沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案
参議院 農林水産委員会
平成5年法律第37号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院農林水産委員会
- H5.3.24趣旨説明農林水産委員会 5194
- H5.3.25質疑農林水産委員会 6161
- H5.4.6参考人招致農林水産委員会 764
- H5.4.7質疑・採決・附帯決議農林水産委員会 8280
- H5.4.8採決・委員長報告・附帯決議本会議 1744
参議院農林水産委員会
- H5.4.8趣旨説明農林水産委員会 5266
- H5.4.13参考人招致農林水産委員会 698
- H5.4.15質疑・附帯決議・採決農林水産委員会 7271
- H5.4.16委員長報告・採決・附帯決議本会議 1127
提案理由
田名部匡省 農林水産大臣 平成5年3月24日次に、沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
沿岸漁業改善資金制度は、昭和五十四年に発足して以来、沿岸漁業の経営及び生活の改善並びに漁業後継者の養成のための無利子資金の貸し付けを通じて、沿岸漁業の健全な発展と漁業従事者の福祉の向上に大きく貢献してまいりました。
しかしながら、近年の沿岸漁業をめぐる情勢は、国際的な漁業規制の強化に伴って沿岸漁業の果たす役割が一層重要となる一方で、我が国周辺水域における水産資源の状態は総じて悪化傾向にあり、また、養殖業をめぐる漁場環境の悪化が進むなど厳しい状況にあります。このため、このような状況変化に的確に対応した新たな漁業生産方式を積極的に導入し、沿岸漁業の経営を改善していくことが求められています。
また、漁業就業者の減少、高齢化が一層進行する中で、特に次代の漁業を担うべき後継者が著しく減少し、漁業の担い手の脆弱化が危惧されており、すぐれた技術及び経営感覚を持った担い手を幅広く養成確保することが急務となっております。
さらに、沿岸漁業改善資金の償還期間等及び保証制度につきまして、借り受け者の利便を図る観点から見直すことが求められております。
政府といたしましては、このような状況を踏まえ、沿岸漁業の経営の改善と次代を担う漁業者の養成確保を図る観点から本資金制度を改正することとし、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、最近の水産資源や漁場環境の悪化等の状況変化に的確に対応した新たな沿岸漁業の経営の展開を図っていくために、経営等改善資金について、従来の近代的な漁業技術等の導入に必要な、資金に加え、合理的な漁業生産方式の導入に必要な資金を新たに貸付対象とすることとしております。
第二に、意欲ある青年漁業者等の養成確保を図るため、現行の後継者等養成資金を青年漁業者等養成確保資金に再編し、漁業外からの新規参入青年等も含め幅広い層に対応し得るよう、貸付対象者の範囲を新規参入者等を含む青年漁業者、漁業労働に従事する者その他の漁業を担うべき者に拡大するとともに、資金内容を拡充して、沿岸漁業の経営方法または技術の実地の習得その他近代的な沿岸漁業の経営の基礎を形成するのに必要な資金とすることとしております。
第三に、経営等改善資金及び後継者等養成資金の拡充に伴い、借り受け者の利便を図るため、償還期間及び据置期間を延長するとともに、保証制度についても、従来の保証人による保証のほか、物的担保の提供によることもできることとしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
第126回国会衆議院農林水産委員会議録第5号2頁(平成5年3月24日)〔田名部匡省農林水産大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
まず、案文を朗読いたします。沿岸漁業改善資金助成法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)国際的な漁業規制の強化に伴い、我が国沿岸漁業の果たす役割がますます重要となっている一方、周辺水域の漁場環境は悪化し、漁業資源は総じて減少傾向にある。このような中で、沿岸漁業の就業者の減少と老齢化は、漁村社会の維持や漁場の総合的・合理的利用に重大な影響を及ぼすものと懸念されており、水産物の安定供給や所得・雇用機会の確保、さらには国土の均衡ある発展等を図る観点から、沿岸漁業を職業として選択し得る魅力ある産業として確立することが喫緊の課題となっている。よって政府は、本法の施行に当たっては、左記事項の実現に遺憾なきを期すべきである。記
一生産基盤の整備、沿岸漁業の構造改善等基幹的な水産政策について、でき得る限り、中・長期的視点に立った施策の展開方向を明らかにすること。
二沿岸漁業改善資金制度が、沿岸漁業経営の健全な発展、沿岸漁業従事者の福祉の向上等に十分な役割を果たし得るよう、今後とも、資金内容の充実、資金枠の確保、制度の積極的活用並びに水産業改良普及制度の充実・強化に努めること。
三漁村の生活環境の整備が立ち遅れている現状にかんがみ、沿岸漁業従事者等の資金需要を的確に把握し、生活改善資金が十分に活用されるようさらに検討を行うとともに、漁港等の整備と併せ行う生活環境の向上に資する事業の促進を図ること。
四沿岸漁業への新規就業者の著しい減少に対処し、青年漁業者等養成確保資金の積極的活用に併せ、漁業後継者の円滑な定着を支援するための施策の充実に努めること。また、漁業外からの新規就業については、その進出が漁村社会に混乱をもたらすことのないよう十分配意すること。
五経営等改善資金に新たに追加される合理的な漁業方式の導入に必要な資金については、漁業の実態に即し、制度の弾力的運用を行うこと。
六物的・人的担保制度の運用に当たっては、沿岸漁業改善資金を借り受ける沿岸漁業従事者等の意向を十分尊重するよう指導すること。
近年、諸外国の二百海里水域での我が国漁船への漁獲割当数量が減少しているのみでなく、公海での漁業規制も強化されつつある。このため、水産物の安定的な供給、漁村地域の活性化等を図る観点から、我が国周辺水域を主な漁場とする沿岸漁業等を振興することが緊急の課題となっている。一方、沿岸漁業等を取り巻く情勢は、周辺水域の資源状況が悪化し、また、沿岸漁業者等が減少・高齢化するなど、一段と厳しくなっている。よって政府は、本法の施行に当たっては、次の事項の実現に万遺憾なきを期すべきである。
一生産基盤の整備、沿岸漁業の構造改善等基幹的な水産政策について、でき得る限り、中・長期的視点に立った施策の展開方向を明らかにすること。
二沿岸漁業改善資金制度が、沿岸漁業経営の健全な発展、沿岸漁業従事者の福祉の向上等に十分な役割を果しうるよう、今後とも、資金内容の充実、資金枠の確保、制度の積極的活用並びに水産業改良普及制度の充実・強化に努めること。
三漁村の生活環境の整備が立ち遅れている現状にかんがみ、沿岸漁業従事者等の資金需要を的確に把握し、生活改善資金が十分に活用されるようさらに検討を行うとともに、漁港等の整備と併せ行う生活環境の向上に資する事業の促進を図ること。
四沿岸漁業への新規就業者の著しい減少に対処し、青年漁業者等養成確保資金の積極的な活用を図るとともに、新規就業者等の円滑な定着を支援するための施策の充実に努めること。また、漁業外からの新規就業者については、その進出が漁村社会に混乱をもたらすことのないよう十分配意すること。
五経営等改善資金に新たに追加される合理的な漁業生産方式の導入に必要な資金については、資源管理型漁業の推進、養殖業の振興等に資するよう制度の弾力的運用を図ること。
六物的・人的担保制度の運用に当たっては、沿岸漁業改善資金を借り受ける沿岸漁業従事者等の意向を十分尊重するよう指導すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112601040)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。