犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正する法律案
参議院 内閣委員会
平成13年法律第30号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院内閣委員会
- H13.3.15趣旨説明内閣委員会 46
- H13.3.16質疑内閣委員会 5216
- H13.3.21質疑・採決・附帯決議内閣委員会 6125
- H13.3.22採決・委員長報告・附帯決議本会議 1543
参議院内閣委員会
- H13.4.2趣旨説明・質疑本会議 1518
- H13.4.3趣旨説明内閣委員会 68
- H13.4.5参考人招致・質疑・附帯決議・採決内閣委員会 7184
- H13.4.6委員長報告・採決・附帯決議本会議 1733
提案理由
伊吹文明 国家公安委員会委員長・防災担当大臣 平成13年3月15日ただいま議題となりました犯罪被害者等給付金支給法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
犯罪被害給付制度は、故意の犯罪行為により不慮の死亡または重障害という重大な被害を受けたにもかかわらず、何らの公的救済も得られない被害者またはその遺族に対して、国が一定の給付金を支給するものであり、昭和五十六年一月一日に施行されて以来、これまでに約四千五百名の方に対して約百六億円の給付金が支給されるなど、被害者及びその遺族の被害の軽減に重要な役割を果たしてきたところであります。
しかしながら、地下鉄サリン事件等の無差別殺傷事件の発生等を契機に、被害者の置かれた悲惨な状況が広く認識されるに伴い、犯罪被害給付制度の拡充を初めとして、被害者に対する支援を求める社会的な機運が急速な高まりを見せております。
この法律案は、このような状況を踏まえ、犯罪被害給付制度の拡充を図るとともに、被害者に対する援助の措置に関する規定の整備を行うこと等をその内容としております。
以下、各項目ごとに、その概要を御説明いたします。
第一は、法律の題名及び目的の改正についてであります。
現行の法律は、犯罪被害者等給付金の支給について規定しておりますが、今回新たに被害者に対する援助の措置等に関する規定を整備することとしているため、法律の題名を犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律に改め、あわせて趣旨規定を目的規定に改正するものであります。
第二は、犯罪被害給付制度の拡充に関する規定の整備についてであります。
その一は、犯罪被害者等給付金として、一定の重大な傷病を負った被害者に対して、一定の期間を限度とした医療費の自己負担部分に相当する額を支給する重傷病給付金を新たに設けるとともに、遺族給付金についても、同等の被害者負担額を合わせて支給することとするものであります。
その二は、障害給付金の支給対象となる障害の範囲を拡大するための規定を整備するものであります。
第三は、警察本部長等の援助の措置に関する規定の整備についてであります。
これは、警視総監もしくは道府県警察本部長または警察署長は、犯罪被害等の早期の軽減に資するための措置として、情報の提供、警察職員の派遣等の援助を行うよう努めなければならないこと、国家公安委員会は、警察本部長等がとるべき措置に関して、適切かつ有効な実施を図るための指針を定めることとするものであります。
第四は、犯罪被害者等早期援助団体に関する規定の整備についてであります。
その一は、都道府県公安委員会は、営利を目的としない法人であって、犯罪被害等の早期の軽減に資するため被害者等を援助する事業を適正かつ確実に行うことができると認められるものを、犯罪被害者等早期援助団体として指定することができることとするものであります。
その二は、犯罪被害者等早期援助団体の事業として、被害者等に対する援助の必要性に関する広報啓発活動を行うこと、犯罪被害等に関する相談に応ずること等を定めるものであります。
その三は、警察本部長等は、犯罪被害者等早期援助団体に対し、被害者等の同意を得て、当該被害者等の氏名及び住所その他当該犯罪被害の概要に関する情報を提供することができることとするものであります。
その四は、犯罪被害者等早期援助団体の役員等の秘密保持義務等について定めるものであります。
なお、この法律の施行日は、犯罪被害給付制度の拡充に関する規定の整備については平成十三年七月一日、被害者等に対する援助の措置等に関する規定については平成十四年四月一日としております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同賜らんことをお願いいたします。
第151回国会衆議院内閣委員会議録第4号1頁(平成13年3月15日)〔伊吹文明国家公安委員会委員長発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たっては、次の事項に配慮すべきである。
一重傷病給付金の創設等を始めとする今回の改正内容を踏まえた犯罪被害給付制度等全般について、国民への周知徹底を図ること。
一過失による犯罪被害や外国における邦人間の犯罪被害等に係る犯罪被害給付制度の適用については、今後引き続き注視していくこと。
一親族間の犯罪に係る支給制限については、深刻化するDV(ドメスティック・バイオレンス)等の現状及びこれに対する世論の動向を踏まえつつ、今後慎重にその在り方について検討を行うこと。
一犯罪被害に係る民間援助団体への被害者に係る情報提供に当たっては、プライバシーの保護に十分留意すること。
一犯罪被害者等に対する施策のさらなる充実のため、関係行政機関、民間援助団体等による総合的支援体制の推進に努めること。
一犯罪被害者等の福祉の増進を図る観点から、諸外国における例も参考にしつつ、犯罪被害者等に対するさらなる施策の充実について検討を行うこと。本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通して既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。よろしく御賛同くださいますようお願い申し上げます。
政府は、本法律の施行に当たり、次の事項に配慮すべきである。
一重傷病給付金の創設等を始めとする今回の改正内容を踏まえた犯罪被害給付制度等全般について、国民への周知徹底を図ること。
二外国における邦人間の犯罪被害等に係る犯罪被害給付制度の適用については、今後引き続き注視していくこと。
三親族間の犯罪に係る支給制限については、深刻化するDV(ドメスティック・バイオレンス)等の現状及びこれに対する世論の動向を踏まえつつ、今後その在り方について検討を行うこと。
四精神的な障害、特にPTSD(心的外傷後ストレス障害)については、その症状の重大さにかんがみ、他の災害補償制度との均衡及び医療実務の動向に配意しつつ、障害等級への適用を適切に行うよう努めること。
五犯罪被害者等早期援助団体への被害者等に係る情報の提供に当たっては、被害者等のプライバシーの保護に十分留意すること。
六犯罪被害者等の福祉の増進を図る観点から、諸外国における例も参考にしつつ、犯罪被害者等に対するさらなる施策の充実について検討を行うとともに、警察を始め、関係行政機関、民間援助団体等による総合的支援体制の推進に努めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115101014)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。