特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案
参議院 地方・消費者問題に関する特別委員会
平成28年法律第60号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院消費者問題に関する特別委員会
- H28.4.27趣旨説明・質疑消費者問題に関する特別委員会 4174
- H28.4.28質疑・採決・附帯決議消費者問題に関する特別委員会 581
- H28.5.10委員長報告・採決本会議 307
参議院地方・消費者問題に関する特別委員会
- H28.5.11趣旨説明・質疑本会議 2531
- H28.5.13趣旨説明地方・消費者問題に関する特別委員会 95
- H28.5.18質疑地方・消費者問題に関する特別委員会 10121
- H28.5.20質疑・採決・附帯決議地方・消費者問題に関する特別委員会 1187
- H28.5.25委員長報告・採決本会議 3073
提案理由
河野太郎 国家公安委員会委員長・内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全・規制改革・防災) 平成28年4月27日まず、特定商取引に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
近年、高齢化の進展を初めとした社会経済情勢の変化及び違反事業者の手口の巧妙化、複雑化等により、特定商取引を取り巻く環境は大きく変化しております。特に一部の悪質事業者が繰り返し消費者被害を発生させる事案が問題となっているとともに、依然として、高齢者が深刻な消費者被害に遭う事例も報告されています。
こうした状況を踏まえて、主務大臣の法執行に関する権限の強化等を図り、特定商取引における取引の公正及び購入者等の利益の保護を図るため、この法律案を提出した次第です。
次に、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。
第一に、悪質事業者への対策を強化するため、主務大臣は、販売業者等に業務の停止を命ずる場合において、当該販売業者等の役員等に対し、停止を命ずる範囲の業務を新たに開始すること等の禁止を命ずることができることとしています。そして、この業務の禁止を命ずる期間については、業務の停止を命ずる期間と同一の期間とすることとしておりますが、業務の停止を命ずることのできる期間の上限をこれまでの一年から二年に引き上げることとしています。
第二に、所在等が不明な事業者に対して迅速に行政処分を行うことができるようにするため、公示送達に関する規定を設けることとしています。
第三に、主務大臣は、本法律に違反する行為によって財産的被害を受けた購入者等の利益の保護の観点から、処分事業者に対して必要な指示を行うことができるよう、規定の整備を行うこととしています。
第四に、電話勧誘販売において通常必要とされる分量を著しく超える量の商品の売買契約の締結について勧誘すること等を指示等の対象とするとともに、購入者等が当該契約の解除等をすることができることとしています。
また、通信販売においてあらかじめ承諾や請求を得ていない相手へのファクシミリ装置を利用した広告の送信の禁止、従来は訪問販売等の規制の適用対象となっていなかった権利の販売に対する規制の拡大、意思表示の取り消し権の行使期間の伸長を行うほか、罰則の法定刑を全般的に引き上げる等の措置を講ずることとしています。
なお、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとしています。
第190回国会衆議院消費者問題に関する特別委員会議録第4号1頁(平成28年4月27日)〔河野太郎国家公安委員会委員長発言・発言番号4〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一「特定権利」制度の導入の趣旨が、脱法行為や消費者被害の後追いを防ぐことにある点を踏まえ、特定商取引に関する法律における「役務の提供」と「権利の販売」の概念を明確化し、規制のすき間が生じないよう措置すること。その後もなお規制のすき間が生ずる事態が認められるときは、速やかに、商品、役務、権利という三分類の枠組みを撤廃することも含めた見直しを検討すること。
二悪質事業者に対する法執行強化と行政処分に伴う消費者利益の保護を実効性あるものとするため、国及び都道府県の執行体制の強化に向けた連携等の措置を講ずるとともに、悪質事業者の違法収益のはく奪に向けた制度的検討を引き続き行うこと。
三高齢者等に対する訪問販売及び電話勧誘販売による被害の未然防止が喫緊の課題であることに鑑み、法執行の強化等の対策を推進するとともに、事業者による自主規制の強化を促すこと。また、引き続き高齢者等の被害が多発した場合には、勧誘規制の強化についての検討を行うこと。
四インターネット取引に係る消費者被害が大きく増加している現状に鑑み、通信販売において虚偽の広告を誤認して契約締結に至った場合の救済措置の在り方を含め、実効的な被害の未然防止及び救済措置について検討を行うこと。
五特定商取引に係る消費者被害の未然防止及び救済を効果的に推進するため、本法の施行状況及び消費者被害の発生状況を踏まえ、新たな消費者被害の発生が認められる場合には、本法の施行後五年を待たず、適時適切に見直しを行うこと。
六地方公共団体における消費者被害の未然防止及び救済に向けた取組を推進し、相談情報を特定商取引に関する法律の執行及び制度の見直しに活用するためには、消費生活センター等の相談体制の質的向上及び地方消費者行政と民間関係者との連携の推進が重要であることに鑑み、地方消費者行政推進交付金の継続を含む財政支援並びに消費生活相談員及び担当職員の研修機会の提供を国の責任において措置すること。
政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。
一「特定権利」制度の運用に当たっては、特定商取引に関する法律における「役務の提供」と「権利の販売」の概念を明確化し、規制のすき間が生じないよう措置すること。その後もなお、規制のすき間が生ずる事態が認められた場合には、速やかに、「商品」、「役務」、「権利」という三分類の枠組みを撤廃することも含めた見直しを検討すること。
二悪質事業者に対する法執行の強化と行政処分に伴う消費者利益の保護を実効性あるものとするため、国及び都道府県の執行体制の強化に向けた連携等の措置を講ずるとともに、悪質事業者の違法収益のはく奪に向けた制度的検討を引き続き行うこと。
三本法に基づき都道府県知事が行う業務禁止命令が、複数の都道府県にまたがる消費者被害事案に適切に対応するものとなるよう、「平成二十七年の地方からの提案等に関する対応方針」を踏まえて、都道府県の行政処分の効力の在り方について検討し、必要な措置を講ずること。
四高齢者等に対する訪問販売及び電話勧誘販売による被害の未然防止が喫緊の課題であることに鑑み、法執行の強化等の対策を推進し、特に平成二十年改正で導入された再勧誘の禁止を遵守させるとともに、事業者による自主規制の強化を促すこと。また、引き続き高齢者等の被害が多発した場合には、諸外国の取組等も参考にしつつ、勧誘規制の強化についての検討を行うこと。
五インターネット取引に係る消費者被害が大きく増加しているという消費者相談現場からの意見があることに鑑み、消費者被害の実態を調査した上で、通信販売における虚偽・誇大広告によって消費者が誤認して契約締結に至った場合の実効的な救済措置について検討を行うとともに、引き続き事業者に対して、特定商取引に関する法律を始め、不当景品類及び不当表示防止法などに基づき、表示義務の徹底や虚偽・誇大広告に対する厳格な執行を行うことで消費者被害の未然防止を図ること。
六特定商取引に係る消費者被害の未然防止及び救済を効果的に推進するため、本法の施行状況及び消費者被害の発生状況を踏まえ、新たな消費者被害の発生が認められるなど見直しの必要が生じた場合には、本法の施行後五年を待たず、適時適切に見直しを行うこと。
七地方公共団体における消費者被害の未然防止及び救済に向けた取組の推進のためには、消費生活センター等の相談体制の質的向上及び地方消費者行政と民間関係者との連携の強化が重要であることに鑑み、地方消費者行政推進交付金の継続を含む財政支援並びに消費生活相談員及び担当職員の研修機会の提供を国の責任において措置すること。
八特定商取引に係る消費者被害の調査・分析に当たっては、全国消費生活情報ネットワーク・システム(PIO—NET)に蓄積された情報を今後の法改正に一層活用できるよう、関係機関に対し、登録情報の分析力の向上を促すこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119001044)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。