種苗法案
参議院 農林水産委員会
平成10年法律第83号
審議経過
右の数字は会議の発言数提案理由
島村宜伸 農林水産大臣 平成10年4月28日種苗法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。
現行種苗法は、種苗が農林水産物の生産に不可欠な基礎的生産資材であることにかんがみ、種苗流通の適正化と優良な新品種の育成の振興を図るため、指定種苗の表示に関する制度及び品種登録に関する制度を定めたものであります。
中でも、品種登録制度は、我が国も昭和五十七年に締結した植物の新品種の保護に関する国際条約の内容に対応した制度であり、これまで、新品種の出願件数、登録件数ともに増加し、世界的にも高い水準に達するなど、我が国の育種の振興に大きな役割を果たしているところであります。
世界の情勢を見ましても、新品種の育成と育成者の権利の強化は各国共通の重要課題と認識されており、平成三年には、植物の新品種育成者の権利をより適切に保護し、育種の一層の振興を図るため、従来の条約が改正されました。
この改正条約締結の承認案件は今国会に別途提出されておりますが、この条約に対応し、国際的に調和のとれた形で育成者の権利を保護することにより、我が国における育種振興の基盤の強化を図るため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法律案の主要な内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、品種登録制度の対象とする植物の範囲を拡大することであります。現在四百六十七種類の植物を保護の対象として指定しておりますが、この対象を拡大し、栽培される植物について広く保護の対象とすることとしております。
第二に、育成者の権利を強化することであります。育成者の権利を法律上明確に育成者権として規定するとともに、育成者の許諾が必要な行為を、従来の種苗の有償譲渡等の行為から、種苗の生産、譲渡、輸出入等の行為に拡大することとしております。また、登録品種のわずかな特性のみを変化させた品種の利用についても育成者の権利が及ぶこととしております。なお、農業者の行う自家増殖については、一定の場合を除き権利の効力が及ばないこととしております。
第三に、出願公表及び仮保護の制度を導入することであります。品種登録出願があった場合には、その内容を公示して出願公表を行うとともに、出願公表から登録までの間の出願品種等の利用に対し、出願者が警告をしたときは、品種登録後に、補償金を請求することができる仮保護の制度を設けることとしております。
第四に、権利の存続期間を延長することであります。従来、原則として十五年、果樹等の永年性植物については十八年とされていたものを、それぞれ二十年及び二十五年に延長することとしております。
以上のほか、出願料、登録料の改定、品種登録簿の閲覧等に関する規定の新設その他所要の規定を整備することとしております。なお、指定種苗制度については現行制度と同様の規定により、引き続き種苗流通の適正化を図っていくこととしております。
以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第142回国会衆議院農林水産委員会議録第15号14頁(平成10年4月28日)〔島村宜伸農林水産大臣発言・発言番号85〕 会議録 国会会議録検索システム
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201083)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。