化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
平成21年法律第39号
審議経過
右の数字は会議の発言数附帯決議
政府は、産業の基盤であり国民生活において極めて広範に使用されている化学物質の安全性を確立することが国民の生命や環境の保護に不可欠であり、かつ、我が国産業の国際競争力の一層の強化につながることから、その管理・規制に関する体制の整備を図ることが重要であることにかんがみ、本法施行に当たり、次の諸点について適切に措置すべきである。
一二〇二〇年を期限とする国際合意の確実な履行に向けて、本改正案による規制強化措置が、事業主のみならず国民全般からの理解を得て円滑かつ着実に実施されるよう、国の責任と具体的な作業スケジュールを明らかにするとともに、調査研究や検査・監督に万全を期するよう体制の整備や十分な予算の確保に努めること。また、合意の履行に当たっては、先進国間における情報の一元化等に努めるとともに、アジアをはじめとする関係各国ともその実施スキームの確立や登録情報の共有を図るなど、国際的な協調の下に対策を推進し、本法に基づく化学物質管理スキームが事実上の国際標準として受け入れられるよう努めること。
二化学物質のスクリーニング評価に当たっては、化学物質に対する感受性の高い胎児、乳幼児及び高齢者等への直接曝露及び環境曝露を十分に勘案し、詳細な曝露関連情報の提供を事業者に求めること。また、生態影響評価の重要性を踏まえた評価手法の確立及び効率的なデータ収集のための技術開発等に努めること。
三化学物質のリスク評価に当たっては、その透明性及び客観性を確保する観点から、評価計画、評価結果等を公開するとともに、評価の審査等には多様な主体を参加させる等の体制を整備すること。また、政府の行ったリスク評価の妥当性を審査する外部委員会を用いて行うこと。
四事業者による自主的な化学物質のリスク評価及び管理を推進するために、低コストで実施できるリスク評価手法の開発・普及を図るとともに、データ収集に係る作業の定量化等、事業者の負担軽減に努めること。また、規制の実効性を確保するため、中小企業がこれに円滑に対応できるよう、新たなスキームの十分な周知徹底に努めるとともに、効果的な支援策の実施を検討すること。
五化学物質の適切な管理を一層促進するため、化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)に基づく表示、化学物質の安全性情報、リスク評価結果及び管理手法等について、川上事業者から川下事業者に至るまで情報の伝達及び共有ができるようにすること。また、消費者への理解を促進するため、化学物質に関する安全性情報の製品表示等について検討すること。
六「エッセンシャルユース」として認められた化学物質については、必要最小限の利用にとどめ、定期的に厳密な評価を行いその結果を公表するとともに、事業者に対し代替化及び低減化に向けた取組を促すこと。
七事業者による自主的な化学物質管理を推進するため、化学物質管理を担える人材の育成及び研究機関の充実に努めること。また、大学及び大学院における定量的構造活性相関(QSAR)の手法、計測、リスク評価及び管理に関する専門家育成の検討に加え、学校教育における化学物質に関する教育内容の見直しを図ること。
八化学物質による人の健康や生態系への悪影響を未然防止するために、予防的な視点に基づき、懸念のある化学物質については、科学的知見が集積されるまでの間、厳格な曝露管理または代替の検討を事業者に促すこと。
九化学物質の適正な利用及び化学物質によるリスクの低減に関する長期的、計画的な施策を推進するに当たっては、関係省庁間の連携を図りつつ、事業者の負担の軽減及び消費者の化学物質に関する理解の促進に資するよう、化学物質に関する総合的、統一的な法制度等のあり方について検討を行うこと。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一化学物質が人の健康と環境にもたらす悪影響を最小化する方法で使用・生産されることを二〇二〇年までに達成するという国際合意を遵守するためには、サプライチェーンの川上のみならず、流通、使用、処分、廃棄等を含めたライフサイクル全体に及ぶ適正な管理が必要であることから、化学物質の規制等を所管する省庁の連携・協力と情報共有を一層強化するとともに、関係する事業者のみならず、国民全体の理解を得て、化学物質のリスク評価を確実に進め、管理について万全を期すること。このため、今後の具体的なスケジュールを明らかにするとともに、調査研究や検査・監督に資する体制の整備や十分な予算を確保すること。
二すべての化学物質が製造・輸入数量等の届出対象となることにより、収集・分析される情報が格段に増えることを踏まえ、関係事業者の協力を広く求め、有害性調査指示を的確に行うとともに、国においてもリスク評価を着実に進めること。このため、事業者に対して新たな制度の十分な周知徹底に努めるとともに、自主的なリスク評価・管理を推進するため、低コストのリスク評価手法の開発・普及、データ収集作業の定型化等、事業者の負担軽減に努め、中小企業を始めとする事業者への効果的な支援策を実施すること。
三化学物質の適切な管理を一層促進するため、化学品の分類及び表示に関する世界調和システム(GHS)に基づく表示、化学物質の安全性情報、リスク評価結果及び管理手法等について、川上事業者から川下事業者に至るまで情報の伝達及び共有ができるようにすること。また、消費者への理解を促進するため、化学物質に関する安全性情報の製品表示等について検討すること。
四化学物質のリスク評価を行うに当たっては、人体への直接暴露及び環境暴露を十分に考慮し、予防的な視点に立ち、懸念のある化学物質については、科学的知見が集積されるまでの間、厳格な暴露管理または代替の検討を事業者に促すこと。
五化学物質のリスク評価に当たっては、その透明性及び客観性を確保する観点から、評価計画、評価結果等を公表するとともに、評価の審査等には多様な主体を参加させる等の体制を整備すること。また、政府の行ったリスク評価の妥当性の審査には外部機関を活用すること。
六「エッセンシャルユース」として認められた化学物質については、必要最小限の利用にとどめ、定期的に厳密な評価を行いその結果に応じた措置を行うとともに、事業者に対し代替化及び低減化に向けた取組を促すこと。
七化学物質のリスクベースでの評価・管理を適切に実施するため、大学及び大学院における専門人材の育成について検討するとともに、関連する研究機関の拡充に努めること。
八化学物質管理が多くの法律に基づきなされている仕組みが、国民の目から分かりにくいとの指摘を踏まえ、化学物質に関する総合的・統一的な法制度の在り方について検討を行うこと。
九人の生命・健康や生態系を守るという観点から、厳正なリスク評価・リスク管理を行うのみでなく、本法に基づく化学物質管理の在り方について、国際的にも先進的なものとなるよう、必要に応じて見直しを行うこと。
十試験に要する費用・期間の効率化や国際的な動物試験削減の要請にかんがみ、定量的構造活性相関の活用等を含む動物試験の代替法の開発・活用を促進すること。また、国内外の法制度で明記されている動物試験における3R(代替法活用、使用数削減、苦痛軽減)の原則にかんがみ、不合理な動物実験の重複を避けるなど、3Rの有効な実施を促進すること。
十一暴露実態を考慮した施策の実施及びその効果等の的確な把握のため、製造・使用の現場、環境中、人体・動植物の体内の化学物質の残留量等を測定するなどのモニタリングを十分に行い、その結果を施策に着実に反映させること。また、やむを得ずモニタリング対象外となる化学物質についても、PRTRデータ等を活用した適切な評価手法の確立など、対策に万全を期すること。
十二化学物質によるリスクの低減・削減に関する施策を長期的、総合的、計画的に推進するため、基本理念を定め関係者の責務及び役割を明らかにするとともに、施策の基本事項を定めるなど、化学物質に関する総合的、統一的な法制度及び行政組織の在り方等について検討を早急に進めること。また、化学物質管理に限らず、政府の施策全体に予防的取組方法を採用するために、統一的なガイドラインを早期に策定すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=117101034)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。