中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案
参議院 労働委員会
平成7年法律第63号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
浜本万三 労働大臣 平成7年2月22日ただいま議題となりました中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
中小企業退職金共済法は、中小企業の労働者の福祉の増進と中小企業の振興に寄与することを目的として、昭和三十四年に制定されたものであります。その後、本制度は着実に発展し、一般の退職金共済制度に加入している事業主の数は約四十万、加入労働者数は約二百八十万人に達しており、本制度は中小企業の労働者福祉対策の主要な柱の一つとなっております。
さて、本制度を取り巻く最近の金融情勢は大変厳しいところでありますが、我が国における退職金制度の現状を見ますと、大企業ではあまねく普及を見ているものの、中小企業、特に小規模企業においてはその普及状況及び内容はいまだ必ずしも十分なものとは言いがたい実情にあること、また、我が国が今後本格的な高齢社会を迎えるに当たり、退職金制度は老後の生活の安定を図るため一層重要なものとなってきていることから、本制度に対する期待はいよいよ高くなってきております。
このため、経済社会情勢の変化に対応して、本制度の長期的な安定を図るとともに、本制度への加入を一層促進して、中小企業における退職金制度の普及及び内容の向上に寄与するよう、本制度をさらに充実強化することが必要となってきております。
政府は、このような観点から、本制度について所要の改善を行うこととし、先般、中小企業退職金共済審議会に諮問し、その答申をいただきましたので、ここに中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明申し上げます。
第一に、退職金の額について、最近における金融情勢の変化に対応して制度の長期的な安定を図るため、掛金月額及び掛金納付月数に応じて定まる基本退職金の額を改定することとしております。
第一、に、掛金月額について、賃金・退職金水準の上昇等を勘案するとともに、退職金給付水準の向上に資するため、現行で四千円となっている最低額を五千円に、現行で二万六千円となっている最高額を三万円にそれぞれ引き上げることとしております。
第三に、退職金の分割支給制度について、現行で十年間のみとされている分割支給期間を、六十歳台前半層の多様な資金ニーズに対応するため、五年間または十年間を選択することができるものとすることとしております。
第四に、共済契約者が中小企業者でない事業主となったときの取り扱いについて、退職金共済契約を解除された際、その共済契約者が、被共済者である労働者の同意を得て一定の要件を満たす適格退職年金契約等を締結した旨の申し出をしたときは、退職金制度の実質的な存続を図る道を開くため、事業団は解約手当金に相当する額の範囲内の金額を契約の相手方に引き渡すことができるものとすることとしております。
第五に、掛金納付月数の通算制度について、現行では二十四月以上必要であるとされている転職前の企業における掛金納付月数について、十二月以上であれば、その被共済者の申し出により通算できるものとすることとしております。
なお、この法律の施行は、退職金の額の改定に係る規定を平成八年四月一日からとするほか、平成七年十二月一日からとすることといたしております。
以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要につきまして御説明申し上げました。
何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第132回国会衆議院労働委員会議録第5号11頁(平成7年2月22日)〔浜本万三労働大臣発言・発言番号76〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113201029)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。