特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律案
参議院 国土・環境委員会
平成11年法律第86号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院商工委員会・商工委員会環境委員会連合審査会
- H11.3.30趣旨説明・質疑本会議 2022
- H11.4.27趣旨説明商工委員会 11108
- H11.5.14質疑商工委員会環境委員会連合審査会 1245
- H11.5.14参考人招致商工委員会 12112
- H11.5.18質疑商工委員会環境委員会連合審査会 2157
- H11.5.18質疑商工委員会 13104
- H11.5.19質疑商工委員会 1460
- H11.5.21修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決(修正)・修正案商工委員会 1525
- H11.5.21委員長報告・討論・採決(修正)・附帯決議本会議 3228
参議院国土・環境委員会・国土・環境委員会、経済・産業委員会連合審査会
- H11.5.26趣旨説明・質疑本会議 2314
- H11.6.8趣旨説明・衆議院修正部分趣旨説明国土・環境委員会 19269
- H11.6.10参考人招致国土・環境委員会 20104
- H11.6.29質疑国土・環境委員会 21180
- H11.7.1質疑国土・環境委員会、経済・産業委員会連合審査会 1339
- H11.7.6質疑・修正案趣旨説明・討論・附帯決議・採決・修正案国土・環境委員会 22231
- H11.7.7採決・委員長報告・附帯決議本会議 3323
提案理由
与謝野馨 通商産業大臣 平成11年3月30日特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
現代では、日常生活や経済活動に用いられている化学物質が数万種類に及ぶと言われており、近年では、毎年約三百種類の新規の化学物質が開発、販売されております。一方、化学物質の中には、人の健康や動植物の生息などに有害な性状のあるものもあり、特に近年、テトラクロロエチレン、ダイオキシン類等の環境への排出に関する社会的な関心が高まっており、化学物質への対策の強化が政府の急務となっております。
こうした現下の状況に対応するためには、有害性がある化学物質について、環境への排出規制や製造、使用規制を中心とする従来の対策に加え、化学物質の管理の改善を促進するとともに、環境保全の一層の推進を図るための新たな制度の導入が必要であります。
このように、化学物質の管理の改善を促進し、環境保全上の支障を未然に防止するという考え方は、平成八年のOECD勧告等に見られるように、国際的にも共通の認識となり、主要先進国で実施され始めていることから、我が国としても、国際的協調の動向に配慮しつつ、施策を進めることが必要となっております。
そのため、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進を図ることを内容とする本法律案を提案した次第であります。
次に、法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、この法律は、事業者による化学物質の自主的な管理の改善を促進し、環境の保全上の支障の未然防止を図ることを目的とするとともに、国が定める化学物質管理指針に留意して、特定の化学物質の取り扱い等に係る管理を行うこと等を事業者の責務とし、国及び地方公共団体は、事業者に対する技術的助言、必要な人材の育成等の措置を講ずることとしております。
第二に、事業者にその事業活動に伴う特定の化学物質の排出量の把握等及び国への届け出を義務づけるとともに、国は、その届け出られた事項について集計し、集計結果を公表することとしております。さらに、個別事業所の排出量等の情報につきましても、営業秘密を確保しつつ、国民の請求に応じて開示することとしております。
また、届け出義務を課されない中小の事業者、家庭等からの排出量につきましては、国が当該排出量を算出、集計し、その集計結果を事業者から届け出られた排出量等とあわせて公表することとしております。
第三に、事業者は、特定の化学物質等を譲渡し、または提供する場合、その相手方に対して、当該化学物質等の性状及び取り扱いに関する情報を提供しなければならないこととしております。
このほか、国による調査の実施、必要な罰則等に関し、所要の規定を設けることとしております。
以上が、本法律案の趣旨であります。(拍手)
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特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第145回国会衆議院会議録第20号4頁(平成11年3月30日)〔与謝野馨通商産業大臣発言・発言番号10〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、化学物質による環境等への支障を未然に防止することの重要性を十分認識し、我が国におけるPRTR制度及びMSDS制度の実効性を最大限に確保するため、特に次の諸点について、適切な措置を講ずべきである。
一事業者の自主的取組みを促進するため、地方公共団体との連携強化により、事業者等に対する技術的な指導助言並びに人材育成等に努めるとともに、啓発・広報活動を積極的に進めること。なお、本制度における地方公共団体の果たす役割の重要性にかんがみ、地方公共団体との連携のあり方についても引き続き検討を進めること。
二対象物質の政令指定に当たっては、科学的知見を踏まえた専門的な検討を行い、幅広く関係者からの意見を聴取する機会を設けるとともに、国際的整合性の確保に十分留意すること。なお、内分泌攪乱物質、いわゆる環境ホルモンの取扱いについては、人の健康及び生態系への重大な影響を与える可能性にかんがみ、内外の動向等を踏まえて迅速かつ適切に対処すること。
三化学物質の排出量等に関する集計結果の公表に当たっては、必要な情報が国民に分かり易く、利用しやすく、又、等しく提供されるものとなるよう配慮するとともに、インターネット等を含めた情報提供手段の幅広い活用とその利用促進に努めること。また、開示請求に係る手数料については、開示の方法に応じ、利便性が高く負担がかからない金額とすること。
四営業秘密の審査に当たっては、法律の趣旨に照らし、厳格かつ公正に行うこと。
五本制度の検証については、運用状況を勘案しつつ、対処すべき事項についての整理を行うとともに、実効性を高める観点から積極的な検討を加え、制度の必要な整備・改善に機動的に取り組むこと。
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。
一本法における都道府県の果たす役割の重要性にかんがみ、都道府県との連携を強化し、届出・受付事務が円滑かつ的確に行われるよう体制整備を図り、技術的な指導助言を行うとともに、人材の育成等が図られるよう支援すること。
二対象物質の選定に当たっては、内分泌攪乱作用など化学物質排出の環境への影響を未然に防止するという衆議院修正の趣旨を十分に踏まえるとともに、広く関係者からの意見を聴取する機会を設けるなどOECD原則に沿った方法とすること。
三化学物質排出の環境への影響を未然に防止する観点から、排出量等を適切に把握できるよう届出対象事業者等の種類、範囲を定めること。特に、有害性の強い指定化学物質については、含有率や取扱量の下限を小さくするよう配慮すること。
四非点源からの排出量を的確に把握するため、基礎となる資料について関係省庁、事業者団体等の積極的な協力を求めるとともに、移動体の種類ごとの内訳がわかるように推計量を算出するよう努めること。また、推計の資料、推計式などを都道府県に提供するとともに公開し、地方公共団体等による化学物質環境汚染対策に資すること。
五営業秘密の審査に当たっては、諸外国の実情を勘案し、厳格かつ公正に行うとともに、環境庁長官又は都道府県の説明要求に対しては、事業を所管する主務大臣は十分納得できる説明を行うこと。
六情報の共有が本制度運用の前提となるため、特に大量に請求する場合を中心に手数料をできる限り低廉なものとするとともに、利用者の利便性を勘案したインターネットの利用など幅広い情報提供手段を活用すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114501088)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。