教育職員免許法の一部を改正する法律案
衆議院 文教委員会
平成10年法律第98号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院文教・科学委員会
- H10.4.9趣旨説明文教・科学委員会 134
- H10.4.14参考人招致文教・科学委員会 1484
- H10.4.16質疑・討論・採決・附帯決議文教・科学委員会 15219
- H10.4.17採決・委員長報告・附帯決議本会議 2122
衆議院文教委員会
- H10.5.22趣旨説明文教委員会 13136
- H10.5.27質疑・参考人招致文教委員会 14164
- H10.5.29質疑文教委員会 1564
- H10.6.3質疑・討論・附帯決議・採決文教委員会 16164
- H10.6.4委員長報告・採決・附帯決議本会議 4418
提案理由
町村信孝 文部大臣 平成10年4月9日このたび、政府から提出いたしました教育職員免許法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
二十一世紀を控え、今日の社会は大きく変化し、学校教育においてもさまざまな課題が生じております。特に最近、児童生徒の校内暴力、いじめ、登校拒否などは極めて憂慮すべき状況にあり、学校教育の主たる担い手である教員の役割はかつてなく重要になっております。
教員の資質能力は、その養成・採用・研修の各段階を通じ形成されるものでありますが、とりわけ、大学での養成教育において、使命感を持ち、子供の悩みを受けとめられる、真に教員にふさわしい人材を育成することが緊要と考えます。
また、社会人の有する専門的な知識・技能を広く学校教育に生かすため、学校教育への社会人の活用をより積極的に進める必要があります。さらに、現場の要請に適切にこたえ、現行免許制度を一層柔軟なものとする必要があります。
今回御審議をお願いする教育職員免許法の一部を改正する法律案は、昨年七月の教育職員養成審議会の答申を受け、以上の観点から教員免許制度の改善を図るものであります。
次に、この法律案の内容の概要について御説明申し上げます。
まず第一に、普通免許状の授与基準に関し、大学の養成教育において、教え方や子供たちとの触れ合いを重視し、教科指導、生徒指導、教育実習等の教職に関する科目の単位数の充実を図るものであります。あわせて、得意分野と個性を持つ教員を養成するため、一種免許状及び二種免許状に係る教職課程に新たに選択履修方式を導入するものであります。
第二は、社会人の学校教育への活用を一層促進するため、特別免許状制度及び特別非常勤講師制度を小学校並びに盲学校、聾学校及び養護学校のすべての教科に拡大するとともに、特別免許状の有効期間の下限を延長し、特別非常勤講師については許可制から届け出制へと改めるものであります。
第三は、いじめ、登校拒否、薬物乱用、性の逸脱行動などの問題に適切に対応するため、三年以上の教職経験を有する現職の養護教諭が、保健の授業を担任する教諭または講師となることを可能とするものであります。
第四は、盲学校、聾学校及び養護学校の各部において、精神薄弱者である幼児児童生徒に特殊の教科以外の教科の指導を行う場合、盲学校等の普通免許状に加え小学校等のいずれかの学校の普通免許状を有していれば、部及び教科の種類にかかわらず全教科の指導を可能とするものであります。
第五は、一種免許状授与の基礎資格に、大学に三年以上在学し大学院への入学が認められた場合を含めることとするものであります。
第六は、学位授与機構の認定に係る短期大学専攻科において、一種免許状の授与を受けるための単位修得を可能とするものであります。
最後に、この法律は平成十年七月一日から施行することとするものであります。
以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、十分御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
第142回国会参議院文教・科学委員会会議録第13号1頁(平成10年4月9日)〔町村信孝文部大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、教員免許制度の重要性にかんがみ、次の事項について、特段の配慮をすべきである。
一教員養成における開放制の原則が堅持できるよう、教員養成大学・学部以外の大学・学部における教員養成にかかる諸条件の一層の充実に努めること。
二今回の法改正に伴い必修とされる科目については、教育職員養成審議会第一次答申を踏まえ、趣旨の徹底を図るとともに、その具体的な名称及び内容に関しては、各大学の創意工夫と自主性を尊重すること。
三教員養成大学・学部以外の大学・学部が教員養成を引き続き円滑に実施することができるよう、「教職に関する科目」の単位を大学の卒業要件に算入することを可能とするとともに、教職課程における単位互換制度の導入及び専任教員基準の緩和を図る等十分な対応措置を講ずること。
四特別非常勤講師制度及び特別免許状制度等、社会人が教育に参加する制度の実施に当たっては、これまでの実施成果を十分に検証し、各学校が適切に同制度を活用できるよう、その条件整備に努めること。
五養護教諭を保健の教科の領域に係る事項の教授を担任する教諭又は講師とするに当たつては、養護教諭の本務や保健室の機能が阻害されることのないよう配慮するとともに、養護教諭の増員及び適正配置についても引き続き検討すること。
政府は、教員免許制度の重要性にかんがみ、次の事項について特段の配慮をすべきである。
一教員養成における「開放制」の原則を堅持し、教員養成系大学を含む教員養成を行っている全ての大学・学部における教員養成に係る諸条件に十分に配慮し、一層の充実に努めること。
二教員養成における大学と学校現場との連携を積極的に推進すること。特に、教育実習への参加を希望する学生は、総てその機会を得ることができるよう、また、充実した実習指導を受けることができるよう、引受け先学校への支援に努めること。また、教員養成の充実のため、学校での教職経験を有する者を大学教授等に積極的に登用することや、大学の教職課程における実践的な教員養成カリキュラムの開発研究を重点的に進めること。
三教員養成大学・学部以外の一般大学・学部における教員養成が、今後も引き続き円滑に実施することができるよう、「教職に関する科目」の単位を卒業単位に算入することを可能とすることや、教職課程における単位互換制度の導入などにより弾力化を図り、また、専任教員基準の緩和を図るなど十分な対応措置を講ずること。
四養護教諭の特例措置の実施に当たっては、養護教諭の本務や保健室の機能が低下することのないように配慮するとともに、保健室の一層の機能充実や養護教諭の適正配置など諸条件の整備充実に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201068)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。