絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案
衆議院 環境委員会
平成25年法律第37号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院環境委員会
- H25.5.21趣旨説明環境委員会 65
- H25.5.23質疑・修正案趣旨説明・内閣意見聴取・採決(修正)・附帯決議・修正案環境委員会 7255
- H25.5.24委員長報告・採決(修正)本会議 2274
衆議院環境委員会
- H25.5.31趣旨説明・参議院修正部分趣旨説明・議案(参議院修正部分)環境委員会 1388
- H25.6.4質疑・採決・附帯決議環境委員会 14163
- H25.6.4委員長報告・採決本会議 3033
提案理由
石原伸晃 環境大臣・内閣府特命担当大臣(原子力防災) 平成25年5月21日まず、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
絶滅のおそれのある野生動植物の種については、我が国に生息し、又は生育する絶滅のおそれのある野生動植物の種を国内希少野生動植物に指定し、その捕獲及び譲渡し等の規制並びに保護増殖事業の実施等を行うとともに、国際的に種の保存を図ることとされている絶滅のおそれのある野生動植物の種についても国際希少野生動植物に指定し、その譲渡し等の規制等を行うことにより、生態系及び自然環境の重要な一部である野生動植物の種の保存に寄与しているところです。
また、生物多様性基本法が平成二十年に制定され、さらに、平成二十二年の生物多様性条約第十回締約国会議において採択された愛知目標の中に、既知の絶滅危惧種の絶滅や減少が防止されることが位置付けられるなど、生物の多様性に対する国内外の関心が極めて高まってきており、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を一層推進することが求められています。
一方、希少野生動植物種はその希少性から高額で取引されるものが多く、違法な譲渡し等の再犯事例も発生しており、悪質な違法取引が後を絶たない状況にあります。
本法律案は、こうした状況を踏まえ、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存施策を一層強化するための措置を講じようとするものであります。
次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。
第一に、法の目的において、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存を図ることが、良好な自然環境の保全のみならず生物多様性の確保にもつながることを明らかにすることとしております。
第二に、国の責務として、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する科学的知見の充実を図ることを明記することとしております。
第三に、希少野生動植物種の個体等に関して、販売又は頒布の目的で広告することを原則として禁止することとしております。
第四に、国際希少野生動植物種の個体等の登録に関する事務手続を改善し、個体等の区分又は主な特徴等に変更が生じた場合における変更登録、登録票の書換え交付等の手続を新設することとしております。
第五に、国内希少野生動植物種の保護増殖事業の円滑化を図るため、国及び地方公共団体以外の者が、環境大臣の認定を受けた保護増殖事業として行う個体等の譲渡し等について、環境大臣の許可を要しないこととすることとしております。
第六に、国は、最新の科学的知見を踏まえつつ、教育活動、広報活動等を通じて、絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関し、国民の理解を深めるよう努めなければならないものとすることとしております。
第七に、罰則において大幅な強化を図り、希少野生動植物種の個体等の違法な譲渡し等に関する罰則の上限を引き上げることとしております。
第183回国会参議院環境委員会会議録第6号1頁(平成25年5月21日)〔石原伸晃環境大臣発言・発言番号3〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一種の保存に関する科学的知見の充実を図り、それに基づいて、「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」(以下「保全戦略」という。)を始め、総合的な施策を策定・実施すること。
二「保全戦略」は海洋生物を含めて策定すること。また、「保全戦略」は、種の指定の考え方や進め方を示す、大胆かつ機動性の高いものとすること。
三「保全戦略」に希少野生動植物種の指定に関する国民による提案の方法及び政府による回答の方法等を明記すること。
四改正法施行後三年の見直しに向けて、以下の取組を行うこと。 1 「保全戦略」を法定計画とし、閣議決定することを検討すること。 2 種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する、専門家による常設の科学委員会の法定を検討すること。 3 希少野生動植物種等の指定に関して、国民による指定提案制度の法定を検討すること。 4 国際希少野生動植物種の個体等の登録制度において、個体等識別情報をマイクロチップ、脚環、ICタグ等によって全ての個体等上へ表示するとともに、登録票上へもICタグ等により表示することによって、登録票の付け替え、流用を防止する措置、並びに登録拒否、登録の有効期間の設定及び登録抹消手続の法定を検討すること。
五希少野生動植物種等の指定は、科学的知見を最大に尊重して実施することとし、当面、二〇二〇年までに三百種を新規指定することを目指し、候補種の選定について検討を行うこと。そのため、中央環境審議会自然環境部会の野生生物小委員会において、種の指定の考え方や候補種の選定等について議論を行い、その結果を尊重すること。また、同小委員会の委員については、国民の理解を得られる人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底すること。
六生物多様性基本法第八条「政府は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない」を踏まえ、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずること。
七生物多様性基本法第二十四条、改正法第五十三条第二項に則り、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育・社会教育・広報活動、専門的な知識・経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めること。
八改正法附則第七条に基づき、改正法施行後、速やかに、今回の改正内容のみならず、種の保存法全体について見直しを開始し、改正法施行三年後に速やかに必要な措置を講ずること。
九中央環境審議会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して、前項の種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うこと。
十海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価を適切に行うこと。また、候補種選定の際、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に選定の対象とすること。
十一近年、地球温暖化に伴う急激な気候の変化によって、ホッキョクグマ、サンゴなどの種や生態系への影響が世界的に顕著になり始めていることに鑑み、我が国政府は、カンクン合意を踏まえつつ、低炭素社会に向けての新たな世界的な枠組みの構築のため、二〇二〇年からの実施を目指し法的文書の合意を二〇一五年までに得ることについて、リーダーシップを発揮すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一種の保存に関する科学的知見の充実を図り、それに基づいて、「絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略」(以下「保全戦略」という。)を始め、総合的な施策を策定・実施すること。
二「保全戦略」は海洋生物を含めて策定すること。また、「保全戦略」は、種の指定の考え方や進め方を示す、大胆かつ機動性の高いものとすること。
三「保全戦略」に希少野生動植物種の指定に関する国民による提案の方法及び政府による回答の方法等を明記すること。
四改正法施行後三年の見直しに向けて、以下の取組を行うこと。 1 「保全戦略」を法定計画とし、閣議決定することを検討すること。 2 種指定の優先度と個体数回復などの目標、必要な保護管理計画などを勧告する、専門家による常設の科学委員会の法定を検討すること。 3 希少野生動植物種等の指定に関して、国民による指定提案制度の法定を検討すること。 4 国際希少野生動植物種の個体等の登録制度において、個体等識別情報をマイクロチップ、脚環、ICタグ等によって全ての個体等上へ表示するとともに、登録票上へもICタグ等により表示することによって、登録票の付け替え、流用を防止する措置、並びに登録拒否、登録の有効期間の設定及び登録抹消手続の法定を検討すること。
五希少野生動植物種等の指定は、科学的知見を最大に尊重して実施することとし、当面、二〇二〇年までに三百種を新規指定することを目指し、候補種の選定について検討を行うこと。そのため、中央環境審議会自然環境部会の野生生物小委員会において、種の指定の考え方や候補種の選定等について議論を行い、その結果を尊重すること。また、同小委員会の委員については、国民の理解を得られる人選を行い、自由闊達な議論を保障するとともに、明確な理由の存在しない限り、国民に対する情報の公開を徹底すること。
六生物多様性基本法第八条「政府は、生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上又は税制上の措置その他の措置を講じなければならない」を踏まえ、希少野生動植物種の保存のため、地方自治体への支援を含め、財政上、税制上その他の措置を講ずること。
七生物多様性基本法第二十四条、改正法第五十三条第二項に則り、種の保存に関し、最新の科学的知見を踏まえた学校教育・社会教育・広報活動、専門的な知識・経験を有する人材の育成、種の保存に関して理解を深める場及び機会の提供等により、種の保存に関する国民の理解を深めること。
八改正法附則第七条に基づき、改正法施行後、速やかに、今回の改正内容のみならず、種の保存法全体について見直しを開始し、改正法施行三年後に速やかに必要な措置を講ずること。
九中央環境審議会は、環境大臣の諮問を待たず、種の保存に関連して、前項の種の保存法の見直しやその他関係法令の見直しを含め、積極的に意見具申を行うこと。
十海洋生態系の要となる海棲哺乳類を含めた海洋生物については、科学的見地に立ってその希少性評価を適切に行うこと。また、候補種選定の際、現在は種指定の実績がない海洋生物についても、積極的に選定の対象とすること。
十一近年、地球温暖化に伴う急激な気候の変化によって、ホッキョクグマ、サンゴなどの種や生態系への影響が世界的に顕著になり始めていることに鑑み、我が国政府は、カンクン合意を踏まえつつ、低炭素社会に向けての新たな世界的な枠組みの構築のため、二〇二〇年からの実施を目指し法的文書の合意を二〇一五年までに得ることについて、リーダーシップを発揮すること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118301066)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。