国民健康保険法等の一部を改正する法律案
参議院 国民福祉委員会
平成10年法律第109号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院厚生委員会
- H10.3.31趣旨説明厚生委員会 55
- H10.3.31趣旨説明・質疑本会議 2435
- H10.4.3質疑厚生委員会 6256
- H10.4.10参考人招致厚生委員会 779
- H10.4.14参考人招致厚生委員会 8107
- H10.4.17質疑厚生委員会 999
- H10.4.24質疑厚生委員会 10284
- H10.4.28質疑・修正案趣旨説明・討論・修正案・採決(修正)厚生委員会 11233
- H10.4.30委員長報告・採決(修正)本会議 3448
- H10.6.10参議院回付案同意・参議院回付案本会議 4526
参議院国民福祉委員会
- H10.4.30趣旨説明国民福祉委員会 1152
- H10.4.30趣旨説明・質疑本会議 2450
- H10.5.7質疑国民福祉委員会 12192
- H10.5.19質疑・参考人招致国民福祉委員会 14204
- H10.5.21質疑・派遣委員報告・公聴会国民福祉委員会 15205
- H10.5.28質疑国民福祉委員会 17171
- H10.6.4質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案国民福祉委員会 18183
- H10.6.5委員長報告・採決(修正)・附帯決議本会議 3234
提案理由
小泉純一郎 厚生大臣 平成10年3月31日ただいま議題となりました国民健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
今回の改正は、近年の高齢化の進展等に伴い、市町村国民健康保険における退職者に係る老人医療費拠出金の増大、老人加入率が著しく高い市町村国民健康保険の保険者数の増加を踏まえ、医療保険制度等の抜本改革が行われるまでの間において、老人医療費拠出金について現行制度のもとにおける所要の見直しを行うとともに、医療保険制度への信頼の確保と医療費の適正化に資するため、診療報酬の不正請求の防止のための措置及び病床過剰地域等における保険医療機関の指定のあり方等に関し必要な措置を講ずるものであります。
以下、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、老人医療費拠出金に関する見直しであります。
老人医療費拠出金については、現在、市町村国民健康保険が一般被保険者の保険料等によって負担している老人医療費拠出金のうち、退職者に係る部分についてその額の二分の一を退職者医療制度を通じて被用者保険に負担していただくこととするとともに、老人医療費拠出金の算定に用いられる老人加入率の上限を現行の百分の二十五から百分の三十に改めることとしております。
第二は、診療報酬の不正請求の防止に関する措置の強化であります。
まず、診療報酬の不正請求等の不正行為を行ったことにより、保険医療機関の指定等が取り消された場合に、都道府県知事が再指定等を行わないことができる期間を現行の最長二年間から最長五年間に改めることとしております。また、診療報酬の不正請求に係る返還金に対する加算金の割合を現行の百分の十から百分の四十に改めることとしております。
第三は、保険医療機関の病床の指定等に関する改正であります。
都道府県知事は、病床過剰地域内の病院等について、新たな病床の全部または一部について保険医療機関の指定を行わないことができることとしております。また、都道府県知事は、既存の保険医療機関を含め、医師等の従業者の人数が厚生大臣が定める基準に満たないときや、適正な入院医療の効率的な提供を図る上で保険医療機関として著しく不適当であると認められるときは、病床の全部または一部について保険医療機関の指定を行わないことができることとしております。
第四は、国民健康保険組合及び国民健康保険団体連合会の予算について、都道府県知事の認可を届け出に改めるほか、市町村国民健康保険の事務費負担金の一般財源化に伴う所要の改正を行うこととしております。
最後に、この法律の施行期日でありますが、退職者に係る老人医療費拠出金の負担方法の見直しについては平成十年七月一日、老人加入率上限に関する特例の見直しに係る事項及び市町村国民健康保険の事務費負担金に関する事項は四月一日、診療報酬の不正請求の防止に関する事項、保険医療機関の病床の指定等に関する事項及び国民健康保険組合等の認可の見直しに関する事項については公布日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
第142回国会衆議院厚生委員会議録第5号3頁(平成10年3月31日)〔小泉純一郎厚生大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、次の事項について、適切な措置を講ずべきである。
一医療提供体制、薬価基準制度、診療報酬制度、高齢者医療制度の抜本的な見直し等の医療保険制度等の抜本改革を、平成十二年度に実施すること。とりわけ、市町村財政にとって大きな負担となっている国民健康保険制度の抜本改正について遅滞なく取り組むこと。
二抜本改革に当たっては、保険者機能の在り方、医療情報の提供の推進、患者の権利擁護、医療費の地域間格差の是正など国民の立場に立った検討を加え、法制化も含めた必要な措置を講ずるよう努めること。さらに、社会保障制度に対する国民の信頼を損なうことのないよう、医療保険制度における給付と負損の公平化を図り、社会全体で支える仕組みを構築すること。
三抜本改革に当たっては、科学的データに基づいた医薬品・医療技術の有用性等の再評価、高額医療機器の共同利用の推進、内外価格差の是正等についても検討すること。
四老人医療費拠出金制度に係る今回の改正が暫定的な措置であることにかんがみ、高齢者医療・保険制度の具体的検討に直ちに着手すること。また、その検討に当たっては、高齢者の所得・資産・生活の実態を踏まえ、高齢者の保険料及び自己負担が過度な負担とならないよう留意し、低所得者への十分な配慮を行うとともに、自己負担、保険料、公費負担のそれぞれの在り方について検討すること。
五政府管掌健康保険に係る国庫補助の繰入特例措置分及びその利子については、国及び政府管掌健康保険の財政状況を勘案しつつ、できる限り速やかな繰り戻しに努めること。
六医療計画における必要病床数の算定方法について、急性期・慢性期用の病床の区分等を含めて検討を加え、地域間格差の是正に向けて見直しを行うとともに、それに沿って地域での診療機能にも配慮しながら都道府県における医療計画の見直しを行うこと。また、無医地区の解消、病床の偏在の是正を図り、より多くの地域住民が良質な医療を受けられるよう努めること。
七医療法上の勧告と健康保険法上の病床制限に関する措置については、地域住民に必要な医療機関の参入を妨げない等、良質な医療を受ける機会を制約することとならぬよう十分留意し、その公平公正な運用の確保に努めるとともに、勧告に関する都道府県医療審議会の審議及び病床の指定制限に関する地方社会保険医療協議会の審議を公開する等手続の透明化を図ること。
八保健医療福祉の総合的なサービス提供体制を確立するため、都道府県における医療計画の見直しに際しては、住民の意見反映に努めながら、今後策定される介護保険事業計画との整合性を図ること。また、住民の生活圏を考慮しつつ医療圏域、老人保健福祉圏域及び障害保健福祉圏域の整合性を図ること。
九入院医療・看護の質を高めるため、看護要員の充実確保について所要の措置を推進すること。
十審査及び指導監査の充実等、医療費の不正請求の防止、医療費の適正化を図るための対策を強化すること。また、これらを適正・円滑に進めるため、レセプト処理の効率化を図ること。
十一医療全般について、医学会や臨床現場の意見に耳を傾け、保険診療のルールとの整合性について検討を進めること。
十二医療現場の実情を把握し、円滑に国民に適切な医療が遂行できる環境づくりに努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。