生活困窮者自立支援法案
衆議院 厚生労働委員会
平成25年法律第105号
審議経過
右の数字は会議の発言数参議院厚生労働委員会
- H25.11.5趣旨説明厚生労働委員会 2302
- H25.11.7質疑厚生労働委員会 3238
- H25.11.12質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 4158
- H25.11.13委員長報告・採決本会議 630
衆議院厚生労働委員会
- H25.11.29趣旨説明厚生労働委員会 11170
- H25.12.4質疑・討論・採決・附帯決議厚生労働委員会 12169
- H25.12.6委員長報告・採決本会議 1780
提案理由
田村憲久 厚生労働大臣 平成25年11月29日次に、生活困窮者自立支援法案について申し上げます。
近年、生活困窮者が増加する中で、早期にその支援を行い、自立の促進を図ることが重要な課題となっております。
このため、生活困窮者に対する就労の支援を含む自立の支援に関する相談等を実施するとともに、住宅の確保に関する給付金の支給等を通じ、その自立を支援することを目的として、生活困窮者自立支援法案を第百八十三回国会に提出いたしました。同法案は、審議未了、廃案となり、成立を見るに至りませんでしたが、一刻も早くその実現を図るために、ここにこの法律案を提案し、御審議を願うこととした次第であります。
以下、この法律案の内容について、その概要を説明いたします。
第一に、都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村は、就労の支援を含む自立の支援に関して、生活困窮者からの相談に応じる等の生活困窮者自立相談支援事業を行うことといたしております。
第二に、都道府県等は、離職等により経済的に困窮し、居住する住宅を失った者や賃貸住宅の家賃の支払いが困難となった者であって、就職を容易にするために住居を確保する必要があると認められるものに対し、生活困窮者住居確保給付金を支給することといたしております。
第三に、都道府県等は、地域の実情に応じて、生活困窮者就労準備支援事業、生活困窮者一時生活支援事業、生活困窮者家計相談支援事業及び生活困窮者である子供に対する学習の援助を行う事業等を行うことができることとしております。
第四に、国は、生活困窮者自立相談支援事業及び生活困窮者住居確保給付金に要する費用の四分の三を負担するとともに、その他の事業に要する費用の一定割合を補助することができることといたしております。
第五に、雇用による就業を継続して行うことが困難である生活困窮者に対し、就労の機会を提供するとともに、就労に必要な訓練等の事業を行う者は、当該事業が一定の基準に適合していることについて、都道府県知事の認定を受けることができることといたしております。
最後に、この法律案の施行期日については、一部の規定を除き、平成二十七年四月一日としております。
以上が、二法案の提案理由及びその内容の概要でございます。
御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。
以上でございます。
第185回国会衆議院厚生労働委員会議録第11号27頁(平成25年11月29日)〔田村憲久厚生労働大臣発言・発言番号168〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一生活保護制度は、憲法二十五条が規定した「健康で文化的な最低限度の生活」を全ての国民に保障するための最後の砦であり、本法に基づいて保護が必要な国民に確実に保護を実施する必要があることから、本法の施行を機に、制度の意義や必要性、相談窓口の所在や申請の方法等について改めて国民への周知を図り、国民全体の理解を得るよう努めること。
二申請権侵害の事案が発生することのないよう、申請行為は非要式行為であり、障害等で文字を書くことが困難な者等が口頭で申請することも認められるというこれまでの取扱いや、要否判定に必要な資料の提出は可能な範囲で保護決定までの間に行うというこれまでの取扱いに今後とも変更がないことについて、省令、通達等に明記の上、周知するとともに、いわゆる「水際作戦」はあってはならないことを、地方自治体に周知徹底すること。
三生活保護制度の説明資料、申請書等について、保護の相談窓口に常時配備するなど、相談窓口における適切な対応について指導を徹底すること。また、相談窓口の対応等について実態調査を行うとともに、申請権侵害が疑われる事案が生じた場合に、不服のある相談者等が相談できる機関を設置するなど、制度のより適正な運営に向けた相談体制の在り方について検討すること。
四扶養義務者に対する調査、通知等に当たっては、扶養義務の履行が要保護認定の前提や要件とはならないことを明確にするとともに、事前に要保護者との家族関係、家族の状況等を十分に把握し、要保護者が申請を躊躇したり、その家族関係の悪化を来したりすることのないよう、十分配慮すること。
五生活保護受給者に対して就労による自立を促す際には、十分な相談・聞き取りを行い、被保護者の納得と理解を確認するなど、適切な指導を行うこと。また、就労自立給付金の支給に当たっては、就労による自立のインセンティブ付与と、被保護者の自立後の生活の安定に資するという二つの観点から、対象範囲を適正に設定し、必要な給付が行われるよう制度設計を行うこと。
六生活保護制度の実施体制については、受給者数が急増していることや、個々人の異なる状況に時間をかけて密接に対応していく必要があることから、地方自治体に対する地方交付税措置を改善し、地方自治体におけるケースワーカー、就労支援員などの増員を図る等により、適正な配置を確保すること。
七五年後の見直しに際しては、生活保護受給者数、人口比受給率、生活保護の捕捉率、餓死・孤立死などの問題事例等の動向を踏まえ、生活保護受給者、これを支援する団体、貧困問題に関し優れた見識を有する者等、関係者の意見を十分に聴取した上で、必要な改正を行うこと。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。
一自立相談支援事業の相談窓口においては、相談者の困窮の状況に応じて生活保護制度の下で生活再建を図ることも含め、最善の対応を行うよう指導を徹底すること。また、自立相談支援事業の相談員が策定する自立支援計画については、生活困窮者本人の意向を十分に考慮することとし、その実施、評価、改善・修正が適切に行われるようにするとともに、実施の途上で自立支援計画の実行が困難になった場合や、最低限度の生活が維持できないと判断された場合には、生活保護への移行を促すことも含めた適切な対応を講ずるよう指導すること。
二自立相談支援事業の相談員については、その責務の一環として訪問支援にも積極的に取り組むこととし、ケースワーカーや民生委員等、関係者間の連携と協力の下、生活困窮者に対し漏れのない支援を行うこと。また、そのために社会福祉士等の支援業務に精通する人員を十分に配置することを検討し、適切な措置を講ずること。
三生活困窮者は心身の不調、家族の問題等多様な問題を抱えている場合が多く、また、問題解決のためには時間を要することから、個々の生活困窮者の事情、状況等に合わせ、包括的・継続的に支えていく伴走型の個別的な支援のための体制を整備すること。
四就労準備支援事業の実施に当たっては、対象者が生活困窮者であることに鑑み、求職者支援制度を始めとする他の関連施策との整合性と連続性とを図る観点から、その生活の安定のための方策について更に検討を行うこと。
五いわゆる中間的就労である就労訓練事業の実施に当たっては、訓練を実施する事業者を適切に認定するとともに、当該事業者と自立支援計画の実施責任者とが密接な連携を図り、個々の生活困窮者の訓練実施、達成の状況などについての定期的な確認を行うよう適切な措置を講ずること。
六本法に規定された各種施策を実施する費用について、地方自治体の負担分を含め、財政上の措置を適切に講ずるよう努めること。また、地方自治体における取組を通じて得られた好事例を広く周知することにより、本法に規定された各種施策が着実かつ効果的に実施されるようにすること。
七生活困窮者の自立支援に当たっては、常に住民の立場に立って相談・支援を行ってきた民生委員・児童委員が最大限その役割を発揮できるように、必要な情報の提供や、研修の実施、関係機関との効率的な連携等、民生委員・児童委員が活動しやすい環境整備を更に進めること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118501006)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。