精神保健法の一部を改正する法律案
衆議院 厚生委員会
平成7年法律第94号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会
- H7.4.19趣旨説明厚生委員会 86
- H7.4.26質疑・採決・修正案趣旨説明・附帯決議・修正案厚生委員会 9179
- H7.4.27委員長報告・採決・附帯決議本会議 2331
参議院厚生委員会
- H7.5.9趣旨説明厚生委員会 105
- H7.5.11質疑・附帯決議・採決厚生委員会 11142
- H7.5.12委員長報告・採決・附帯決議本会議 219
提案理由
井出正一 厚生大臣 平成7年4月19日まず、精神保健法の一部を改正する法律案について申し上げます。
精神保健の施策につきましては、これまで、昭和六十二年及び平成五年の法律改正等により、精神障害者の人権に配意した適正な精神医療の確保や、社会復帰の促進を図るための所要の措置を講じてまいりましたが、平成五年十二月に障害者基本法が成立し、精神障害者が基本法の対象として明確に位置づけられたこと等を踏まえ、これまでの保健医療対策に加え、福祉施策の充実を図ることが求められております。
また、昨年七月には地域保健法が成立し、国、都道府県及び市町村の役割分担を初め、地域保健対策の枠組みの見直しか行われており、地域精神保健の施策の一層の充実が求められております。
こうした状況を踏まえ、今般、精神障害者の福祉施策や地域精神保健の施策の充実を図るとともに、適正な精神医療の確保を図るための所要の措置を講じ、あわせて、医療保険制度の充実等の諸状況の変化を踏まえ、精神医療に係る公費負担医療を保険優先の仕組みに改めることとし、この法律案を提出した次第であります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一は、精神障害者の保健福祉施策の充実であります。まず、この法律の題名を「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」に改めるとともに、目的や責務規定等に「自立と社会参加の促進」という福祉の理念を盛り込むこととしております。
また、新たに精神障害者保健福祉手帳制度を創設するとともに、精神障害についての正しい知識の普及、精神障害者及びその家族等に対する相談指導など、地域精神保健福祉施策の規定を整備し、あわせて市町村の役割を位置づけることとしております。さらに、福祉ホーム、福祉工場等の社会復帰施設や、社会適応訓練事業などを法定化することにより、これまでの社会復帰の促進のための訓練に加え、自立や社会参加の促進を図るための援助を推進していくこととしております。
第二に、適正な精神医療の確保等のための措置であります。精神保健指定医の五年ごとの研修の受講促進の措置を講ずるとともに、医療保護入院等を行う精神病院には常勤の指定医を置かなければならないこととし、また、医療保護入院の際の告知義務の徹底、通院医療の公費負担の認定期間の延長等を行うこととしております。
第三に、措置入院及び通院医療に要する費用について、その全部または一部について公費により負担し、公費負担がなされない部分について社会保険各法等による医療給付として行ういわゆる「公費優先」の仕組みを、社会保険各法等による医療給付の自己負担分について公費により負担するいわゆる「保険優先」の仕組みに改めることとしております。
なお、この法律の施行期日は、一部を除き、平成七年七月一日からとしております。
以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要であります。
第132回国会衆議院厚生委員会議録第8号3頁(平成7年4月19日)〔井出正一厚生大臣発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、精神障害者のノーマライゼーションを推進する見地から、次の事項につき適切な措置を講ずるべきである。
一精神障害者手帳制度の創設に当たっては、障害者のプライバシー保護に最大限の配慮を図ると同時に、手帳の有無にかかわらず、社会復帰施設の利用などができるようにすること。また、手帳制度に基づく福祉的措置の充実が図られるよう努めること。
二精神障害者の社会復帰と自立と社会参加を促進するため、社会復帰施設等の積極的な整備に努力すること。また、今回法定化が見送られた小規模作業所の制度的位置付けに向けて検討を進めるとともに、精神障害者の地域における生活の支援のための拠点の整備に努めること。
三精神保健におけるチーム医療を確立するため、精神科ソーシャルワーカー及び臨床心理技術者の国家資格制度の創設について検討を進め、速やかに結論を得ること。
四より良い精神医療の確保や精神障害者の社会復帰を促進するという観点から、精神保健を担う職員の確保に努めるとともに、社会保険診療報酬の改定に当たっては、必要に応じ、所要の措置を講じること。また、精神医療審査会が、患者権利擁護機関として機能できるよう、運営等について検討すること。
五精神障害者を抱える保護者に対する支援体制を充実するとともに、今後とも公的後見人を含めて保護者制度の在り方について検討すること。
六精神障害者の定義については、障害と疾患の区別を明確にしながら、その趣旨の徹底を図ること。また、精神障害者に関する各種資格制限及び利用制限について、精神疾患を有する者が全て適格性を欠くというものではないことから、その緩和や撤廃について引き続き検討すること。
七精神科救急医療の体制の整備を一層推進するとともに、阪神・淡路大震災における被災者・精神障害者が通常の生活に復帰できるよう万全の相談と診療の体制をとること。
する附帯決議(案)政府は、精神障害者のノーマライゼーションを推進する見地から、次の事項につき適切な措置を講ずるべきである。
一精神障害者手帳制度の創設に当たっては、障害者のプライバシー保護に最大限の配慮を図ると同時に、手帳の有無にかかわらず、社会復帰施設の利用などができるようにすること。また、手帳制度に基づく福祉的措置の充実が図られるよう努めること。
二精神障害者の社会復帰と自立と社会参加を促進するため、社会復帰施設等の積極的な整備に努力すること。また、今回法定化が見送られた小規模作業所の制度的位置付けに向けて検討を進めるとともに、精神障害者の地域における生活の支援のための拠点の整備に努めること。
三精神保健におけるチーム医療を確立するため、精神科ソーシャルワーカー及び臨床心理技術者の国家資格制度の創設について検討を進め、速やかに結論を得ること。
四より良い精神医療の確保や精神障害者の社会復帰を促進するという観点から、精神保健を担う職員の確保に努めるとともに、患者の病状に応じた適切な精神医療が行えるよう、社会保険診療報酬の改定に当たっては、必要に応じ、所要の措置を講じること。また、精神医療審査会が、患者権利擁護機関として機能できるよう、運営等について検試すること。
五精神保健指定医の研修内容の充実を図るとともに、精神医療の質の向上を図るよう適切な措置を講じること。
六精神障害者に対する社会的な誤解や偏見を是正するための正しい知識の普及をはじめ、地域精神保健福祉の推進を図ること。
七精神障害者を抱える保護者に対する支援を充実するとともに、今後とも公的後見人を含めて保護者制度の在り方について検討すること。
八精神障害者の定義については、障害と疾患の区別を明確にしながら、その趣旨の徹底を図ること。また、精神障害者の各種資格制限及び利用制限について、精神疾患を有する者が全て適格性を欠くというものではないことから、その緩和や撤廃について今後とも引き続き検討すること。
九精神科救急医療の体制の整備を一層推進するとともに、阪神・淡路大震災における被災者・精神障害者が通常の生活に復帰できるよう万全の相談と診療の体制をとること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=113201035)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。