地方自治法の一部を改正する法律案
参議院 地方行政委員会
平成6年法律第48号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会
- H6.6.3趣旨説明地方行政委員会 4191
- H6.6.7質疑・討論・採決・附帯決議地方行政委員会 5136
- H6.6.8採決・委員長報告・附帯決議本会議 2560
提案理由
石井一 自治大臣・国家公安委員会委員長 平成6年6月3日ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
この法律案は、地方公共団体の組織及び運営の合理化を図るため、地方制度調査会の答申にのっとり、中核市に関する事務の配分の特例及び特別地方公共団体たる広域連合に関する制度を設けるほか、所要の規定の整備を行おうとするものであります。
以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
第一は、中核市に関する事項であります。
中核市は、指定都市以外の都市で、規模能力が比較的大きな都市について、その事務権限を強化し、できる限り住民の身近で行政を行うことができるようにするため、その制度を創設するものであります。
すなわち、中核市またはその執行機関は、指定都市またはその執行機関が処理することができる事務のうち、都道府県またはその執行機関が都道府県の区域にわたり一体的に処理することが効率的な事務その他の中核市またはその執行機関において処理することが適当でない事務を除き、政令で定めるものを、政令で定めるところにより、処理することができるものといたしております。
次に、中核市となる要件につきましては、人口三十万以上を有すること及び面積百平方キロメートル以上を有することとしておりますほか、当該市の人口が五十万未満の場合におきましては、さらに当該市を含む周辺の地域における経済社会生活圏の中核としての機能を有する都市として政令で定める基準を満たさなければならないものといたしております。
また、中核市は、政令でこれを指定することとし、自治大臣が当該政令の立案をしようとするときは、関係市からの申し出に基づき、これを行うものとしておりまして、関係市が、この申し出をしようとするときは、あらかじめ、当該市の議会の議決を経るとともに、都道府県議会の議決を経た都道府県の同意を得なければならないものといたしております。
第二は、広域連合に関する事項であります。
広域連合は、多様化した広域行政需要に適切かつ効率的に対応するとともに、国からの権限移譲の受け入れ体制を整備するため、その制度を創設するものであります。
すなわち、広域連合は、普通地方公共団体及び特別区またはその執行機関の事務で、広域にわたり処理することが適当であると認めるものに関し、広域計画を作成し、必要な連絡調整を図るとともに、これらの事務の一部を広域にわたり総合的かつ計画的に処理するために設置される特別地方公共団体といたしております。
次に、国及び都道府県知事等は、その権限または権限に属する事務のうち広域連合またはその執行機関の事務に関連するものを当該広域連合またはその執行機関に委任することができ、また、都道府県の加入する広域連合は国の行政機関の長に対し、その他の広域連合は都道府県知事等に対し、広域連合またはその執行機関の事務に密接に関連する権限または権限に属する事務の一部を委任するよう要請することができるものといたしております。
また、広域連合は、広域計画に定める事項に関する事務を総合的かつ計画的に処理するため必要があると認めるときは、当該広域連合を組織する地方公共団体に対し、規約を変更するよう要請することができるものとするとともに、広域連合を組織する地方公共団体の事務の処理等が広域計画の実施に支障がありまたは支障があるおそれがあると認めるときは、当該広域連合を組織する地方公共団体に対し、広域計画の実施に関し必要な措置を講ずべきことを勧告することができるものといたしております。
さらに、広域連合においては、その議会の議員または長の選挙の方法を一定のものに限定するとともに、広域連合の区域内に住所を有する者が広域連合に対し直接請求を行うことができるものとし、さらに広域計画に定める事項を一体的かつ円滑に推進するため、広域連合は、その長及び国の地方行政機関の長等をもって組織される協議会を設置することができるものといたしております。
第三は、その他に関する事項であります。
その一は、選挙権を有する者が、身体の故障等により、直接請求の請求者の署名簿に署名することができないときは、その者の属する市町村の選挙権を有する者に委任して、自己の氏名を直接請求の署名簿に記載させることができるものといたしております。
その二は、住民が地方公共団体に代位して行う損害賠償請求等の住民訴訟において、地方公共団体の職員が勝訴した場合に、弁護士に報酬を支払うべきときは、地方公共団体は、議会の議決によりその報酬額の範囲内で相当と認められる額を負担することができるものといたしております。
その三は、罰金及び過料の額について所要の引き上げを行うとともに、別表の規定の改正等所要の規定の整備を行うことといたしております。
以上が地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
次に、地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。
この法律案は、中核市制度及び広域連合制度を創設するための地方自治法の一部改正に伴いまして、関係法律について、必要な規定の整備を行おうとするものであります。
以上が、この法律案を提案いたしました理由であります。
次に、この法律案の要旨について御説明申し上げます。
第一は、中核市制度の創設に伴う改正であります。
地方自治法の改正により、中核市に関する特例を設けることに伴い、関係法律において中核市に関する事務配分の特例規定を定めることといたしております。
また、中核市に保健所を設置することとするほか、関係法律について所要の規定の整備を行うことといたしております。
第二は、広域連合制度の創設に伴う改正であります。
地方自治法の改正により、広域連合制度を創設することに伴い、関係法律について所要の規定の整備を行うことといたしております。
以上が地方自治法の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第129回国会衆議院地方行政委員会議録第4号27頁(平成6年6月3日)〔石井一自治大臣発言・発言番号189〕 会議録 国会会議録検索システム
立法資料のある条文
この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)附帯決議
政府は、地方自治の充実強化と住民福祉の一層の向上を図るため、次の諸点について、善処すべきである。
一今年度末で有効期限が到来する市町村合併特例法については、地方分権の推進という観点から、市町村の自主性を尊重するとともに、その合併が円滑に行われるために必要な改善措置について所要の検討を行うこと。
二地方分権を進めるためには、国と地方との役割を見直し、国から地方への権限移譲、地方税財源の充実強化等地方公共団体の自主性、自律性の強化を図ることが重要であるが、都道府県のみならず、住民に最も身近な行政主体としての基礎的な地方公共団体である市町村の権限とその自主財源の充実にも努めるよう配慮すること。
三広域連合制度の運用に当たっては、広域連合の自主性を尊重するとともに、これを構成する地方公共団体の性格、規模等に十分配意し、慎重かつ適正を期すること。また、その推進に当たっては、個別の事案の実情に適合するよう留意し、地域住民の意向を尊重するとともに、住民福祉の向上に遺憾なきを期するよう、万全の配慮をすること。なお、広域連合の創設に伴い、現行の一部事務組合が廃止・縮小される場合においては、当該一部事務組合の職員の処遇について配慮するなど所要の措置を講ずること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=112901070)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。