技術士法の一部を改正する法律案
参議院 文教・科学委員会
平成12年法律第48号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院科学技術委員会
- H12.3.14趣旨説明科学技術委員会 2252
- H12.3.29質疑・採決・附帯決議科学技術委員会 3137
- H12.3.30採決・委員長報告・附帯決議本会議 1729
提案理由
中曽根弘文 文部大臣・科学技術庁長官 平成12年3月14日技術士法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明いたします。
近年、国際的な経済活動の活発化に伴い、技術者の国境を越えた活動を促進する必要性が増大しております。このような状況に対応するため、欧米先進国を中心に技術者資格を相互に承認する動きが具体化しているところですが、アジア太平洋経済協力においても、域内での技術者資格の相互承認に向けた基本的な枠組みが合意され、現在、詳細な検討が進められております。また、科学技術創造立国を目指す我が国としては、技術基盤の強化及び技術革新による国際競争力強化等を図るため、これを支える技術者の育成、確保が重要な課題となっております。
一方で、現代社会は技術に多くを依存し、技術が社会に及ぼす影響がますます大きくなっていることにかんがみ、技術に携わる者が公共の安全、環境の保全等の公益の確保を図るべきことが強く求められております。
本法律案は、技術者をめぐるこのような現状を踏まえ、高等の専門的応用能力をもって我が国の科学技術の向上等に資することが期待されている技術士の制度について、国際的な整合性の確保、良質の技術士の一層の育成等を図ることを目的として、外国との相互承認に備え、一定の外国の技術者資格を有する者を技術士として認めることとするとともに、試験制度の改善等を図り、さらに、技術士等が技術に携わる者として果たすべき責務について新たに規定するものであります。
次に、本法律案の要旨を御説明いたします。
第一に、技術士制度について、外国との相互承認に対応するための規定の整備であります。
アジア太平洋経済協力域内における国際的な技術者資格の相互承認の枠組み等に対応するため、一定の外国の技術者資格を有する者を技術士として認めることができることとしております。
第二に、試験制度の改善等に関する規定の整備であります。
技術の高度化や総合化等に適切に対応できる技術士を確保するため、第一次試験において、新たに科学技術全般にわたる基礎的学識及び技術に携わる者として果たすべき公益に対する責務等に関する理解について確認するとともに、技術士を目指す者が必ずこうした基礎的学識等を習得しているよう、第二次試験の受験資格として、原則として第一次試験の受験を課すこととしております。
また、より多くの若手の優秀な人材が技術士を目指すよう、一定の大学等の課程を修了した者については、第一次試験の受験を免除し、技術士補となる資格を有するものとして扱うこととしております。
さらに、より多くの技術者が第二次試験の受験の機会を持つことができるよう、第二次試験の受験要件として、技術士補として技術士を一定期間補助した場合等に加えて、新たに、優秀な指導者による監督のもとで科学技術に関する専門的応用能力を必要とする業務に一定期間従事した場合を認めることとしております。
これらの措置に加え、試験制度の改善に向けた所要の規定を整備することとしております。
第三に、技術士等が技術に携わる者として果たすべき責務に関する規定等を新たに追加することとしております。
まず、技術士及び技術士補について、その業務を行うに当たって、公共の安全や環境の保全等の公益を害することのないよう努めるべき責務を規定することとしております。
また、技術士について、継続的にその知識及び技能の水準の向上を図るなど、技術士としての資質の向上に努めるべき責務を規定するとともに、関連する所要の規定を整備することとしております。
以上が本法律案の提案理由及び要旨であります。
何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願い申し上げます。
第147回国会衆議院科学技術委員会議録第2号30頁(平成12年3月14日)〔中曽根弘文文部大臣発言・発言番号250〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に際し、技術士の制度についての国際的な整合性の確保を図るとともに、良質の技術士の一層の育成を図ることの必要性及び技術士制度の一層の普及の重要性を認識し、次の事項に関して特に配慮すべきである。
一アジア太平洋経済協力(APEC)加盟諸国との相互承認に当たっては、各国における資格附与の基準に整合性が図られるよう十分留意すること。
一欧米諸国との相互承認に当たっては、我が国の技術士数が、欧米諸国の有資格者数に比較して著しく少ない現状に鑑み、我が国が不利益を被ることのないよう配慮すること。
一技術士等が公益確保の責務を十分果たすよう、試験、継続教育、日本技術士会が行う研修等あらゆる機会を活用して、その徹底に万全を期すよう努めること。
一技術士制度の一層の普及拡大を図るため、技術士試験第一次試験の一部の試験が免除される国家資格として、専門高校、専修学校等に関連する資格の数を増やすよう努めること。
一技術士制度について、我が国の技術活動全般にわたって活用され、技術基盤の強化が図られるよう、産業界の協力を得つつ普及拡大に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=114701064)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。