不正アクセス行為の禁止等に関する法律案
参議院 地方行政・警察委員会
平成11年法律第128号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院地方行政委員会・地方行政委員会逓信委員会連合審査会
- H11.6.11趣旨説明地方行政委員会 2025
- H11.6.24質疑地方行政委員会 21104
- H11.6.25質疑地方行政委員会逓信委員会連合審査会 181
- H11.6.25採決・附帯決議地方行政委員会 2212
- H11.6.29委員長報告・採決・附帯決議本会議 4141
参議院地方行政・警察委員会
- H11.8.5趣旨説明地方行政・警察委員会 18237
- H11.8.6質疑・採決・附帯決議地方行政・警察委員会 19142
- H11.8.6採決・委員長報告・附帯決議本会議 4246
提案理由
野田毅 自治大臣・国家公安委員会委員長 平成11年6月11日ただいま議題となりました不正アクセス行為の禁止等に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概略を御説明いたします。
近年の情報通信分野における技術の発達とサービスの多様化、高度化に伴い、著しいスピードで我が国の経済、社会の諸分野におけるネットワーク化が進展しており、コンピューターネットワークがますます社会の基盤としての役割を果たすようになっております。一方で、情報通信技術を悪用したハイテク犯罪も年々増加しており、主要国首脳会議等の国際会議においても、ハイテク犯罪に国際的に協調して対処するための方策について議論されているところであります。
しかしながら、このようなハイテク犯罪を助長するとともに、ネットワークの秩序を乱し、ひいては高度情報通信社会の健全な発展を阻害することとなる不正アクセス行為について、我が国においては、いまだこれを禁止、処罰する法整備が行われていない状況にあります。
そこで、この法律案は、このような状況を踏まえ、電気通信回線を通じて行われる電子計算機に係る犯罪の防止及びアクセス制御機能により実現される電気通信に関する秩序の維持を図るため、不正アクセス行為を禁止するとともに、これについての罰則及びその再発防止のための都道府県公安委員会による援助措置等を定めることを内容としております。
以下、各項目ごとにその概要を御説明いたします。
第一は、不正アクセス行為の禁止、処罰についてであります。
これは、特定電子計算機、すなわち電気通信回線に接続している電子計算機のうち、アクセス制御機能によりその利用を制限されているものに、電気通信回線を通じて他人の識別符号等を入力して作動させ、その制限されている利用をし得る状態にさせる行為を不正アクセス行為とし、これを禁止、処罰するものであります。
第二は、不正アクセス行為を助長する行為の禁止、処罰についてであります。
これは、他人の識別符号を無断で第三者に提供する行為を禁止、処罰するものであります。
第三は、アクセス管理者による防御措置についてであります。
これは、アクセス管理者は、識別符号等の適正な管理に努めるとともに、特定電子計算機を不正アクセス行為から防御するため必要な措置を講ずるよう努めるものとするものであります。
第四は、都道府県公安委員会による援助等についてであります。
その一は、都道府県公安委員会は、不正アクセス行為に係るアクセス管理者に対し、その申し出に基づき、再発防止のための援助を行うものとするものであります。
その二は、国家公安委員会、通商産業大臣及び郵政大臣は、毎年少なくとも一回、不正アクセス行為の発生状況等を公表するものとするほか、国は、不正アクセス行為からの防御に関する啓発及び知識の普及に努めなければならないこととするものであります。
なお、この法律の施行日は、一部を除き、公布の日から起算して六月を経過した日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概略であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
第145回国会衆議院地方行政委員会議録第20号4頁(平成11年6月11日)〔野田毅自治大臣発言・発言番号23〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について善処すべきである。
一不正アクセス行為は、コンピュータ・ネットワーク上の行為であり、一般の犯罪類型と異なる側面を有するところ、本法の施行に当たっては、国民に対し犯罪構成要件の周知徹底を図ること。
二ネットワーク・セキュリティ対策の促進及び充実を図るため、関係機関、団体等と連携・協力し、不正アクセス行為からの防御等に関する技術の研究開発に努めるとともに、ユーザ及びアクセス管理者等に対するセキュリティ対策に関する情報の提供及び啓発活動の推進に努めること。
三不正アクセス行為の防御に対する効果的な対策に資するため、関係機関、団体等と連携・協力し、不正アクセス行為に係る相談窓口の充実強化に努めること。
四不正アクセス行為の再発防止の援助申出の際提出することとされる「参考となるべき事項に関する書類その他の物件」に係るプライバシー情報等については、事例分析後は速やかに返還・消去・廃棄等の処分がなされるものであること。また、援助と犯罪捜査は別個の手続によるべきものであり、混同されないよう配慮すること。
五不正アクセス行為を含むハイテク犯罪の対策を推進するに当たっては、諸外国の動向及び諸外国との整合性に十分配慮すること。
政府は、本法施行に当たり、左記の事項について、善処すべきである。
一不正アクセス行為は、コンピュータ・ネットワーク上の行為であり、一般の犯罪類型と異なる側面を有することから、本法の施行に当たっては、国民に対し犯罪構成要件の周知徹底を図ること。
二ネットワーク・セキュリティ対策の促進及び充実を図るため、関係機関、団体等と緊密に連携・協力し、不正アクセス行為からの防御等に関する技術の研究開発に努めるとともに、不正アクセス行為に係る相談窓口の充実・強化を図ること。また、ユーザ及びアクセス管理者等に対するセキュリティ対策に関する情報の提供及び啓発活動を積極的に行うこと。
三不正アクセス行為の再発防止の援助申出の際提出することとされる「参考となるべき事項に関する書類その他の物件」に係るプライバシー情報等については、事例分析後は、速やかに返還・消去・廃棄等の処分を行うこと。また、援助と犯罪捜査は別個の手続によるべきものであり、混同かつ職権濫用がないよう、特段に配慮すること。
四不正アクセス行為を含むハイテク犯罪の対策を推進するに当たっては、諸外国の動向及び諸外国との整合性に配慮しつつ、情報通信分野におけるプライバシー保護についても十分配意すること。
五通信履歴(ログ)については、憲法に保障されている通信の秘密の趣旨をそこなうことがないよう、今後とも慎重に扱うこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114501094)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。