沖縄振興特別措置法案
参議院 沖縄及び北方問題に関する特別委員会
平成14年法律第14号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会
- H14.3.15趣旨説明沖縄及び北方問題に関する特別委員会 46
- H14.3.18質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 5386
- H14.3.19質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 6274
- H14.3.20質疑・採決・附帯決議沖縄及び北方問題に関する特別委員会 7116
- H14.3.22採決・委員長報告・附帯決議本会議 1528
参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会
- H14.3.22趣旨説明沖縄及び北方問題に関する特別委員会 494
- H14.3.25質疑沖縄及び北方問題に関する特別委員会 5194
- H14.3.28参考人招致沖縄及び北方問題に関する特別委員会 657
- H14.3.29質疑・採決・附帯決議沖縄及び北方問題に関する特別委員会 7244
- H14.3.29委員長報告・採決・附帯決議本会議 1374
提案理由
尾身幸次 沖縄及び北方対策担当大臣・科学技術政策担当大臣 平成14年3月15日沖縄振興特別措置法案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
本年は、沖縄の本土復帰三十周年に当たり、新たな沖縄の振興に向けた取り組みの出発点となる歴史的な節目の年であります。自立型経済の構築が課題となっている中で、沖縄の特性を生かした産業の振興、沖縄の長期的発展の基盤ともなるべき人材の育成等に重点を置くとともに、世界的視野に立脚した科学技術の振興や国際化の推進等新たな分野を加え、今後の沖縄の発展の新しい制度的基盤ともいうべき本法律案の策定作業を進め、ここに本法律案を提出申し上げる次第であります。
次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一は、沖縄振興計画の策定であります。
この計画は、内閣総理大臣が沖縄県知事の作成した案に基づき決定するものとし、産業の振興、職業の安定、教育及び文化の振興、科学技術の振興、福祉の増進等に関する事項のほか、圏域別の振興に関する事項について定めることといたします。
第二は、産業振興のための特別措置であります。
沖縄の基幹産業である観光の振興のために、観光振興計画の策定を初め、観光の利便性の増進、観光振興地域における施設の整備、環境保全型自然体験活動の推進、沖縄の観光振興のための免税、本土—沖縄路線に係る航空機燃料税の軽減措置等を講ずることといたします。
また、新たな沖縄の基幹産業と期待される情報通信産業の振興のために、情報通信産業振興計画の策定を初め、情報通信産業振興地域制度の拡充、情報通信産業の集積の新たな牽引力となる情報通信産業特別地区の創設を行うことといたします。
さらに、沖縄の製造業等その他の事業の高度化のために、産業高度化地域制度の創設、自由貿易地域及び特別自由貿易地域制度の拡充を図ることといたします。
これらの措置に加え、銀行業、証券業等の金融業務の集積を図るための金融業務特別地区の創設、農林水産業の振興のための措置、電気の安定的かつ適正な供給の確保のための措置を講ずることといたします。
また、沖縄の中小企業の振興のために、中小企業経営革新支援法の特例等の措置を講ずるとともに、沖縄振興開発金融公庫の行う新事業創出促進業務等について必要な規定を設けております。
第三は、雇用の促進、人材の育成その他の職業の安定のための特別措置であります。
沖縄の厳しい雇用情勢の改善に資するため、職業安定計画の策定を初め、地域雇用開発促進法に基づく地域の要件を沖縄において緩和する等の措置を新たに講ずるとともに、沖縄失業者求職手帳の発給、雇用・能力開発機構による失業者の再就職の促進等の措置を引き続き講ずることといたします。
第四は、文化、科学技術の振興及び国際協力等の推進であります。
沖縄固有の文化的所産の保存及び活用等文化の振興に関する施策の推進を図るほか、沖縄における科学技術の振興を図るため、研究開発の推進等必要な措置を講ずるとともに、国際的に卓越した教育研究を行う大学院を置く大学その他の教育研究機関の整備、充実等必要な措置を講ずることにより、国際的視点に立った科学技術の水準の向上に努めるものとしております。その他、国際協力及び国際交流の推進のため、必要な措置を講ずることといたします。
第五は、沖縄の均衡ある発展のための特別措置であります。
沖縄における離島等の地域の振興を図るため、無医地区における医療の確保、離島における高齢者の福祉の増進、交通の確保、離島の小規模校における教育の充実、離島の旅館業に係る課税の特例等の措置を講ずることといたします。
第六は、駐留軍用地跡地の利用の促進及び円滑化のための特別措置であります。
沖縄における駐留軍用地跡地の利用に関する基本原則を明らかにすることとし、大規模振興拠点駐留軍用地跡地及び特定振興駐留軍用地跡地の指定等の手続を定めるとともに、大規模跡地給付金及び特定跡地給付金の支給の措置を講ずることといたします。
第七は、沖縄振興の基盤の整備のための特別措置であります。
沖縄における社会資本の整備のために、沖縄振興計画に基づく事業について、国の負担及び補助の割合の特例等の措置を講ずることといたします。
第八に、沖縄振興審議会を設置することとし、その権限等について、必要な規定を設けております。
以上のほか、附則において、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律に規定する酒税等に関する特例を五年間延長するとともに、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律について、本法律案の期限である平成二十四年三月三十一日限り特定の規定を除いてその効力を失う等の措置を講ずることといたします。
本法律案を新たな時代における沖縄の振興に関する確固たる指針とし、沖縄の自立的発展及び沖縄の豊かな住民生活の実現のために実効あるものとなることを期するものであります。
以上が、この法律案の提案理由及び概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
第154回国会衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会議録第4号1頁(平成14年3月15日)〔尾身幸次沖縄及び北方対策担当大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に留意し、今後の沖縄振興の推進に遺漏なきを期するべきである。
一広大な米軍基地の存在等、沖縄を取りまく経済社会情勢にかんがみ、県民が安心して安全に暮らせることが肝要であり、米兵犯罪の根絶に努めるとともに、日米地位協定の見直しの検討をも含め、今後とも沖縄の負担軽減に全力を尽くしていくこと。
二沖縄の自立を進めるため各地域制度等において、沖縄県が自主的に取組むことが出来るように努めるとともに、国の責任ある支援策を強化すること。
三増大する水需要に対処し、水の安定供給を確保するため、多角的な水資源の開発を促進するとともに、環境に配慮しつつ、水の有効利用に努めること。
四深刻化する交通渋滞を解消するため、引き続き総合的な交通体系の整備を図ること。
五米軍施設・区域の整理縮小に引き続き取組み、その早期返還に努めるとともに、返還にあたっては環境に留意するよう求めていくこと。
六新たな沖縄の基幹産業と期待される情報通信産業の今後の一層の集積及び発展のため、沖縄県内で同分野に積極的に取組んでいる沖縄の電気通信事業者の電気通信事業法に基づく支配的事業者への指定については、沖縄の特殊事情に配慮することとし、差し控えること。
七依然として厳しい雇用情勢に対処するため、産業の振興を強力に推進するとともに、沖縄の実情に応じた雇用対策を積極的に推進し、教育・福祉分野への取組みを強化すること。
八地元からの強い要請のある戦後処理等の諸問題について改善を検討すること。
九赤土流出等沖縄に固有の環境問題に対して重点的な取組みを行うこと。
十事業評価を進め、結果を公表するとともに、その手法を新法の振興計画にも盛り込むこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115401005)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。