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衆法第146回国会 第11号成立

動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律案

平成11年法律第221号 動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律
提出平成11年12月7日 内閣委員長
付託衆議院 内閣委員会
参議院 国土・環境委員会
成立
平成11年法律第221号
審議会議 4回・発言 54(政府答弁等 2)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院内閣委員会

  1. H11.12.7法律案起草内閣委員会 3139
  2. H11.12.9委員長報告・採決本会議 924

参議院国土・環境委員会

  1. H11.12.14趣旨説明・採決・附帯決議国土・環境委員会 521
  2. H11.12.14採決・委員長報告・附帯決議本会議 1432

提案理由

植竹繁雄 議員(発議者) 平成11年12月14日

ただいま議題となりました動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。

 御承知のように、我が国における動物の保護及び管理につきましては、昭和四十八年に動物の保護及び管理に関する法律が制定され、これに基づき所要の措置が講じられてきたところでありますが、法制定から三十年近くたった現在、動物、特に犬や猫などのペットを、単なる愛玩動物ではなく、家族の一員、人生のパートナーとして扱う人がふえてきております。その一方で、無責任な飼い主によるペットの遺棄、不適切な飼養、あるいは小動物に対する虐待等が後を絶たず、これが社会問題となるに至っております。また、動物の保管・管理に適正を欠くため、動物による人への被害も、減少傾向にはあるものの、いまだに年間七千件ほど発生するに至っております。

 このような現状にかんがみ、動物の保護及び管理に関する規定が所有者または占有者の努力義務規定にとどまっている現行法では動物の十分な保護及び管理ができなくなってきており、これを抜本的に改善する措置を講ずることが急務であると考え、ここに動物の保護及び管理に関する法律の一部を改正する法律案を提出した次第であります。

 次に、本案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 第一に、法律の題名を動物の愛護及び管理に関する法律に改めることとしております。

 第二に、動物の所有者または占有者は、命あるものである動物の所有者等としての責任を十分に自覚して、その動物を適正に飼養しまたは保管することにより動物の健康及び安全を保持するように努めなければならないこととしております。

 第三に、動物販売業者は、販売に係る動物の購入者に対し、動物の適正な飼養または保管の方法について必要な説明を行い、理解させるように努めなければならないこととしております。

 第四に、畜産農業に係るもの等を除く哺乳類、鳥類または爬虫類の飼養施設を設置して動物取扱業を営もうとする者は、飼養施設を設置する事業所ごとに氏名または名称及び住所等を都道府県知事等に届け出なければならないこととしております。

 第五に、動物取扱業者は、動物の健康及び安全を保持するために、飼養施設の構造、その取り扱う動物の管理の方法等に関し総理府令で定める基準を遵守しなければならないこととしております。

 第六に、都道府県知事等は、動物取扱業者が基準を遵守していないと認めるときは改善勧告を行い、それに従わないときは改善を命ずることができることとしております。また、動物取扱業者に対し飼養施設の状況等に関し報告を求め、または都道府県等の職員に飼養施設を設置する事業所等に立入検査をさせることができることとしております。

 第七に、都道府県知事等は、多数の動物の飼養または保管に起因して周辺の生活環境が損なわれている事態が生じていると認めるときは、その事態を生じさせている者に対し事態除去のために必要な措置をとる勧告を行い、必要な措置をとらなかった場合において、特に必要があると認めるときは勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができることとしております。

 第八に、地方公共団体は、条例で定めるところにより動物の所有者等の飼養施設に立入調査させる措置等を講ずることができることとするとともに、立入検査または立入調査その他の動物の愛護及び管理に関する事務を行わせるため、動物愛護担当職員を置くことができることとしております。

 第九に、都道府県知事等は、地域における犬、猫等の動物の愛護の推進に熱意と識見を有する者のうちから動物愛護推進員を委嘱することができることとしております。

 第十に、愛護動物をみだりに殺しまたは傷つけた者は、一年以下の懲役または百万円以下の罰金に処する等罰則を強化することとしております。また、愛護動物として爬虫類に属するものを追加することとしております。

 なお、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 本案は、衆議院内閣委員会において全会一致をもって委員会提出法律案とすることに決したものであります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

第146回国会参議院国土・環境委員会会議録第5号1頁(平成11年12月14日)〔植竹繁雄議員発言・発言番号5〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

参議院 国土・環境委員会平成11年12月14日

政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。

一動物の愛護を推進するためには、規制の強化と合わせて、国民の動物愛護意識の向上、強化を図ることが肝要である。そのため、動物愛護週間を活用するなどにより、国民の動物愛護意識の一層の向上を図るとともに、市民、動物愛護団体等の創意工夫による動物愛護活動を取り入れた国民レベルの動物愛護運動の高揚を図ること。

二高齢社会におけるペットの伴侶動物としての重要性が高まる一方、特に、年少者による動物虐待の事例が社会的な関心を呼んだことにかんがみ、動物が命あるものであることを踏まえ、野生動物の保護を含め人と動物の共生を前提とした適正な扱い方について、特に、幼児教育・学校教育等において適切な措置がとられるよう努めること。

三飼い主が所有権を放棄した犬及びねこ以外の愛護動物や虐待を受け保護が必要な動物については、第二十一条の「動物愛護推進員」の活動として新たな飼い主や引取り先の斡旋が行われることが想定されるところである。都道府県等は、第二十二条の「協議会」の構成員として、この動物愛護推進員の活動を支援していくことが法律上望まれているところであり、このような都道府県等の活動に対する国としての支援について検討し適切に措置すること。

四学校や福祉施設などにおける動物の適正な飼養については、その近時における重要性の高まりを踏まえ、獣医師等による指導の実施などそのあり方について検討を行い、関係行政機関が適切に連携しつつ、第五条第四項の内閣総理大臣が定める基準の中に盛り込むなどの措置を行うこと。

五飼い主責任の意識の高まりを踏まえつつ、公園等公共施設の利用のあり方についても検討を行うこと。

六犬及びねこの引取りについては、飼い主の終生飼養の責務に反し、やむを得ない事態としての所有権の放棄に伴う緊急避難措置として位置付けられるものであり、今後の飼い主責任の徹底につれて減少していくべきものであるとの観点に立って、引取りのあり方等につき、更なる検討を行うこと。

七日本の伝統芸能に係る三味線等の製造に支障をきたさないよう、伝統文化の保護の行政とも連携して、都道府県等に引き取られ殺処分に付されている犬及びねこの活用などにおいて適切な配慮がなされるよう措置すること。

八ペットの放置・遺棄による在来種への圧迫をはじめとした外来種・移入種による地域の生態系への影響や人への危険を防止する観点から、動物の飼養及び保管のあり方など外来種・移入種に関する対策を検討し適切に措置すること。

九国、地方公共団体を通じて本法の適切な施行・運用のための体制の整備・充実を図ること。

十附則第二条に基づき検討を行うに当たっては、次の事項について、適切に措置すること。 1 動物取扱業者の届出制については、その実施状況を調査し、問題の発生の有無等によりその有効性を評価するとともに、東京都の登録制の条例制定など先進的な取組を踏まえ、優良業者の育成、消費者保護等の観点も加味した登録制などの措置について、実施可能性も含め検討を行うこと。 2 規制対象となる取扱業の範囲についても、問題発生の状況や、東京都などにおける条例の見直しの状況などを踏まえ、検討を行うこと。 3 規制に営業(業務)停止に係る命令等の措置を加えることについては、問題発生の実態等を踏まえ、その必要性や有効性を含め検討を行うこと。 4 罰則の対象となる虐待の定義等については、本法に基づく摘発や立件等の状況を踏まえ、見直しの必要性も含め検討を行うこと。 5 愛護動物の範囲については、本法で爬虫類を追加したところであるが、熱帯魚などが観賞用として増加していることなども踏まえ、今後の問題の発生状況等必要に応じてその見直し等につき検討を行うこと。 6 今回の改正案に盛り込まれていない事項(動物の取扱や情報公開等)についても、地方公共団体等における各種の取組等を踏まえ、動物の適正な飼養の推進の観点から検討を行うこと。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114602011)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。