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国会審議›第156回国会›閣法第66号
閣法第156回国会 第66号成立

民事訴訟法等の一部を改正する法律案

平成15年法律第108号 民事訴訟法等の一部を改正する法律
提出平成15年3月4日 内閣
付託衆議院 法務委員会
参議院 法務委員会
成立
平成15年法律第108号
審議会議 8回・発言 1,078(政府答弁等 359)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院法務委員会

  1. H15.4.15趣旨説明法務委員会 7371
  2. H15.5.7参考人招致・質疑法務委員会 10358
  3. H15.5.9質疑・採決・附帯決議法務委員会 11199
  4. H15.5.13委員長報告・採決・附帯決議本会議 2927

参議院法務委員会

  1. H15.7.1趣旨説明法務委員会 1812
  2. H15.7.3質疑法務委員会 19299
  3. H15.7.8参考人招致・質疑・討論・採決法務委員会 20208
  4. H15.7.9委員長報告・採決・附帯決議本会議 3831

提案理由

森山眞弓 法務大臣 平成15年4月15日

 次に、民事訴訟法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 現行の民事訴訟法は、民事訴訟を国民に利用しやすく、わかりやすいものとする等のために、平成八年に制定されたものでありますが、近年の社会経済情勢の変化等に伴う民事紛争の複雑・多様化を踏まえ、民事裁判の一層の充実及び迅速化が求められております。例えば、争点が多数であるような複雑な事件やその解決のために専門的な知見を要する事件が増加しており、これらの事件への対応を強化する必要があるとの指摘がされております。

 そこで、この法律案は、民事裁判を国民がより利用しやすいものとする等の観点から、司法制度改革の一環として、民事裁判の充実及び迅速化を図るため、民事訴訟手続を改善しようとするものであります。

 この法律案の要点を申し上げますと、第一は、計画審理の推進を図ることであります。具体的には、裁判所及び当事者には訴訟手続の計画的な進行を図る責務があることを明らかにするとともに、裁判所は、複雑な事件等について、当事者双方との協議の結果を踏まえて、審理の計画を定めなければならないこととしております。

 第二は、訴えの提起前における証拠収集手続を拡充することであります。当事者が訴えの提起前に必要な証拠や情報を入手することができるようにするため、訴えの提起前においても、相手方に対して照会をすることができる手続及び文書の所持者に対して文書の送付を嘱託することができる手続を設けるなど、訴えの提起前における証拠収集手続を拡充しております。

 第三は、専門委員制度を設けることであります。医事関係事件や建築関係事件等の審理において医療、建築等についての専門的な知見が問題となる場合において、専門家に専門委員として訴訟手続への関与を求め、必要な説明を聞くことができることとしております。

 第四は、特許権及び実用新案権等に関する訴えについて、その管轄を専門的な処理体制が整備されている裁判所に専属化することであります。これらの訴えについて、第一審の管轄を東京地方裁判所または大坂地方裁判所に、控訴審の管轄を東京高等裁判所に専属化することなどにより、裁判所の専門的処理体制の一層の強化を図ることとしております。

 第五は、少額訴訟に関する特則を適用することができる事件の範囲を拡大することであります。少額訴訟に関する特則を適用することができる事件の範囲を定める訴額の上限額を三十万円から六十万円に引き上げることとしております。

 なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の改正等所要の手続が必要となりますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の趣旨であります。

 最後に、人事訴訟法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 複雑・多様化する我が国の社会において、司法機能の充実の重要性はますます高まっており、民事裁判の一層の充実及び迅速化が求められております。民事訴訟の一類型である人事訴訟については、現在、家庭裁判所で調停が行われ、これが不成立となると地方裁判所に訴えを提起することとされており、手続を国民が利用しにくいと指摘されております。また、人事訴訟の手続についても、明治三十一年に制定された現行の人事訴訟手続法の規律を改めて、より適正かつ迅速な審理を可能にする必要があると指摘されております。

 そこで、この法律案は、民事裁判を国民がより利用しやすいものとする等の観点から、司法制度改革の一環として、家庭裁判所の機能の拡充による人事訴訟の充実及び迅速化を図るため、人事訴訟に関する手続について、現行の人事訴訟手続法を廃止して、新たな法律を制定しようとするものであります。

 この法律案の要点を申し上げますと、第一は、人事訴訟の家庭裁判所への移管を行うことであります。具体的には、離婚、認知等の人事訴訟の第一審の管轄を地方裁判所から家庭裁判所に移管するとともに、これと密接に関連する損害賠償訴訟を家庭裁判所であわせて審理することができるようにすることとしております。

 第二は、家庭裁判所調査官制度の拡充であります。離婚訴訟における親権者の指定や養育費、財産分与等の申し立てについて、家庭裁判所調査官の調査を活用することができることとしております。

 第三は、参与員制度の拡充であります。人事訴訟の審理及び裁判に国民の良識を反映させるため、国民の中から選任された参与員の関与を求め、その意見を聞くことができるようにすることとしております。

 第四は、人事訴訟手続の見直しであります。具体的には、当事者尋問等について憲法が定める範囲内において公開停止の要件及び手続を明確に規定することや、裁判上の和解により離婚または離縁をすることができるようにすることなど、人事訴訟手続を全面的に見直すこととしております。

 なお、この法律の制定に伴い、最高裁判所規則の改正等所要の手続が必要となりますので、その期間を考慮いたしまして、この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしております。

 以上が、この法律案の趣旨であります。

 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに可決くださいますようお願いいたします。

第156回国会衆議院法務委員会議録第7号33頁(平成15年4月15日)〔森山眞弓法務大臣発言・発言番号369〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)

附帯決議

衆議院 法務委員会平成15年5月9日

政府並びに最高裁判所は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一裁判所における手続の迅速化については、当事者の正当な権利利益が害されないよう、当事者の人権に十分配慮し、当事者の防御権を損なうことのないよう、十分な配慮をすること。

二最高裁判所による検証については、裁判の独立及び関係者のプライバシーを十分尊重しつつ、総合的、客観的かつ多角的な検証を確保するため、法曹三者の協力に加え、外部有識者の関与を認めるよう、必要な措置をとること。

三裁判の迅速化に資するため、裁判官、検察官及び関係職員の増員及び裁判所施設の拡充など、人的物的体制の整備に努めるよう、必要な予算措置をとること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115601066)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。