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112601033)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。