外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案
参議院 法務委員会
平成6年法律第65号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
中井洽 法務大臣 平成6年6月7日外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
この法律案は、最近における弁護士業務を取り巻く国際的環境の変化及び国際的法律事件の増大にかんがみ、渉外的法律関係の一層の安定を図る等のため、外国法事務弁護士に係る承認の基準についての相互主義を緩和するとともに、外国法事務弁護士が弁護士と共同の事業を営むことができることとする等外国法事務弁護士の活動に関する規制を合理化する等のため、外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法の一部を改正しようとするものでありまして、その改正の要点は、次のとおりであります。
まず、第一は、現行法の裁量の余地のない相互主義を緩和するものとしていることであります。すなわち、我が国が外国と外国弁護士受け入れ制度に係る条約その他の国際約束を締結したときは、その誠実な履行を妨げることとならないよう、その相手国において我が国の弁護士となる資格を有する者に対し我が国の外国弁護士受け入れ制度による取り扱いと実質的に同等な取り扱いが行われていないときであっても、その外国の外国弁護士となる資格を有する者に対し外国法事務弁護士となる資格の承認をすることができることといたしております。
第二は、外国法事務弁護士となる資格の承認の基準の一つである外国弁護士としての職務経験年数の要件を緩和するものとしていることであります。すなわち、五年以上の外国弁護士としての職務経験を有することを承認の基準とするとの現行法の原則は維持しつつ、国内において弁護士または外国法事務弁護士に雇用されていた期間については、一定の要件のもとに、通算して二年を限度として外国弁護士としての職務経験年数に算入することといたしております。
第三は、外国法事務弁護士の請求により登録が取り消された後の手続を合理化するものとしていることであります。すなわち、外国法事務弁護士がみずからの請求により登録の取り消しを受けた場合について、現行法の法務大臣による裁量的な承認の取り消しの制度を廃止し、その者が登録の取り消しを受けた後六カ月以内に再度登録の請求をしないときには外国法事務弁護士となる資格の承認が失効することといたしております。
第四は、外国法事務弁護士の事務所の名称に係る規制を緩和するものとしていることであります。すなわち、外国法事務弁護士の事務所の名称中には外国法事務弁護士の氏名を用いなければならないとする現行法の規制を撤廃するとともに、一定の要件のもとに、外国法事務弁護士の事務所の名称中に外国法事務弁護士が所属する事業体の名称を使用することができることといたしております。
第五は、外国法事務弁護士が我が国の弁護士と共同の事業を営むことに係る現行法の規制を緩和するものとしていることであります。すなわち、外国法事務弁護士は、五年以上の弁護士としての職務経験を有する弁護士とする場合に限り、訴訟代理等一定の法律事務以外の法律事務を行うことを目的とする共同の事業については、これを営むことができることとし、外国法事務弁護士が弁護士と共同の事業を営むときには、一定の事項を日本弁護士連合会に届け出なければならないことといたしております。
以上が、この法律案の趣旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願いいたします。
第129回国会衆議院法務委員会議録第3号33頁(平成6年6月7日)〔中井洽法務大臣発言・発言番号250〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112901064)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。