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国会審議›第189回国会›閣法第63号
閣法第189回国会 第63号成立修正あり

民法の一部を改正する法律案

平成29年法律第44号 民法の一部を改正する法律
提出平成27年3月31日 内閣
付託衆議院 法務委員会
参議院 法務委員会
成立
平成29年法律第44号
審議会議 20回・発言 3,258(政府答弁等 1,322)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院法務委員会

  1. H28.11.16趣旨説明法務委員会 837
  2. H28.11.18質疑法務委員会 9179
  3. H28.11.22参考人招致・参考人質疑法務委員会 1090
  4. H28.11.25質疑法務委員会 11159
  5. H28.12.2質疑法務委員会 12224
  6. H28.12.6質疑法務委員会 13366
  7. H28.12.7参考人招致・参考人質疑・質疑法務委員会 14152
  8. H28.12.9質疑法務委員会 15330
  9. H28.12.13質疑法務委員会 16174
  10. H29.4.5質疑法務委員会 849
  11. H29.4.12修正案趣旨説明・質疑・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案法務委員会 9120
  12. H29.4.14委員長報告・採決(修正)本会議 1937

参議院法務委員会

  1. H29.4.20趣旨説明及び衆議院修正部分趣旨説明法務委員会 8134
  2. H29.4.25質疑法務委員会 9199
  3. H29.5.9質疑法務委員会 10197
  4. H29.5.11参考人招致・参考人質疑法務委員会 11170
  5. H29.5.16質疑法務委員会 12198
  6. H29.5.23質疑法務委員会 13280
  7. H29.5.25質疑・討論・採決・附帯決議法務委員会 14336
  8. H29.5.26委員長報告・採決本会議 2654

提案理由

金田勝年 法務大臣 平成28年11月16日

民法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。

 この法律案は、制定以来、約百二十年間の社会、経済の変化への対応を図り、国民一般にわかりやすいものとする観点から、民法の一部を改正しようとするものであります。

 その要点は、次のとおりであります。

 第一に、消滅時効について、医師の診療に関する債権は三年、飲食店の飲食料に係る債権は一年などとされております短期消滅時効の特例をいずれも廃止して消滅時効の期間の統一化を図るなど、時効に関する規定の整備を行うこととしております。

 第二に、法定利率について、現行の年五%から年三%に引き下げた上で、市中の金利動向に合わせて変動する制度を導入することとしております。

 第三に、事業用融資の債務の保証契約は、保証人になろうとする者が個人である場合には、主たる債務者が法人である場合のその理事、取締役等である場合などを除き、公証人が保証意思を確認しなければ効力を生じないものとするなど、保証債務に関する規定の整備を行うこととしております。

 第四に、不特定多数の者を相手方とする定型的な取引に使用される定型約款に関し、定型約款によって契約の内容が補充されるための要件を整備するとともに、定型約款を準備した者が取引の相手方の同意を得ることなく定型約款の内容を一方的に変更するための要件等を整備することとしております。

 第五に、意思能力を有しなかった当事者がした法律行為は無効とすることや、賃貸借契約の終了時に賃借人は賃借物の原状回復義務を負うものの、通常の使用収益によって生じた損耗等についてはその義務の範囲から除かれることなど、確立した判例法理等を明文化いたしております。

第192回国会衆議院法務委員会議録第8号5頁(平成28年11月16日)〔金田勝年法務大臣発言・発言番号35〕 会議録 国会会議録検索システム

立法資料のある条文

この法律案の審議で取り上げられた条(政府答弁の件数順)
民法548条の2(定型約款の合意)30民法404条(法定利率)23民法90条(公序良俗)22民法121条の2(原状回復の義務)15民法447条(保証債務の範囲)15民法466条の2(譲渡制限の意思表示がされた債権に係る債務者の供託)15民法548条の4(定型約款の変更)14民法722条(損害賠償の方法、中間利息の控除及び過失相殺)13民法548条の3(定型約款の内容の表示)12民法458条の2(主たる債務の履行状況に関する情報の提供義務)11民法465条の6(公正証書の作成と保証の効力)11民法621条(賃借人の原状回復義務)11民法415条(債務不履行による損害賠償)10民法466条の310民法469条(債権の譲渡における相殺権)10民法478条(受領権者としての外観を有する者に対する弁済)10民法417条の2(中間利息の控除)9民法424条の8(詐害行為の取消しの範囲)9民法466条の6(将来債権の譲渡性)9民法413条の2(履行遅滞中又は受領遅滞中の履行不能と帰責事由)8民法708条(不法原因給付)8民法151条(協議を行う旨の合意による時効の完成猶予)7民法724条(不法行為による損害賠償請求権の消滅時効)7民法147条(裁判上の請求等による時効の完成猶予及び更新)6民法412条の2(履行不能)6民法448条(保証人の負担と主たる債務の目的又は態様)6民法465条の9(公正証書の作成と保証の効力に関する規定の適用除外)6民法466条の5(預金債権又は貯金債権に係る譲渡制限の意思表示の効力)6民法562条(買主の追完請求権)6民法606条(賃貸人による修繕等)6

判例が引用した会議録

附帯決議

衆議院 法務委員会平成29年4月12日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一他人の窮迫、軽率又は無経験を利用し、著しく過当な利益を獲得することを目的とする法律行為、いわゆる「暴利行為」は公序良俗に反し無効であると明示することについて、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

二職業別の短期消滅時効等を廃止することに伴い、書面によらない契約により生じた少額債権に係る消滅時効について、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

三中間利息控除に用いる利率の在り方について、本法施行後の市中金利の動向等を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

四個人保証人の保護の観点から、以下の事項について留意すること。 1 いわゆる経営者等以外の第三者による保証契約について、公証人による保証人になろうとする者の意思確認の手続を求めることとした趣旨を踏まえ、保証契約における軽率性や情義性を排除することができるよう、公証人に対しその趣旨の周知徹底を図るとともに、契約締結時の情報提供義務を実効的なものとする観点から、保証意思宣明公正証書に記載すること等が適切な事項についての実務上の対応について検討すること。 2 保証意思宣明公正証書に執行認諾文言を付し、執行証書とすることはできないことについて、公証人に対し十分に注意するよう周知徹底するよう努めること。 3 個人保証の制限に関する規定の適用が除外されるいわゆる経営者等のうち、代表権のない取締役等及び「主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者」については、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。 4 我が国社会において、個人保証に依存し過ぎない融資慣行の確立は極めて重要なものであることを踏まえ、事業用融資に係る保証の在り方について、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

五定型約款について、以下の事項について留意すること。 1 定型約款に関する規定のうち、いわゆる不当条項及び不意打ち条項の規制の在り方について、本法施行後の取引の実情を勘案し、消費者保護の観点を踏まえ、必要に応じ対応を検討すること。 2 定型約款準備者が定型約款における契約条項を変更することができる場合の合理性の要件について、取引の実情を勘案し、消費者保護の観点を踏まえ、適切に解釈、運用されるよう努めること。

六消滅時効制度の見直し、法定利率の引下げ、定型約款規定の創設、また、個人保証契約に係る実務の大幅な変更など、今回の改正が、国民各層のあらゆる場面と密接に関連し、重大な影響を及ぼすものであることから、国民全般に早期に浸透するよう、積極的かつ細やかな広報活動を行い、その周知徹底に努めること。

参議院 法務委員会平成29年5月25日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について格段の配慮をすべきである。

一情報通信技術の発達や高齢化の進展を始めとした社会経済状況の変化による契約被害が増加している状況を踏まえ、他人の窮迫、軽率又は無経験を利用し、著しく過当な利益を獲得することを目的とする法律行為、いわゆる「暴利行為」は公序良俗に反し無効であると規定することについて、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

二職業別の短期消滅時効等を廃止することに伴い、書面によらない契約により生じた少額債権に係る消滅時効について、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

三法定利率が変動した場合における変動後の法定利率の周知方法について、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じた対応を検討すること。

四中間利息控除に用いる利率の在り方について、本法施行後の市中金利の動向等を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

五個人保証人の保護の観点から、以下の取組を行うこと。 1 いわゆる経営者等以外の第三者による保証契約について、公証人による保証人になろうとする者の意思確認の手続を求めることとした趣旨を踏まえ、保証契約における軽率性や情義性を排除することができるよう、公証人に対しその趣旨の周知徹底を図るとともに、契約締結時の情報提供義務を実効的なものとする観点から、保証意思宣明公正証書に記載すること等が適切な事項についての実務上の対応について検討すること。 2 保証意思宣明公正証書に執行認諾文言を付し、執行証書とすることはできないことについて、公証人に対し十分に注意するよう周知徹底するよう努めること。 3 個人保証の制限に関する規定の適用が除外されるいわゆる経営者等のうち、代表権のない取締役等及び「主たる債務者が行う事業に現に従事している主たる債務者の配偶者」については、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。 4 我が国社会において、個人保証に依存し過ぎない融資慣行の確立は極めて重要なものであることを踏まえ、個人保証の一部について禁止をする、保証人の責任制限の明文化をする等の方策を含め、事業用融資に係る保証の在り方について、本法施行後の状況を勘案し、必要に応じ対応を検討すること。

六譲渡禁止特約付債権の譲渡を認めることについては、資金調達の拡充にはつながらないのではないかという懸念や、想定外の結果が生じ得る可能性があることを踏まえ、更に幅広い議論を行い、懸念等を解消するよう努めること。

七定型約款について、以下の事項について留意すること。 1 定型約款に関する規定のうち、いわゆる不当条項及び不意打ち条項の規制の在り方について、本法施行後の取引の実情を勘案し、消費者保護の観点を踏まえ、必要に応じ対応を検討すること。 2 定型約款準備者が定型約款における契約条項を変更することができる場合の合理性の要件について、取引の実情を勘案し、消費者保護の観点を踏まえ、適切に解釈、運用されるよう努めること。

八諾成的消費貸借における交付前解除又は消費貸借における期限前弁済の際に損害賠償請求をすることができる旨の規定は、損害が現実に認められる場合についての規定であるところ、金銭消費貸借を業として行う者については、資金を他へ転用する可能性が高いことを踏まえれば、基本的に損害は発生し難いと考えられるから、その適用場面は限定的であることを、弱者が不当に被害を受けることを防止する観点から、借手側への手厚い周知はもちろん、貸手側にも十分に周知徹底を図ること。

九諾成的消費貸借における交付前解除又は消費貸借における期限前弁済の際に損害賠償請求をすることができる旨の規定については、本法施行後の状況を踏まえ、必要に応じ対応を検討すること。

十消滅時効制度の見直し、法定利率の引下げ、定型約款規定の創設、また、個人保証契約に係る実務の大幅な変更など、今回の改正が、国民各層のあらゆる場面と密接に関連し、重大な影響を及ぼすものであることから、国民全般、事業者、各種関係公的機関、各種の裁判外紛争処理機関及び各種関係団体に早期に浸透するよう、積極的かつ細やかな広報活動を行い、その周知徹底に努めること。

十一公証人の果たす役割が今後更に重要となることに鑑み、本法施行後の状況も踏まえつつ、公証人及び公証役場の透明化及び配置の適正化、公証役場の経営状況の把握、民間等多様な人材の登用等、公証制度が国民に更に身近で利用しやすいものとなるよう努めること。

十二消費者契約法その他の消費者保護に関する法律について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118901063)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。