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国会審議›第156回国会›閣法第79号
閣法第156回国会 第79号成立

電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案

平成15年法律第92号 電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律
提出平成15年3月7日 内閣
付託衆議院 経済産業委員会
参議院 経済産業委員会
成立
平成15年法律第92号
審議会議 10回・発言 1,088(政府答弁等 401)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院経済産業委員会

  1. H15.5.7趣旨説明経済産業委員会 136
  2. H15.5.9質疑経済産業委員会 14285
  3. H15.5.13参考人招致・質疑経済産業委員会 15113
  4. H15.5.14質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 16311
  5. H15.5.15採決・委員長報告・附帯決議本会議 3034

参議院経済産業委員会

  1. H15.5.29趣旨説明経済産業委員会 195
  2. H15.6.3質疑経済産業委員会 20175
  3. H15.6.5参考人招致・質疑経済産業委員会 2150
  4. H15.6.10質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 22138
  5. H15.6.11委員長報告・採決・附帯決議本会議 3224

提案理由

平沼赳夫 経済産業大臣 平成15年5月7日

電気事業法及びガス事業法の一部を改正する等の法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。

 電気事業制度、ガス事業制度につきましては、これまで二度の制度改革を行いました。その中で、供給システムの改革を行いつつ、小売の部分自由化等により競争を促すことで、電気事業及びガス事業の一定の効率化の成果が見られております。

 さきの制度改正時の三年後の見直し条項及び昨年の通常国会で制定されたエネルギー政策基本法を踏まえ、今日、さらに、供給システム改革による安定供給の確保、環境への適合及びこれらのもとでの電力、ガスの供給に関する需要家選択肢の拡大を図ることが求められております。

 このためには、まず、川上から川下まで一貫した体制で確実に電力、ガスの供給を行う責任ある供給主体として、一般電気事業者制度及び一般ガス事業者制度を存続することが必要であります。

 次に、ネットワーク部門を公共的なインフラと位置づけ、新規参入者を含む各種の供給主体が公平かつ透明な形でネットワークを利用し得る一定の規律を導入することが必要であります。また、安定供給を確保する上で、広域的な流通の活発化も重要な課題であります。

 さらに、原子力については、原子力発電等が強みを発揮し得る長期安定運転確保のための環境整備を図る必要があります。また、特にバックエンド事業については、適切な制度、措置の検討、整備を行っていく必要があります。この点につきましては、別途、バックエンド事業全般にわたるコスト構造、原子力発電全体の収益性等を分析、評価する場を立ち上げることといたします。

 その結果を踏まえ、官民の役割分担のあり方、既存の制度との整合性等を整理の上、平成十六年末までに、経済的措置等具体的な制度、措置のあり方について検討を行い、必要な措置を講ずることとしております。

 最後に、以上のような措置を講じつつ、安定供給と環境適合を大前提に、電気及びガスについて、需要家にとっての供給者の選択肢の拡大を図り、自由化範囲の拡大を進めることにより、競争を通じたさらなる効率化を促すことが必要であります。

 以上に加え、電源開発株式会社については、行政改革の趣旨を全うするとともに、我が国電気事業の効率化等に資するため、完全民営化を行うことが求められております。

 これらの措置を講ずるに当たり、このうち特に法律上の対応が必要となるものについて、所要の手当てを行うことを主な目的として、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。

 第一に、電気事業法の改正であります。

 その改正の第一点として、送配電部門の公平性及び透明性についての市場参加者の信頼を確保し、送配電部門が供給信頼度の維持に不可欠な調整機能を確保し得るようにいたします。

 具体的には、電力会社の送配電部門について、アクセス情報等の目的外利用の禁止、他部門との内部相互補助を防止するための会計分離及びその結果の公表の義務づけを行います。

 また、電力会社、新規参入者や学識経験者等が公平、透明な手続のもとで送配電部門に係るルールの策定及び運用状況の監視等を行う仕組みを構築いたします。

 第二点として、全国の発電所の供給力を有効活用できるようにいたします。

 具体的には、供給区域をまたいで送電するごとに課金される仕組み、いわゆる振りかえ供給料金を廃止する等、現行の託送制度を見直し、広域的な電力取引を円滑化いたします。

 なお、振りかえ供給料金の廃止に当たりましては、送電線建設等に要するコストの公平かつ確実な回収、そのための送電費用の負担に関する適切な精算、電力供給システム全体としての効率性を害するような遠隔地への電源立地の抑制の三点の確保を図ることといたします。

 また、廃止後の状況の推移を見つつ、必要とあれば、これらの点を確保し得るよう、遅滞なく廃止の見直しを含めた振りかえ供給制度の見直しを図ることを付言いたします。

 第三点として、多様な電力供給手法を整備することにより、一層の安定供給を図ります。

 具体的には、二重投資による著しい社会的弊害が生ずる場合を除き、コジェネ等の分散型電源から、自由化対象であります特定規模需要に対し、自前の送電線により電気を供給することを可能といたします。

 第二に、ガス事業法の改正であります。

 その改正の第一点として、導管ネットワーク部門の公平性、透明性についての市場参加者の信頼を確保し、導管ネットワーク部門が供給信頼度の維持に不可欠な調整機能を確保し得るようにいたします。

 具体的には、導管ネットワーク部門について、アクセス情報等の目的外利用の禁止、他部門との内部補助を防止するための会計分離及びその結果の公表を義務づけます。

 第二点として、電気と同様に広域的な供給力の有効活用を図ります。現在、一部の一般ガス事業者のみに課せられている接続供給義務をすべての一般ガス事業者に拡大するものであります。

 また、一定基準のガス導管を設置しガスを供給する者を新たにガス導管事業者として法律上位置づけます。そして、既存導管網の有効利用を図りつつ、まだ十分とは言えない導管網の整備を円滑に行わせるための環境整備を行います。また、託送供給を義務づけ、広域的なガス取引を活性化いたします。

 第三点として、大口供給に係る許可制を届け出制に改めます。しかし、新規参入による需要脱落により、一般ガス事業者が経営努力をしてもなお、当該一般ガス事業者がその規制需要家向けの供給条件を変更せざるを得なくなるような場合もあります。そのような場合には、当該新規参入に係る大口供給について変更または中止命令を発することができることといたします。

 第三に、電源開発促進法の廃止であります。

 電源開発株式会社の完全民営化に伴い、電源開発促進法を廃止いたします。あわせて、電源開発株式会社の財務基盤強化を図ります。

 具体的には、時限的な措置として、借入金と出資金とから成るファンドを組成し、同ファンドを通じて電源開発株式会社の自己資本の充実を支援いたします。

 以上が、本法律案の提案理由及び要旨であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。

第156回国会衆議院経済産業委員会議録第13号1頁(平成15年5月7日)〔平沼赳夫経済産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 経済産業委員会平成15年5月14日

国民生活と経済活動の基盤となる電気事業及びガス事業の制度改革については、エネルギーの安定供給の確保や環境への適合を図りつつ、エネルギー需要者の利益を十分確保するため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一我が国のエネルギーセキュリティと環境保全等の両立の観点から、原子力発電を中核的な電源と位置付け、原子力発電の開発・利用を推進するため、優先給電指令制度の整備など電力供給システムの一層の整備を図ること。特に、原子力発電のバックエンド事業については、国の責任を明確化した上で、徹底した情報開示と透明性の高い国民的議論の下で、官民の役割分担の在り方、既存制度との整合性等を整理し、経済的措置等具体的な制度・措置の在り方について早急に検討を行い、平成十六年末までに必要な措置を講ずること。

二電力・ガス事業の将来の小売自由化範囲の拡大については、ユニバーサル・サービスや最終保障の在り方等の観点を踏まえ、今後、十分慎重に検討すること。

三電力・ガスの安定的かつ効率的供給を確保するため、川上から川下まで一貫した体制で確実に電力・ガスの供給を行う「責任ある供給主体」が必要であることにかんがみ、一般電気事業者制度及び一般ガス事業者制度を存続させるとともに、本法施行後三年経過時に予定される本改正の検証の際も、当該制度を存続した趣旨を十分尊重すること。

四卸電力取引所の整備、託送制度の見直しなど本制度改正の具体的制度設計に当たっては、安定供給と環境適合を大前提に、公正かつ公平なルールに基づく市場環境の整備を行うこと。また、振替供給料金の廃止に当たっては、送電線建設等に要するコストの公平・確実な回収、送電費用の負担に関する適切な精算、遠隔地電源立地の抑制の確保に留意して制度設計を行うとともに、消費者の理解が得られるような仕組みとすること。なお、振替供給料金の廃止後の状況の推移を見て、これらについて不具合が生じるような場合には、直ちに振替供給料金の廃止の見直しを含めた振替供給制度の見直しを図ること。

五送配電等業務支援機関については、いわゆる中立機関として送配電部門の公平性・透明性を確保するための機関であることにかんがみ、基本的な指針の策定等の支援業務の実施に当たっては、公平・透明な運用と安定供給の確保の観点に留意すること。

六地球環境問題への対応等の観点から、分散型電源の導入が、地球環境負荷を高める電源に偏ることのないように配慮するとともに、燃料電池や太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの開発・利用を推進すること。

七エネルギーセキュリティの確保や地球環境保全等に配慮したベストミックスの観点から、天然ガス利用の拡大を図るとともに、ガス体エネルギー確保のための積極的な資源外交に努めること。

八電源開発基本計画の廃止に当たっては、電源立地の停滞や困難化を招来することのないよう、電源開発の円滑化のため引き続き必要となる地元合意形成の促進や関係省庁における許認可の円滑化など、これまで電源開発基本計画が有してきた意義や機能を承継する代替措置を講ずること。

九電源開発株式会社については、民間会社としての経営基盤を早期に確立して同社を効果的かつ積極的に活用するため、指定会社による財務基盤の強化のための措置を確実に達成するとともに、完全民営化の趣旨にかんがみ、資本、人事の面において一層自主的かつ責任ある経営体制の確立が図られるように努めること。

参議院 経済産業委員会平成15年6月10日

国民生活と経済活動の基盤となる電気事業及びガス事業の制度改革については、エネルギーの安定供給の確保や環境への適合を図りつつ、エネルギー需要者の利益を十分確保するため、政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

一我が国のエネルギーセキュリティと環境保全等の両立の観点から、原子力発電を中核的な電源と位置付け、原子力発電の開発・利用を推進するため、優先給電指令制度の整備など電力供給システムの一層の整備を図ること。特に、原子力発電のバックエンド事業については、国の責任を明確化した上で、徹底した情報開示と透明性の高い国民的議論の下で、官民の役割分担の在り方、既存制度との整合性等を整理し、経済的措置等具体的な制度・措置の在り方について早急に検討を行い、平成十六年末までに必要な措置を講ずること。

二電力・ガス事業の将来の小売自由化範囲の拡大については、ユニバーサル・サービスや最終保障の在り方等の観点を踏まえ、今後、十分慎重に検討すること。

三電力・ガスの安定的かつ効率的供給を確保するため、川上から川下まで一貫した体制で確実に電力・ガスの供給を行う「責任ある供給主体」が必要であることにかんがみ、一般電気事業者制度及び一般ガス事業者制度を存続させるとともに、本法施行後三年経過時に予定される本改正の検証の際も、当該制度を存続した趣旨を十分尊重すること。

四卸電力取引所の整備、託送制度の見直しなど本制度改正の具体的制度設計に当たっては、安定供給と環境適合を大前提に、公正かつ公平なルールに基づく市場環境の整備を行うこと。また、振替供給料金の廃止に当たっては、送電線建設等に要するコストの公平・確実な回収、送電費用の負担に関する適切な精算、遠隔地電源立地の抑制の確保に留意して制度設計を行うとともに、消費者の理解が得られるような仕組みとすること。なお、振替供給料金の廃止後の状況の推移を見て、これらについて不具合が生じるような場合には、直ちに振替供給料金の廃止の見直しを含めた振替供給制度の見直しを図ること。

五送配電等業務支援機関については、いわゆる中立機関として送配電部門の公平性・透明性を確保するための機関であることにかんがみ、基本的な指針の策定等の支援業務の実施に当たっては、公平・透明な運用と安定供給の確保の観点に留意すること。

六地球環境問題への対応等の観点から、分散型電源の導入が、地球環境負荷を高める電源に偏ることのないように配慮するとともに、燃料電池や太陽光発電、風力発電等の再生可能エネルギーの開発・利用を推進すること。

七エネルギーセキュリティの確保や地球環境保全等に配慮したベストミックスの観点から、天然ガス利用の拡大を図るとともに、ガス体エネルギー確保のための積極的な資源外交に努めること。

八電源開発基本計画の廃止に当たっては、電源立地の停滞や困難化を招来することのないよう、電源開発の円滑化のため引き続き必要となる地元合意形成の促進や関係省庁における許認可の円滑化など、これまで電源開発基本計画が有してきた意義や機能を承継する代替措置を講ずること。

九電源開発株式会社については、民間会社としての自立的な経営基盤を早期に確立して同社を効果的かつ積極的に活用するため、指定会社による財務基盤の強化のための措置を確実に達成するとともに、完全民営化の趣旨にかんがみ、資本、人事の面において一層自主的かつ責任ある経営体制の確立が図られるように努めること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=115601079)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。