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閣法第189回国会 第67号成立修正あり

社会福祉法等の一部を改正する法律案

平成28年法律第21号 社会福祉法等の一部を改正する法律
提出平成27年4月3日 内閣
付託衆議院 厚生労働委員会
参議院 厚生労働委員会
成立
平成28年法律第21号
審議会議 12回・発言 1,250(政府答弁等 399)

審議経過

右の数字は会議の発言数

衆議院厚生労働委員会

  1. H27.7.3趣旨説明厚生労働委員会 28267
  2. H27.7.8質疑厚生労働委員会 29175
  3. H27.7.10参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 3094
  4. H27.7.29質疑・修正案趣旨説明・内閣意見聴取・討論・採決・附帯決議・修正案厚生労働委員会 31169
  5. H27.7.31委員長報告・採決本会議 4111
  6. H28.3.30参議院送付案同意・参議院送付案厚生労働委員会 9226
  7. H28.3.31委員長報告・採決本会議 2030

参議院厚生労働委員会

  1. H28.3.10趣旨説明厚生労働委員会 3264
  2. H28.3.15質疑厚生労働委員会 4230
  3. H28.3.16参考人招致・参考人質疑厚生労働委員会 578
  4. H28.3.17質疑・修正案趣旨説明・討論・採決(修正)・附帯決議・修正案厚生労働委員会 6193
  5. H28.3.23委員長報告・採決(修正)本会議 1429

提案理由

塩崎恭久 厚生労働大臣 平成27年7月3日

ただいま議題となりました社会福祉法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明いたします。

 急速な少子高齢化、地域社会の変容等により福祉ニーズが多様化、複雑化していく中、福祉サービスの主たる担い手である社会福祉法人が果たしていく役割はますます重要になっています。社会福祉法人が備える公益性や非営利性に見合う経営組織や財務規律を実現し、国民に対する説明責任を果たすとともに、地域社会に貢献するという社会福祉法人本来の役割を果たしていくよう法人のあり方を見直す必要があります。

 また、今後の高齢化の進展に伴い、介護ニーズの多様化及び高度化が見込まれる中、介護人材を初めとした福祉人材の確保を、量と質の両面から総合的かつ計画的に推進していくことが必要です。

 このような状況を踏まえ、福祉サービスの担い手である社会福祉法人の改革と福祉人材の確保の促進を一体的に行うことにより、福祉サービスの供給体制を確保していくため、この法律案を提出いたしました。

 以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。

 第一に、社会福祉法人の経営組織について、理事等の権限、責任等に関する規定を整備し、議決機関としての評議員会の設置を義務づけるとともに、一定規模以上の社会福祉法人に対して会計監査人による監査を義務づけることなどにより、ガバナンスの強化を図ります。また、定款、計算書類等を公表しなければならないものとし、運営の透明性の向上を図ります。さらに、財務規律の強化を図るため、理事等の関係者に対する特別の利益供与の禁止、役員報酬基準の作成及び公表、純資産の額が事業の継続に必要な額を超える法人に対する既存事業の充実または新規事業の実施に関する計画の作成等の義務づけを行うとともに、社会福祉法人は、その事業を行うに当たり、日常生活及び社会生活上の支援を必要とする者に対し、無料または低額な料金で福祉サービスを積極的に提供することに努めなければならないものとする等の措置を講じます。

 第二に、介護人材の確保のため、社会福祉事業従事者の確保に関する基本指針の対象範囲を拡大するとともに、介護福祉士が離職した場合等において、都道府県福祉人材センターに届け出を行うよう努めるものとする等の取り組みを進めます。また、介護福祉士の資質の向上のため、介護福祉士養成施設の卒業者に対する国家試験の受験の義務づけについて、平成二十九年度から漸進的に導入し、平成三十四年度から、全ての卒業者に対し実施する等の措置を講じます。

 第三に、社会福祉施設職員等退職手当共済制度について、退職手当金の支給乗率を長期加入者に配慮したものに見直すとともに、被共済職員が退職し再び被共済職員となった場合に、共済加入期間の合算が認められる期間の延長を行うこととします。また、障害者支援施設等の業務に従事する被共済職員に係る退職手当金の支給に要する費用を公費助成の対象から除外し、介護保険施設等と同様の取り扱いとすることとします。

 最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、平成二十九年四月一日としています。

 以上が、この法律案の提案の理由及びその内容の概要でございます。

 御審議の上、速やかに可決していただくことをお願いいたします。

第189回国会衆議院厚生労働委員会議録第28号1頁(平成27年7月3日)〔塩崎恭久厚生労働大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム

附帯決議

衆議院 厚生労働委員会平成27年7月29日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一社会福祉法人の経営組織のガバナンスを強化するには、評議員、理事等の人材の確保や会計監査人の導入等、新たな負担も懸念される。このため、特に小規模の法人については、今後も安定した活動ができるよう、必要な支援に遺憾なきを期すこと。

二いわゆる内部留保の一部とされる「社会福祉充実残額」を保有する社会福祉法人が、社会福祉充実計画を作成するに当たっては、他産業の民間企業の従業員の賃金等の水準を踏まえ、社会福祉事業を担う人材の適切な処遇の確保に配慮することの重要性の周知を徹底すること。

三事業の継続に必要な財産が確保できない、財産の積み立て不足が明らかな法人に対しては、必要な支援について検討すること。

四地域公益活動の責務化については、待機児童、待機老人への対応など本体事業を優先すべきであり、社会福祉法人の役割と福祉の公的責任の後退を招くことのないようにすること。社会福祉法人設立の主旨である自主性と社会福祉事業の適切な実施に支障を及ぼすような過度の負担を求めるものではないことを周知徹底すること。

五所轄庁による社会福祉法人に対する指導監督については、一部の地域において独自の取扱いが散見されるとの指摘もあることから、国の基準を一層明確化することで標準化を図ること。

六現下の社会福祉施設における人材確保が困難な状況に鑑み、介護報酬、障害福祉報酬の改定による影響を注視しながら、職員の処遇の実態を適切に把握した上で、人材確保のための必要な措置について検討を行うこと。

七社会福祉施設職員等退職手当共済制度の公費助成廃止に当たっては、職員確保の状況及び本共済制度の財務状況の変化を勘案しつつ、法人経営に支障が生じないよう、障害者支援施設等の経営実態等を適切に把握した上で報酬改定を行うなど必要な措置を講ずるよう検討すること。

八准介護福祉士の国家資格については、フィリピンとの間の経済連携協定との整合を確保する観点にも配慮して暫定的に置かれたものであることから、フィリピン政府と協議を進め、当該協議の状況を勘案し、准介護福祉士の名称、位置付けを含む制度の在り方について検討を行い、所要の措置を講ずること。

九介護職員の社会的地位の向上のため、介護福祉士の養成施設ルートの国家試験義務付けを確実に進めるとともに、福祉サービスが多様化、高度化、複雑化していることから、介護福祉士が中核的な役割及び機能を果たしていけるよう、引き続き対策を講じること。

十介護職員の処遇については、正規・非正規、フルタイム・パートタイム等にかかわらず、均等・均衡待遇を確保するよう努めること。

参議院 厚生労働委員会平成28年3月17日

政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずるべきである。

一社会福祉法人の経営組織のガバナンスを強化するには、評議員、理事等の人材の確保や会計監査人の導入等、社会福祉法人にとって新たに様々な負担も懸念される。このため、特に小規模の法人については、今後も安定した活動ができるよう、必要な支援に万事遺漏なきを期すこと。また、人材の確保が困難な地域にある法人についても必要な配慮を行うこと。さらに、社会福祉法人の適正な運営に必要な識見を有する人材を育成するため、自治体等が行う研修等の取組に対して必要な支援を行うこと。

二事業運営の透明性の向上を図るため、都道府県による財務諸表等の収集、分析及び活用並びに国による全国的なデータベースの整備に当たっては、一般国民、特に利用者が社会福祉法人の経営状況を了知でき、かつ、外部評価に耐えられる内容となるよう、分かりやすい評価尺度を作成し、公表すること。

三いわゆる内部留保の一部とされる社会福祉法人が保有する純資産の額から事業の継続に必要な財産額を控除等した「社会福祉充実残額」の算出に当たっては、社会福祉法人の経営に支障を来すものとならないよう、事業の継続に必要な財産額が適切に算定されるようにすること。また、政府統計等により把握される他産業の民間企業の従業員の賃金等の水準を所轄庁から所管法人に示すよう要請することにより、「社会福祉充実残額」を保有する社会福祉法人が社会福祉充実計画を作成するに当たって、当該賃金等の水準を斟酌した上で、社会福祉事業を担う人材の適切な処遇が確保されていることを確認することの重要性の周知を徹底すること。

四事業の継続に必要な財産額が確保できない、財産の積立不足が明らかな法人に対しては、必要な支援について検討すること。

五地域公益活動の責務化については、待機児童、待機老人への対応等、本来の社会福祉事業を優先すべきであり、社会福祉法人の役割と福祉の公的責任の後退を招くことのないようにするとともに、社会福祉法人設立の主旨である自主性と社会福祉事業の適切な実施に支障を及ぼすような過度の負担を求めるものではないことを周知徹底すること。

六社会福祉法人の所轄庁については、指導監督等の権限が都道府県から小規模な一般市にも委譲されていること、社会福祉充実計画の承認等の新たな事務が増えることから、所轄庁に対し適切な支援を行うとともに、一部の地域において独自の取扱いが散見されるとの指摘があることに鑑み、また、指導監督が法定受託事務であることを踏まえ、指導監督に係る国の基準を一層明確化することで、その標準化を図ること。

七社会福祉法人の提供するサービスの質の確保に当たっては、高い能力を発揮する人材の雇用及び職員全体で職務を補い合う業務体制の確立が求められることから、社会福祉法人において労働基準法、労働安全衛生法等の労働関係法令の確実な遵守並びに業務に関する規程の整備及び運用がなされるよう、所要の措置を講ずること。

八現下の社会福祉事業における人材確保が困難な状況に鑑み、介護人材を始めとする社会福祉事業等従事者の離職防止に資する措置を講ずるとともに、介護報酬、障害福祉報酬の改定による影響を注視しながら、職員の処遇の実態を適切に把握した上で、人材確保のための必要な措置について検討すること。また、介護人材の現状を正しく把握し、必要な人材を養成・確保するに当たっては、その量のみならず質についても適切に評価できる手法を検討すること。

九社会福祉施設職員等退職手当共済制度の公費助成廃止に当たっては、職員確保の状況及び本共済制度の財務状況の変化を勘案しつつ、法人経営に支障が生じないよう、障害者支援施設等の経営実態等を適切に把握した上で報酬改定を行うなど必要な措置を講ずるよう検討すること。また、公費助成の廃止の対象となった法人のうち、本共済制度から脱退した法人及び新規採用者を本共済制度の対象としない法人に対し、社会福祉事業を担う人材の確保に当たって退職金が果たす役割の重要性の周知を徹底すること。

十准介護福祉士の国家資格については、フィリピンとの間の経済連携協定との整合を確保する観点にも配慮して暫定的に置かれたものであることから、早急にフィリピン側と協議を行う等の対応を行うとともに、当該協議の状況も勘案し、准介護福祉士の名称、位置付けを含む制度の在り方について介護福祉士への統一化も含めた検討を速やかに行い、所要の措置を講ずること。

十一介護職員の社会的地位の向上のため、介護福祉士の養成施設ルートの国家試験義務付けを確実に進めるとともに、福祉サービスが多様化、高度化、複雑化していることから、介護福祉士が中核的な役割及び機能を果たしていけるよう、引き続き対策を講ずること。

十二将来的に福祉職、介護職に就く人材を増やすべく、現在中学・高校教育における福祉及び介護に関わるインターンシップの体験率が必ずしも高くない状況も勘案し、関係府省と連携して、福祉及び介護に関わる基礎的理解と経験が得られるよう努めること。

十三介護職員の処遇については、介護・障害福祉従事者の人材確保のための介護・障害福祉従事者の処遇改善に関する法律(平成二十六年法律第九十七号)等により処遇改善に関する措置が行われてきたことを踏まえ、人材確保に支障を来さぬよう処遇改善に資する措置など必要な措置を講ずるとともに、正規・非正規、フルタイム・パートタイム等にかかわらず、均等・均衡待遇を確保するよう努めること。

十四介護職員が抱える心的・精神的負担に対する支援については、介護労働がいわゆる燃え尽き症候群を引き起こす例が見られることから、今後も必要な調査を行うことにより介護現場の実態を適切に把握した上で、産業保健等によるメンタル面からのサポートについて幅広い観点から検討を行い、施設の労働環境を評価できる仕組みの構築を含めた所要の措置を講ずること。

十五本法律による改正後の社会福祉士及び介護福祉士法等の一部を改正する法律附則第六条の四の規定に基づき、育児休業、介護休業に準ずる休業を厚生労働省令で定めるに当たっては、雇用は継続しているものの、やむを得ず介護の実務に就くことができない場合、倒産や事業の縮小・廃止等の本人の責めによらない離職の場合、疾病等により雇用されること自体が困難な場合など実務に従事できないことにやむを得ない理由があると認められる場合について、適切に配慮すること。

出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=118901067)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。