電気事業法等の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
平成26年法律第72号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- H26.4.11趣旨説明・質疑本会議 1743
- H26.4.23趣旨説明経済産業委員会 12156
- H26.4.25質疑経済産業委員会 13277
- H26.5.7参考人招致・参考人質疑経済産業委員会 14131
- H26.5.9参考人招致・参考人質疑・質疑経済産業委員会 15300
- H26.5.14質疑・参考人質疑経済産業委員会 16285
- H26.5.16質疑・修正案趣旨説明・討論・採決・附帯決議・修正案経済産業委員会 17232
- H26.5.20委員長報告・討論・採決本会議 2565
参議院経済産業委員会
- H26.5.30趣旨説明・質疑本会議 2623
- H26.6.3趣旨説明・質疑経済産業委員会 13197
- H26.6.5質疑・参考人招致・参考人質疑経済産業委員会 14205
- H26.6.10質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 15177
- H26.6.11委員長報告・討論・採決本会議 3060
提案理由
茂木敏充 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償支援機構) 平成26年4月11日ただいま議題となりました電気事業法等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
東日本大震災以降、我が国が直面している新たなエネルギー制約を克服し、現在及び将来の国民生活に責任あるエネルギー政策を構築するためには、電気の安定供給の確保、電気料金の最大限の抑制、需要家の選択肢や事業者の事業機会の拡大を目的とし、広域系統運用の拡大、小売及び発電の全面自由化、法的分離の方式による送配電部門の中立性の一層の確保を改革の三本柱とする電力システム改革を着実に実施していくことが極めて重要であります。
このため、まず、三本柱の一つである広域系統運用の拡大などを実現することによって電気の安定供給の確保に万全を期すとともに、具体的な実施時期を含む電力システム改革の全体像を法律上明らかにする改革プログラムを附則で定めた電気事業法改正法案を昨年の国会に提出し、昨年十一月に成立したところであります。
今回提出させていただいた本法律案は、改革プログラムに基づき、電気の小売業への参入の全面自由化を平成二十八年を目途に実施するために必要な措置を講ずるものであります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
まず、電気事業法の改正に関するものであります。
第一に、現行の電気事業法においては、一般電気事業者のみが家庭等に対する電気の供給を行うことが可能とされておりますが、今後は、経済産業大臣の登録を受けた小売電気事業者であれば、家庭等を含めた全ての需要家に対する電気の供給を行うことができることとし、これに伴い、一般電気事業を初めとする現行の電気事業法における事業類型を見直します。
第二に、小売全面自由化を実施した後も電気の安定供給の確保に万全を期すため、現在の一般電気事業者の送配電部門に当たる一般送配電事業者に対しては、電圧及び周波数を維持する義務、どの小売電気事業者からも電気の供給を受けることができない需要家に対する電気の供給を最終的に保障する義務、離島における需要家が離島以外の地域と同程度の料金水準で電気の供給を受けることを保障する義務などを課すことといたします。
一方、これらの義務を着実に履行できるよう、一般送配電事業者に対しては、料金制度により、必要な費用を送配電ネットワークの利用料金から回収することを制度的に担保することとしております。
また、小売電気事業者に対しては、契約により供給する相手方の需要に応ずるために必要な供給力を確保することを義務づけるとともに、我が国全体で供給力が不足すると見込まれる場合に備えて、広域的運営推進機関が、発電設備の建設に係る入札など、発電設備の建設を促進するための業務を行えることといたします。
第三に、需要家保護を徹底するため、小売電気事業者に対しては、需要家に対する料金その他の供給条件の説明義務などを課すとともに、現在の一般電気事業者の小売部門に対しては、当分の間、経過措置として、料金規制を継続することとしております。
第四に、小売全面自由化を実施した後は、電力の卸取引の重要性が高まることが想定されることから、卸電力取引所を電気事業法において位置づけるとともに、商品先物取引法を改正し、電力の先物取引に係る制度の整備を行います。
加えて、電気事業に係る事業類型の見直しに伴い、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法などの関係法律について、所要の改正を行います。
以上が、本法律案の主旨でございます。(拍手)
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電気事業法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
第186回国会衆議院会議録第17号1頁(平成26年4月11日)〔茂木敏充経済産業大臣発言・発言番号7〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、電力システム改革を着実に推進するため、本法施行に当たり、以下の点に留意すること。
一電力システム改革の目的である「電気の安定供給の確保」と「電気の小売に係る料金の最大限の抑制」の実現のため、原子力発電の稼働が進んでいない中で海外からの化石燃料の輸入が増加し、国民負担の増大が懸念されていることにも鑑み、第三段階までの法的措置の期限を待つことなく、スマートメーターの普及、発電所の環境アセスメントの緩和等の施策を引き続き検討し、可能なものについては可及的速やかに措置を講じること。特に、電力が市場に十分に供給されることが市場における競争環境上重要であることに鑑み、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要となる電力の需給状況の安定が確保されるための有効な措置を講じるべく努めるものとすること。
二原子力政策の抜本的見直しが求められる中、競争環境下における原子力発電の在り方及び我が国における核燃料サイクル政策の位置付けについて早急に検討の上、電力システム改革と同時並行的に適切に措置を講じること。また、原子力事業者において今後国内において増加する原子力発電所の廃炉の円滑な実施や新規制基準への対応、使用済核燃料の処理、地球温暖化対策及び電力安定供給への貢献等の課題への適切な対処が可能となるよう、事業環境の整備に向けて、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要な措置について速やかに検討し、遅滞なく実施するものとすること。
三昨年成立した改正電気事業法附則第十一条第四項の趣旨を踏まえ、今後、第三段階の法的措置の実施を通じて達成するものとされている「送配電部門の中立性の確保」及び「電気料金の全面自由化」は、競争促進の効果と電力の使用者の利益を併せて実現する観点から同時に実施することを原則とすること。また、これらの事項を含む今後の電力システム改革の詳細な制度設計及び実施については、当該改革に当たっての課題検証とその結果に基づく課題克服のために必要な措置を講じて進めるとともに、今年策定された新たなエネルギー基本計画の内容と整合性をもって第三段階の改革まで着実に進めるものとし、関係方面に十分な説明を行うものとすること。
四電力市場における適正な競争を通じて、電力システム改革の目的の一つである「電気料金の最大限の抑制」が確実に達成されるために必要な措置を講じるものとし、規制料金の撤廃は需要家保護の観点からその時期を十分に見極めて行うとともに、新規参入事業者が公平な条件で競争できるような価格形成が図られるようにするなど、適正な電気料金の実現のための措置を講じること。
五電力の小売全面自由化に伴い、新規事業者に対する送配電網への公平な接続の保証や需要家情報の共有等を通じて、新規事業者が電力小売市場に参入することが阻害されることなく、現在の一般電気事業者と公平に競争できる環境を整備すること。また、新規事業者の電源調達を容易にするため、引き続き、地方自治体による電源の売り入札の促進に加え、電力会社における余剰電力の供出の促進等を通じ、卸電力市場の活性化に向けて必要な措置を講じるものとすること。
六再生可能エネルギーによる発電を利用する新規事業者の電力市場参入を促すための送配電網の整備や参入手続における一層の規制緩和等の措置を講じるとともに、再生可能エネルギーによる発電が健全かつ着実に行われるための制度を整備することにより、我が国においてその導入が最大限促進されるよう努めること。
七電力の小売全面自由化に伴って電力の安定供給が損なわれることのないよう、昨年の電気事業法改正によって法定された広域的運営推進機関の機能の適正な行使等を通じて、必要な供給予備力が常時確保されることなど、電力システム改革の目的である「電力の安定供給の確保」が達成されるための万全の措置を講じるものとすること。また、発電事業者、小売電気事業者をはじめ、電力市場に参加する事業者が連携して電力の安定供給のための責任を果たす上での仕組みについて十分な検討を行い、適切な措置を講じること。
八電力システム改革の遂行に際しては、今日まで電力の安定供給を支えてきた電力関連産業の労働者の雇用の安定や人材の確保・育成、関連技術・技能の継承に努めるとともに、改革の過程において憲法並びに労働基準法に基づく労使自治を尊重するものとすること。また、当該労働者について一定の形態の争議行為の禁止を定める「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律」については、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から、電力システム改革に関する法体系の整備に併せ、所管省庁において有識者や関係者等からなる意見聴取の場を設けその意思を確認し、同法の今後の在り方について検討を行うものとすること。
九電気事業の規制に関する事務をつかさどる独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織は、実効性のある送配電部門の中立性の確保、電気の小売業への参入の全面自由化等の電力システム改革を推進する上で、必要な電気事業の規制に関するモニタリング、電気事業への参入の促進、市場における適切な競争環境を阻害する要因の除去、対等な競争条件の確保等を実施するための必要最小限な組織とし、肥大化は極力避けること。また、この観点から、新たな行政組織への移行が平成二十七年を目途に着実に措置されるよう、引き続き詳細設計に向けて検討を進めるものとすること。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一電力の小売全面自由化に伴い、新規事業者に対する送配電網への公平な接続の保証や需要家情報の共有等を通じて、新規事業者が電力小売市場に参入することが阻害されることなく、現在の一般電気事業者と公平に競争できる環境を整備すること。また、新規事業者の電源調達を容易にするため、引き続き、地方自治体による電源の売り入札の促進に加え、電力会社における余剰電力の供出の促進等を通じ、卸電力市場の活性化に向けて必要な措置を講じるものとすること。さらに、新規参入や技術開発等の促進は、経済成長につながるものであり、政府の諸方針においても明確に位置付けるものとすること。
二電力の小売全面自由化に伴って電力の安定供給が損なわれることのないよう、昨年の電気事業法改正によって法定された広域的運営推進機関の機能の適正な行使等を通じて、必要な供給予備力が常時確保されることなど、電力システム改革の目的である「電力の安定供給の確保」が達成されるための万全の措置を講じるものとすること。また、スマートメーターの普及、発電所の環境アセスメントの緩和等の施策を引き続き検討し、可能なものについては可及的速やかに措置を講じること。特に、電力が市場に十分に供給されることが市場における競争環境上重要であることに鑑み、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要となる電力の需給状況の安定が確保されるための有効な措置を講じるべく努めるものとすること。
三電力市場における適正な競争を通じて、電力システム改革の目的の一つである「電気料金の最大限の抑制」が確実に達成されるために必要な措置を講じるものとし、規制料金の撤廃は需要家保護の観点からその時期を十分に見極めて行うとともに、新規参入事業者が公平な条件で競争できるような価格形成が図られるようにするなど、適正な電気料金の実現のための措置を講じること。
四電力システム改革の詳細な制度設計及び実施については、当該改革に当たっての課題検証とその結果に基づく課題克服のために必要な措置を講じて進めるとともに、今年策定された新たなエネルギー基本計画の内容と整合性をもって第三段階の改革まで着実に進めるものとし、関係方面に十分な説明を行うものとすること。また、再生可能エネルギーによる発電を利用する新規事業者の電力市場参入を促すための送配電網の整備や参入手続における一層の規制緩和等の措置を国民負担に十分配慮した上で講じるとともに、再生可能エネルギーによる発電が健全かつ着実に行われるための制度を整備することにより、我が国においてその効率的な導入が最大限促進されるよう努めること。
五原子力政策の抜本的見直しが求められる中、競争環境下における原子力発電の在り方及び我が国における核燃料サイクル政策の位置付けについて早急に検討の上、電力システム改革と同時並行的に適切に措置を講じること。また、原子力事業者において今後国内において増加する原子力発電所の廃炉の円滑な実施や新規制基準への対応、使用済核燃料の処理、地球温暖化対策及び電力安定供給への貢献等の課題への適切な対処が可能となるよう、国と原子力事業者の役割分担を含めた事業環境の整備に向けて、平成二十八年を目途に電力の小売全面自由化の実施が予定されていることを踏まえ、必要な措置について速やかに検討し、遅滞なく実施するものとすること。
六電力システム改革の遂行に際しては、今日まで電力の安定供給を支えてきた電力関連産業の労働者の雇用の安定や人材の確保・育成、関連技術・技能の継承に努めるとともに、改革の過程において憲法並びに労働基準法に基づく労使自治を尊重するものとすること。また、当該労働者について一定の形態の争議行為の禁止を定める「電気事業及び石炭鉱業における争議行為の方法の規制に関する法律」については、自由な競争の促進を第一義とする電力システム改革の趣旨と整合性を図る観点から、電力システム改革に関する法体系の整備に併せ、所管省庁において有識者や関係者等からなる意見聴取の場を設けその意思を確認し、同法の今後の在り方について検討を行うものとすること。
七電気事業の規制に関する事務をつかさどる独立性及び高度の専門性を有する新たな行政組織は、実効性のある送配電部門の中立性の確保、電気の小売業への参入の全面自由化等の電力システム改革を推進する上で、必要な電気事業の規制に関するモニタリング、電気事業への参入の促進、市場における適切な競争環境を阻害する要因の除去、対等な競争条件の確保等を実施するための必要最小限な組織とし、肥大化は極力避けること。また、この観点から、新たな行政組織への移行が平成二十七年を目途に着実に措置されるよう、引き続き詳細設計に向けて検討を進めるものとすること。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118601044)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。