海岸法の一部を改正する法律案
参議院 国土・環境委員会
平成11年法律第54号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院建設委員会
- H11.3.12趣旨説明建設委員会 7157
- H11.4.16質疑・採決・修正案趣旨説明・附帯決議・修正案建設委員会 8290
- H11.4.22委員長報告・採決・附帯決議本会議 2542
参議院国土・環境委員会
- H11.4.27趣旨説明国土・環境委員会 12295
- H11.5.13質疑国土・環境委員会 13221
- H11.5.20質疑・採決・附帯決議国土・環境委員会 14265
- H11.5.21委員長報告・採決・附帯決議本会議 2157
提案理由
関谷勝嗣 建設大臣・国土庁長官 平成11年3月12日ただいま議題となりました海岸法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
国民の生命と財産を守り、経済活動を支援するため、津波、高潮等の被害から海岸を防護することは極めて重要でありますが、あわせて、海岸は、白砂青松に代表されるすぐれた自然景観を有し、多様な動植物が生息、生育し、また国民のさまざまな利用に供される貴重な空間でもあります。このような海岸は、防護、環境、利用の調和のとれた管理を行うことが不可欠でありますが、現行法は防護のみを目的としております。また、海岸管理における地域の意見の反映、国と地方の役割分担の明確化等も求められております。
この法律案は、このような状況にかんがみ、法制定以来約四十年を経て、制度全般にわたる抜本的な見直しを行おうとするものであります。
次に、その要旨を御説明申し上げます。
第一に、海岸法の目的に、「防護」に加えて、「海岸環境の整備と保全」並びに「公衆の海岸の適正な利用」を規定することとしております。
第二に、公共の用に供されている国有の海岸を「公共海岸」と規定し、海岸保全区域以外の公共海岸の区域を対象とする一般公共海岸区域の制度を創設することとしております。
第三に、海岸の保全に関し、主務大臣が海岸保全基本方針を、都道府県知事が海岸保全基本計画をそれぞれ定めることとして、あわせて地域の意見等を反映するための手続を導入することとしております。
第四に、市町村長が海岸の日常的な管理を行うことができる制度を導入することとしております。
第五に、沖ノ鳥島については、国が全額負担の上、直接管理できる制度を創設することとしております。
第六に、海岸の適正な保全のため、海岸の汚損その他の一定の行為の禁止、油濁事故処理等の海岸の維持のために必要な諸制度の導入等を図るとともに、砂浜の保全、回復や海岸環境と利用に配慮した海岸の整備を進めるため、海岸保全施設の定義及び技術上の基準を見直すこととしております。
その他、これらに関連いたしまして、関係規定の整備を行うこととしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
第145回国会衆議院建設委員会議録第7号19頁(平成11年3月12日)〔関谷勝嗣建設大臣発言・発言番号155〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
案文はお手元に配付してありますが、その内容につきましては、既に質疑の過程において十分御承知のところでありますので、この際、案文の朗読をもって趣旨の説明にかえることといたします。海岸法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)政府は、本法の施行に当たっては、次の諸点に留意し、その運用について遺憾なきを期すべきである。
一海岸保全基本方針の策定に当たっては、海岸環境の重要性にかんがみ、環境庁との連携を密にし、その保全に特に努めること。また、海岸保全基本計画の策定に当たっては、地域の実情に即した海岸の管理がなされるよう十分配慮すること。
二関係海岸管理者が、改正後の海岸法第二条の三第五項に規定する海岸保全施設の整備に関する案を作成しようとするときは、関係住民の意見を反映させるため、原則として、あらかじめ公聴会の開催等に努めるよう指導すること。
三離岸堤等の海岸保全施設に係る整備事業の実施に当たっては、海岸環境の保全に配慮しつつ、効果的かつ効率的に行うこと。
四市町村が行う海岸の管理については、当該市町村における適切な管理が確保されるよう努めること。また、海岸環境の保全の観点から影響の大きい油濁の回収、放置船の撤去等についてもその早期解決のため所要の対策を講じるよう配慮すること。
五主務大臣による海岸保全区域の管理に係る海岸の指定については、地方分権の推進に逆行しないよう、改正後の海岸法の規定による要件に即し、必要最小限の海岸に限るものとすること。なお、沖ノ鳥島については国土保全上きわめて重要であることにかんがみ、速やかに指定し、その保全に万全を期すこと。
六海岸環境の整備と保全及び公衆の海岸の適正な利用を図るため、創設された一般公共海岸区域の制度について地方公共団体及び国民への周知徹底を図ること。
七河川等からの土砂が適切に海岸に供給されるよう、総合的な土砂管理対策を強力に推進すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一海岸保全基本方針の策定に当たっては、海岸環境の重要性にかんがみ、環境庁との連携を密にするとともに、海岸に関し高い識見のある者から幅広く意見を聴き、海岸環境の保全に特に努めること。また、海岸保全基本計画の策定に当たっては、地域の実情に即した海岸の管理がなされるよう十分配慮すること。
二離岸堤、人工リーフ等の海岸保全施設に係る整備事業の実施に当たっては、総合的な土砂管理対策が適切に推進されるなかで、海岸・海洋環境の保全に配慮しつつ、効果的かつ効率的に行うこと。
三市町村が行う海岸の管理については、当該市町村における適切な管理が確保されるよう地方交付税等の措置の配慮を含め、その支援に万全を期すこと。
四限られた財源のなかで海岸事業の効果的な実施を図るため、コスト縮減等技術開発に努め、美しく安全でいきいきした海岸の実現を目指し、総合的な視点から海岸事業の充実に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114501024)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。