雇用保険法等の一部を改正する法律案
参議院 労働委員会
平成6年法律第57号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院労働委員会
- H6.5.31趣旨説明・質疑本会議 2120
- H6.6.3趣旨説明労働委員会 2158
- H6.6.6質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・修正案労働委員会 3167
- H6.6.7委員長報告・採決(修正)本会議 2483
提案理由
鳩山邦夫 労働大臣 平成6年5月31日ただいま議題となりました雇用保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
我が国における雇用を取り巻く諸情勢は、今後大きく変わっていくものと予想されます。すなわち、急速な高齢化や女性の職場進出が一層進み、また、産業構造の転換や技術革新が進展しております。さらに、中長期的には労働力の供給制約が見込まれております。
このような状況の変化に的確に対応し、雇用保険制度が、今後、雇用に関する総合的な機能を一層発揮できるよう、現在の制度を見直し、その整備充実を図っていくことが必要であります。すなわち、高年齢者、女性を初め個々の労働者について職業生活の全期間を通じてその意欲が生かされ、能力が十分に発揮できるよう、また、労働者の失業中の生活の安定、再就職の促進等に一層の実効を期すことができるよう対応していくことが重要な課題であります。
雇用をめぐる社会経済の変化に対応した雇用保険制度のあり方については、中央職業安定審議会の雇用保険部会において二年にわたる検討が行われ、昨年末に、労働者の職業生活の円滑な継続を援助、促進するとともに、失業中の生活の安定、再就職の一層の促進を図るため制度を改善すべき旨の報告をいただいたところでございます。
政府といたしましては、この報告を踏まえつつ、この法律案を作成し、関係審議会の全会一致の答申をいただき、提出した次第でございます。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。
第一は、雇用保険法の一部改正であります。
その一は、雇用継続給付制度の創設であります。
本格的な高齢社会に対応して、高年齢者の働く意欲と能力にこたえ、六十歳から六十五歳までの継続雇用、再就職の促進を図るため、六十歳時点に比して賃金が相当程度低下した状態で雇用を継続する被保険者に対し高年齢雇用継続給付を支給することといたしております。
また、女性の職場進出の進展、少子化の傾向に対応して、労働者が育児休業を取得しやすくし、その後の円滑な職場復帰を援助、促進するため、満一歳未満の子を養育するための休業を取得した被保険者に対し育児休業給付を支給することといたしております。
なお、この雇用継続給付については非課税とするとともに、これに要する費用は労使が折半して負担する現行の保険料率による保険料及び国庫負担をもって充てることといたしております。
その二は、一般被保険者に対する給付の改善を図ることでございます。
まず、所定給付日数について、現在五十五歳以上六十五歳未満を一の年齢区分としている点について、六十歳定年制の定着の状況等に対応し、六十歳以上六十五歳未満の年齢区分を設けるとともに、四十五歳以上六十歳未満を一の年齢区分とし、六十歳以上六十五歳未満の年齢区分に係る所定給付日数の引き上げ等を行うことといたしております。
また、再就職の促進、失業中の生活の安定を一層きめ細かに図っていく観点から、基本手当の額の算定の基礎となる賃金日額の上限額について、受給者の年齢に応じて設定すること等の改正を行うことといたしております。
さらに、産業構造の転換等が進む中で、再就職に対する援助を図る観点から、受給資格者が公共職業訓練等を受講する場合については、その受講開始日以後の期間について給付制限を解除することといたしております。
その三は、高年齢継続被保険者に対する給付の改善等を図ることであります。
すなわち、高年齢継続被保険者が失業したときに支給される高年齢求職者給付金の額について、被保険者であった期間が一年以上十年未満である者について引き上げること等の改正を行うことといたしております。
その四は、日雇い労働被保険者に対する給付の改善を図ることであります。
週休二日制の普及等に対応し、失業の日の属する月の前二カ月間に通算して二十八日分以上の印紙保険料の納付を要するとの現在の支給要件を改め、二十六日分以上の印紙保険料の納付とすることといたしております。
また、給付金について、最近における日雇い労働被保険者の賃金分布状況の変化等を勘案して、現行の四段階制を改め、現在の第一級の給付額の上に一段階を設け、下位の二つの段階を廃止することにより三段階制とすること等の改正を行うことといたしております。
その五は、再就職手当の改善を行うことであります。
再就職手当の支給要件について、産業構造の転換、高年齢化の進展等に対応し、受給者の一層の早期再就職を促すため、支給残日数が三分の一以上ある者についても、原則として再就職手当を支給することといたしております。
さらに、現下の厳しい雇用失業情勢に照らし、当面の措置として、現在基本手当の百二十日分以下の範囲の額とされている再就職手当の額を基本手当の百四十日分以下の範囲の額とすることといたしております。
第二は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の一部改正であります。
日雇い労働者の給付金を三段階制とすることに伴い、印紙保険料の額を現在の四段階制から三段階制とすることといたしております。
第三は、船員保険法の一部改正であります。
船員保険についても、雇用保険と同様の趣旨から、雇用継続給付を創設すること、失業保険金の給付額の算定方法を改善すること、高齢求職者給付金の改善を行うこと、再就職手当の支給要件の改善を行うこと等の改正を行うことといたしております。
以上が、雇用保険法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。
どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
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雇用保険法等の一部を改正する法律案(内閣
提出)の趣旨税明に対する質疑
第129回国会衆議院会議録第21号2頁(平成6年5月31日)〔鳩山邦夫労働大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112901019)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。