入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
平成18年法律第110号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- H18.11.29趣旨説明・質疑・採決・討論・附帯決議経済産業委員会 5175
- H18.11.30委員長報告・討論・採決本会議 1944
参議院経済産業委員会
- H18.12.5趣旨説明経済産業委員会 69
- H18.12.7質疑・採決・附帯決議経済産業委員会 7102
- H18.12.8委員長報告・採決本会議 1817
提案理由
佐藤剛男 議員(発議者) 平成18年11月29日おはようございます。
自由民主党及び公明党の両党共同提案の入札談合等関与行為の排除及び防止に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
現行の入札談合等関与行為防止法は、平成十五年一月から施行されており、これまでに公正取引委員会がこの法律に基づき改善措置要求を行った事例は、既に三例あります。具体的には、平成十五年一月の北海道岩見沢市発注の建設工事に関する入札談合事件、平成十六年七月の新潟県新潟市発注の建設工事に関する入札談合事件、平成十七年九月の日本道路公団発注の鋼橋上部工工事に関する入札談合事件の三件であります。このうち、道路公団の事件については、独占禁止法違反の罪により刑事告発されております。
また、これらのほかにも、平成十八年二月に、防衛施設庁発注の建設工事をめぐる入札談合事件において、発注機関の職員が刑法の談合罪に基づき起訴される等、いわゆる官製談合事件が、国、地方問わず多く見られる状況が続いてきたところであります。
このような状況を踏まえ、平成十七年末に、当時の小泉総理から、現行の入札談合等関与行為防止法の改革案を検討するよう指示があり、これを受けて、平成十八年一月に、自民党独禁法調査会のもとに官製談合防止法検討ワーキングチームが設置されるとともに、公明党にも同様に官製談合対策プロジェクトチームが設置され、さらに与党合同で与党官製談合防止法検討ワーキングチームが設置されて検討が開始されました。
検討の結果、官製談合の防止を徹底するためには、発注機関の職員に対してより重い刑罰を科すこと、また、入札談合等関与行為の類型を追加すること等が適切であり、同法のより一層の強化が必要であるとの結論に達し、与党において議員立法として本法律案をまとめ、提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、法律の題名を、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに職員による入札等の公正を害すべき行為の処罰に関する法律に改めるとともに、この法律の趣旨が、入札談合等関与行為を排除し、及び防止するための措置に加えて、職員による入札等の公正を害すべき行為についての罰則を定めるものである旨を明記することとしております。
第二に、この法律の適用対象となる特定法人に、特別の法律により設立された法人のうち、国または地方公共団体が法律により、常時、発行済み株式の総数または総株主の議決権の三分の一以上に当たる株式の保有を義務づけられている会社のうち、政令で定めるものを除いたものを追加することとしております。
第三に、入札談合等関与行為に該当する行為として、特定の入札談合等に関し、事業者等の明示または黙示の依頼を受け、またはこれらの者にみずから働きかけ、当該入札談合等を容易にする目的で、職務に反し、入札に参加する者として特定の者を指名し、またはその他の方法により、入札談合等を幇助することを追加することとしております。
第四に、発注機関は、入札談合等関与行為による国等の損害の有無についての調査、入札談合等関与行為を行った職員の賠償責任の有無等の調査及び入札談合等関与行為を行った職員に係る懲戒事由の調査について、それぞれその結果を公表しなければならないこととしております。
第五に、発注機関の職員が、その所属する発注機関が入札等により行う売買、貸借、請負その他の契約の締結に関し、その職務に反し、事業者その他の者に談合を唆すこと、事業者その他の者に予定価格その他の入札等に関する秘密を教示することまたはその他の方法により、当該入札等の公正を害すべき行為を行ったときは、五年以下の懲役または二百五十万円以下の罰金に処することとしております。
以上が、本法律案の提案の理由及びその要旨であります。
何とぞ、慎重審議の上、よろしくお願い申し上げます。
第165回国会衆議院経済産業委員会議録第5号2頁(平成18年11月29日)〔佐藤剛男議員発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
近年、国や地方公共団体等が行う公共事業の発注や物品等の調達に際し、いわゆる「官製談合」と称される不適正な事件の摘発が続発している。このような官製談合は、官公需分野における公正かつ自由な競争を官公庁自らが阻害するのみならず、国や地方公共団体等における予算の適正かつ効率的な執行を歪め、ひいては政治及び行政への国民の信頼をも損ねるものであり、入札談合等関与行為の抜本的な排除及び防止を図ることは喫緊の課題である。よって政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一公正取引委員会は、調査の結果、入札談合等関与行為があると認める場合において、会計検査院にこれを通知するなど相互に十分に連携協力をし、もって入札談合等関与行為の抜本的な排除及び防止に万全を期すること。
二入札契約の一層の改善や外部監査の積極的な活用など、入札談合等関与行為の排除及び防止並びに予算の適正かつ効率的な執行に向けた地方公共団体等の取組みを促進するとともに、公共調達制度の全般的な適正化について、関係省庁間の緊密な連携を確保し、施策の円滑な実施を図ること。
三公共事業等の発注事務等に携わる国及び地方公共団体等の職員に対する損害賠償の請求については、国民の税金を運用・執行するという職責の重大性を踏まえ、そのあり方について更に検討を行うこと。
四首長の多選が、入札談合等関与行為と密接不可分な関係にまで至っている事例もあるとの指摘にかんがみ、その弊害を除去しうる方策について早急な検討を行うとともに、いわゆる天下りが、組織的な入札談合等関与行為を強く誘引している実情を踏まえ、早期退職慣行の是正など、公務員の人事任用面における対策を早急に講ずること。
公共事業の発注や物品等の調達に発注者側の関与する官製談合は平成十四年の官製談合防止法制定にもかかわらず後を絶たない。官製談合は官公需における公正で自由な競争を官公庁自らが阻害する不当な取引制限であり、予算の適正で効率的な執行を妨げ、納税者である国民の利益を阻害する悪質な行為である。政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一改正法の施行状況を勘案し、必要に応じ入札談合等関与行為に当たる行為類型のさらなる範囲拡大等を検討すること。
二公正取引委員会は会計検査院との相互の連携協力等を通じ、入札談合等関与行為の抜本的な排除及び防止に万全を期すこと。
三国、地方公共団体等による公共調達については、予定価格の見直し、一般競争入札の一層の拡大、総合評価方式の拡充等一層の改革を図ること。また、公共調達の在り方について、発注機関、公正取引委員会、財政当局、捜査当局、関連業界の代表者及び有識者による幅広い見地から、入札談合が生じる制度的な要因を解明し、入札談合の抜本的な防止策を検討すること。
四地方公共団体の長・幹部職員の不正行為に加えて、公務員の関連業界へのいわゆる天下りが官製談合事件の温床となってきたこれまでの経緯にかんがみ、早期退職慣行の是正や退職者の再就職の適正化など公務員の人事管理の在り方について、公務員制度改革全体の中で早急に検討すること。なお、検討に当たっては、公共調達に従事する公務員の意欲を高め、その能力が十分に発揮されるものとなるよう配慮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116402007)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。