日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案
衆議院 日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会
衆議院 日本国憲法に関する調査特別委員会公聴会
参議院 日本国憲法に関する調査特別委員会
平成19年法律第51号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会・日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会・日本国憲法に関する調査特別委員会公聴会
- H18.6.1趣旨説明日本国憲法に関する調査特別委員会 12111
- H18.6.1趣旨説明・質疑本会議 3367
- H18.6.15意見・提出者発言日本国憲法に関する調査特別委員会 1325
- H18.10.26趣旨説明・質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 3104
- H18.11.2参考人招致・懇談日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会 178
- H18.11.2小委員長報告・発言・質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 4115
- H18.11.7参考人招致・懇談日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会 269
- H18.11.9小委員長報告・質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 572
- H18.11.16参考人招致・懇談日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会 355
- H18.11.30発言日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会 448
- H18.11.30小委員長報告・発言・質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 688
- H18.12.5小委員長報告・発言日本国憲法に関する調査特別委員会 714
- H18.12.7質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 8231
- H18.12.12参考人招致・懇談日本国憲法に関する調査特別委員会日本国憲法の改正手続に関する法律案等審査小委員会 565
- H18.12.14小委員長報告・発言・質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 978
- H19.3.22公聴会日本国憲法に関する調査特別委員会公聴会 1209
- H19.3.29併合修正案趣旨説明・質疑・派遣委員報告・併合修正案・派遣委員意見聴取日本国憲法に関する調査特別委員会 4237
- H19.4.5公聴会日本国憲法に関する調査特別委員会公聴会 2224
- H19.4.12修正案趣旨説明・質疑・採決(併合修正)・修正案日本国憲法に関する調査特別委員会 5159
- H19.4.13委員長報告・修正案趣旨弁明・討論・採決・併合修正案・修正案本会議 2240
参議院日本国憲法に関する調査特別委員会
- H19.4.16趣旨説明・質疑本会議 1731
- H19.4.17趣旨説明・質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 2108
- H19.4.18質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 3289
- H19.4.19質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 4260
- H19.4.23参考人招致・参考人質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 5134
- H19.4.25派遣委員報告・質疑・地方公聴会日本国憲法に関する調査特別委員会 6333
- H19.4.26質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 778
- H19.4.27参考人招致・参考人質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 8113
- H19.5.8参考人招致・参考人質疑・派遣委員報告・地方公聴会日本国憲法に関する調査特別委員会 9300
- H19.5.9質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 10177
- H19.5.10参考人招致・参考人質疑日本国憲法に関する調査特別委員会 1172
- H19.5.11派遣委員報告・質疑・討論・採決・附帯決議・地方公聴会日本国憲法に関する調査特別委員会 12382
- H19.5.14委員長報告・討論・採決本会議 2419
提案理由
鈴木克昌 議員(発議者) 平成18年6月1日私は、民主党・無所属クラブの提案者を代表して、ただいま議題となりました日本国憲法の改正及び国政における重要な問題に係る案件の発議手続及び国民投票に関する法律案について、その趣旨を説明いたします。
この法律案は、日本国憲法九十六条に規定する憲法改正国民投票に関する手続と、国政における重要な問題についての諮問的国民投票に関する手続とを一体のものとして定め、あわせてそれぞれの発議に関する手続の整備を行うものであります。
憲法改正のための具体的手続は、本来、一九四六年制定の際、憲法附属法として同時に整備されるべきものでした。しかも、これら手続の整備は、本来、憲法改正そのものに関する議論と区別して中立公正に進められるべきです。改正が容易であっても、改正が困難であっても、偏った制度では国民の意思を正確にとらえることができず、ひいては立憲主義の自殺行為となるからであります。
このため、具体的な憲法そのものの議論がこれ以上深まる前に、改正推進派も改正反対派も双方が納得できる制度を整えておくべきであると考え、本法律案を提起しています。
ところで、憲法改正手続国民投票制度は、間接民主制を基本とする我が国政にあって、直接的に国民の意思を問う例外的な制度です。そして、立憲主義の観点から、直接的に国民の意思を問うことが望ましい案件は、憲法の条文そのものを改正するケースに必ずしも限られません。
もちろん、国会の意思とは無関係に、国会の立法権限を法的に制約するような手続は認められません。しかし、特に立憲主義にかかわる問題について、国会がみずからの意思に基づき、諮問的に国民の意思を問い、その主権者の意思を十分に考慮しながら権限行使することは、何ら憲法に反するものではなく、むしろその趣旨にかなうことであります。
このため、私たちは、一般法である諮問的国民投票制度の創設とその特例法である憲法改正国民投票制度の創設とを一本の法律として提案しています。
以上が本法律案を提出するに至った経緯及び理由でありますが、以下、ポイントとなる点に絞ってその内容を説明します。
第一に、投票権者の範囲です。
我が党は、従来から、成人年齢そのものを十八歳に引き下げることを主張しています。このこと自体、速やかに実現すべきと考えますが、せめて少なくとも憲法改正国民投票に関しては、この国の未来に、より長期にわたってかかわっていく若い世代に可能な限り決定に参加する機会を認めることが必要です。このため、本法律案では、投票権年齢を原則十八歳まで引き下げ、さらには、案件によって、国会の議決に基づき、これを十六歳まで引き下げることが可能なこととしています。
第二に、投票用紙への記載方法及び過半数の意義についてです。
憲法九十六条は、国会の発議に対する国民の承認を要求しています。わざわざ投票所まで足を運び、かつ、是とする意思を示さなかった者については、承認の意思がなかったものと判断するのが適切です。このため、本法律案では、国会の発議を是としこれを承認する者が投票用紙にマル印を付すものとし、マル印を付した票が投票総数の過半数に達した場合に憲法が改正されるものとしました。
第三に、いわゆる国民投票運動についてです。
国民投票と公職選挙は、投票という行動では似ています。しかし、選挙においては政党や候補者という運動主体が事実上限定的に存在しますが、国民投票においては賛成または反対の意見を持つすべての国民が運動の主体となり得ます。また、国民投票では改正に賛成または反対の運動と政治的意見表明との区別がつかず、これを規制すると政治的意見表明そのものに強い萎縮効果が働きます。
このため、少しでも萎縮効果の生じることのないよう、一つには、特定公務員の運動禁止規定や公務員、教育者の地位利用による運動禁止規定を原則として設けないものとしています。例外として、投票事務等に関与する公務員については運動禁止の規定を設けています。
また、一票を金で買うような行為は国民投票においても許されるものではないと考えますが、萎縮効果が生じないよう、本当に悪質なケースだけが対象になる構成要件を設けることは困難であるため、買収罪の規定を設けないこととしました。
以上が、本法律案の主な内容です。
委員各位には、この法律案と与党案について、改正を目指す者と改正に反対する者の双方が納得できる中立公正な制度が創設できるよう、謙虚かつ真摯な議論をお願いして、趣旨の説明といたします。
第164回国会衆議院日本国憲法に関する調査特別委員会議録第12号18頁(平成18年6月1日)〔鈴木克昌議員発言・発言番号109〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
法案に対する反対理由を申し上げます。第一は、与党案が改憲と一体となった改憲準備法案だからであり、公正な単なる手続法ではないからであります。だからこそ、憲法改正を参議院選挙の最大の争点に掲げる安倍総理は、国会に介入してまで与党案の早期成立を表明したではありませんか。しかも、安倍総理の言う戦後レジームからの脱却とは、正に戦前のシステムや価値観への回帰であり、自民党新憲法草案の思想そのものであります。次の国会から設置されることになる憲法審査会では、九条改憲を始め、自民党新憲法草案をベースにした改憲論議が行われるのは火を見るよりも明らかであります。第二は、最低投票率の定めがないことであります。国民は、国の最高法規である憲法の改正にふさわしい投票率が必要だと考えております。多くの参考人からも最低投票率を設けるべきとの意見が述べられてまいりました。与党の最低投票率は憲法上疑義があるとの答弁にもかかわらず、最低投票率の規定は憲法違反だとする参考人はいなかったのであります。与党のもくろみは明らかであり、憲法改正のハードルを低くして改憲を容易にすること以外にありません。第三は、公務員や教員について、地位利用による投票運動の禁止、政治的行為の制限を図ろうとしているからであります。しかも、どのような行為が許され、どのような行為が許されないのか分からないのであります。五百万人以上にも及ぶ公務員や教員を一律に萎縮させるおそれの強い二重の規制は憲法上許されません。憲法改正国民投票運動は、一般的な選挙運動とは異なります。国の根本を決めるものであり、公務員であれ教員であれ、その賛否をめぐる運動は自由とすべきです。公務員、教員の表現の自由、運動の自由を奪う規制は許されません。第四は、テレビ、ラジオの有料広告が野放しで、やりたい放題になっていることであります。何十億、何百億とも言われる広告料を一体だれが出せるというのですか。有料広告は資金力のある個人や団体に独占されることは明らかであります。自由で公正な国民の意思形成を妨げる有料広告は、適正なルールができないのであれば全面禁止にすべきであります。その他、与党案には、広報協議会の在り方や投票方法など、問題点は数限りなくあります。正に欠陥法案であり、国民不在の国民投票法案です。このような与党案は断じて認めるわけにはいきません。以上申し上げまして、私の反対討論を終わります。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=116402031)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。