組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案
参議院 法務委員会
参議院 法務委員会公聴会
平成11年法律第136号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院法務委員会
- H10.5.8趣旨説明・質疑本会議 3634
- H10.5.13趣旨説明法務委員会 14162
- H10.5.15質疑法務委員会 15264
- H10.5.19質疑法務委員会 16265
- H10.5.22質疑法務委員会 1865
- H11.4.28参考人招致法務委員会 9183
- H11.5.18質疑法務委員会 13109
- H11.5.19質疑法務委員会 14278
- H11.5.21質疑法務委員会 15241
- H11.5.25参考人招致法務委員会 16101
- H11.5.27修正案趣旨説明・質疑・修正案法務委員会 1762
- H11.5.28質疑・附帯決議・採決(修正)法務委員会 1864
- H11.6.1委員長報告・討論・採決(修正)・附帯決議本会議 3445
参議院法務委員会・法務委員会公聴会
- H11.6.9趣旨説明・質疑本会議 2747
- H11.6.10趣旨説明法務委員会 166
- H11.6.29質疑法務委員会 17131
- H11.7.1質疑法務委員会 18431
- H11.7.6質疑法務委員会 19248
- H11.7.13質疑法務委員会 20180
- H11.7.22参考人招致法務委員会 21256
- H11.7.27参考人招致法務委員会 22287
- H11.7.29質疑法務委員会 23397
- H11.8.3質疑法務委員会 24338
- H11.8.4公聴会法務委員会公聴会 1201
- H11.8.6質疑法務委員会 26150
- H11.8.9視察委員報告・質疑・採決法務委員会 2754
- H11.8.12委員長報告・討論・採決本会議 45185
提案理由
下稲葉耕吉 法務大臣 平成10年5月8日組織的な犯罪に対処するための法整備に関する三法案について、一括してその趣旨を御説明いたします。
近年、暴力団等による薬物、銃器等の取引や、これらの組織の不正な権益の獲得等を目的とした各種の犯罪のほか、宗教団体信者による大規模な凶悪事犯、法人組織を利用した詐欺商法等の経済犯罪など、組織的な犯罪が少なからず発生しており、我が国の平穏な市民生活を脅かすとともに、健全な社会、経済の維持発展に悪影響を及ぼす状況にあります。
一方、このような組織的な犯罪の問題については、最近における国際連合の会議や先進国首脳会議等においても最も重要な課題の一つとして継続的に取り上げられており、国際的にも協調した対応が求められ、主要国においては法制度の整備が進んでおります。
そこで、この三法案は、このような状況を踏まえ、これらの犯罪に適切に対処するため、必要な法整備を図ろうとするものであります。
まず、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案の要点を申し上げます。
第一は、組織的な犯罪に関する処罰を強化することであります。
これは、一定の類型に該当する組織的な殺人、詐欺等の処罰を強化するほか、組織的な殺人の予備罪の処罰の強化等に関する規定を設けるものであります。
第二は、いわゆるマネーロンダリングの規制等に関するものであります。
その一は、一定の犯罪行為により得られた犯罪収益等を用いて法人等の事業経営の支配を目的とする行為及びその隠匿等を処罰するほか、その没収及び追徴に関する制度を拡充整備するものであります。
その二は、疑わしい取引の届け出制度の拡充であり、銀行その他の金融機関等に対し、その取引において収受した財産が犯罪収益である疑いがある場合等に、その届け出を義務づける措置等を定めるものであります。
その三は、没収及び追徴に関する国際共助手続を整備するものであります。
次に、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案は、組織的、密行的に行われる殺人、薬物及び銃器の不正取引等の重大な犯罪において、犯人間の連絡等に用いられる電話等の傍受を行わなければ犯人の検挙及び事案の真相解明の目的を達成することが著しく困難な場合が増加する状況に対処するため、犯罪捜査のために強制処分として行う電気通信の傍受に関し、その要件、手続その他必要な事項を定めるものであります。
この法律案の要点を申し上げます。
第一は、通信傍受の要件等についてであります。通信の傍受は、その密行的かつ継続的に行われるものであることにかんがみ、対象とする犯罪を一定の重大な犯罪に限定し、他の方法によっては真相の解明が著しく困難な場合に限るなど、従来の強制処分よりさらに厳密な要件、裁判官に対する令状の請求及びその発付の手続等を定めることとしております。
第二は、傍受の実施に関する手続等についてであります。傍受の実施の適正の確保及び関係者の権利保護を図るため、令状の提示、傍受した通信の記録の取り扱い、通信の当事者に対する通知、不服申し立て等に関する規定を設けることとしております。
第三は、通信の秘密の尊重等についてであります。制度の運用状況を明らかにするため、これを国会に報告すること等を政府に義務づけるものとし、また、通信の秘密の保護の充実を図るため、捜査等の権限を有する公務員がその職務を行うに当たり犯した電気通信事業法等の通信の秘密侵害罪について、いわゆる付審判請求ができるものとしております。
次に、刑事訴訟法の一部を改正する法律案の要点を申し上げます。
第一は、電気通信の傍受に関するものであります。これは、犯罪捜査のために電気通信の傍受を行う強制の処分ができる旨の根拠規定を同法に設けるものであります。
第二は、証人等の保護に関するものであります。証人またはその親族に対して、脅迫、威迫等が行われることがしばしばあり、これに対する不安があることが証人等として刑事手続に協力することをためらわせ、刑事手続の円滑、適正な実施を妨げる一因となっていることから、証人等の身体または財産への加害行為等の防止を図り、証人等の不安を軽減、除去するため、これらの行為が行われるおそれがある場合に、証人等の住居等が特定される事項についての尋問を制限することができること等の措置を定めるものであります。
以上が、これらの法律案の趣旨であります。(拍手)
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組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律案(内閣提出)、犯罪捜査のための通信傍受に関する法律案(内閣提出)及び刑事訴訟法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第142回国会衆議院会議録第36号2頁(平成10年5月8日)〔下稲葉耕吉法務大臣発言・発言番号15〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
両法の施行に当たっては、政府は次の事項について格段の配慮をすべきである。
一専ら盗聴目的で製造されている機器が、全く自由に販売され、私人のプライバシーが侵害されている現状は問題であり、政府は、これらの販売等につき、適正な規制を検討すること。
二政府は、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律の適用に関しては、いやしくも市民団体、労働組合等の正当な活動を阻害することのないよう厳に留意すること。
三政府は、金融機関等による「疑わしい取引の届出」については、個人のプライバシーの保護との調和を図るとともに、金融機関の過度の負担となって金融取引を萎縮させることのないよう、金融機関が容易に判断できるような明確な基準(ガイドライン)の作成に努めること。
四政府は、組織的犯罪対策については、制度的・技術的研究を含めて、国際協力の推進に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114201092)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。