独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案
参議院 経済産業委員会
平成28年法律第78号
審議経過
右の数字は会議の発言数衆議院経済産業委員会
- H28.10.26趣旨説明・質疑経済産業委員会 429
- H28.10.28質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 5192
- H28.11.1委員長報告・採決本会議 842
参議院経済産業委員会
- H28.11.8趣旨説明経済産業委員会 34
- H28.11.10質疑・討論・採決・附帯決議経済産業委員会 4157
- H28.11.11委員長報告・採決本会議 1048
提案理由
世耕弘成 経済産業大臣・内閣府特命担当大臣(原子力損害賠償・廃炉等支援機構) 平成28年10月26日独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
昨今の原油価格の低迷により、世界の資源開発投資は二年連続で縮小し、将来的に原油価格が急激に高騰するリスクが顕在化しております。我が国としては、G7伊勢志摩首脳宣言における上流開発促進へのコミットメントを早急に実行する必要があります。
他方、原油価格の低迷により、石油権益等の価格も低下し、海外の資源会社が株式や権益を売却する動きも顕在化しております。我が国にとって、今後五年程度は集中投資によりエネルギー安全保障を強化する好機です。
こうした中、中国やインドの国営石油企業や欧米メジャーが権益獲得や企業買収を進めておりますが、我が国企業は、財務基盤が脆弱なため、こうした動きに立ちおくれております。
こうした情勢変化を踏まえ、我が国企業による企業買収等を支援すべく、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の機能を強化する本法律案を提出した次第であります。
次に、本法律案の要旨を御説明申し上げます。
第一に、機構が、我が国企業が行う海外の資源会社の買収やこうした会社との資本提携、さらには我が国企業が探鉱を手がけた油田の開発を、出資により支援することを可能とします。
第二に、機構が、海外の国営石油企業の株式の取得を通じて、将来の我が国企業による権益獲得の布石となるような権利を取得することを可能とします。
第三に、機構が、こうした業務等に必要な資金を政府保証つき長期借入金等により調達することを可能とします。
第四に、機構が、石油、天然ガスの物理探査船を民間に貸し出すことを可能とします。
以上が本法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同くださいますようよろしくお願い申し上げます。
第192回国会衆議院経済産業委員会議録第4号1頁(平成28年10月26日)〔世耕弘成経済産業大臣発言・発言番号2〕 会議録 国会会議録検索システム
附帯決議
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」という。)における案件の審査の実施にあたっては、法の目的・趣旨に厳格に従うとともに、当該案件の採択による現在及び将来の我が国国内の資源とエネルギー産業に対する影響や案件当事国の環境・社会面への影響等も検討するなど、多方面から厳正かつ適正に行うよう努めること。
二海外資源会社の買収や産油国国営石油企業株式の取得等の業務拡充措置については、政府保証付き長期借入金等による資金調達が可能とされること、機構以外の者への譲渡の期限の定めのないこと等から、場合によっては経済性の少ない権利の取得等が行われ国民負担が生じる懸念があることを十分踏まえ、機構内において厳格な審査を行い得る人材の確保のほか、外部の専門家による資産評価や第三者委員会による確認の手続きを講じるなど審査体制を整備し、業務に係る意思決定の客観性・透明性を確保するとともに、事後の評価に資する十分な情報公開に努めること。
三海外資源会社の買収や産油国国営石油企業株式の取得等の業務の実施については、それに伴い獲得が期待される石油等が我が国への低廉で安定的な資源供給に資するよう、あらかじめ我が国におけるニーズを把握した上でその利用のために万全の対応を図るとともに、対象となる国からの輸入状況等については、適切な情報開示を行い、説明責任を果たすこと。
四石油開発技術は、将来に向けてさらなる技術の高度化・広範囲化が求められ、技術が複雑化していることを踏まえ、機構において、幅広い知見を持ち、最適な技術を選択できる人材の育成に積極的に取り組むこと。
五油価低迷等の世界的なエネルギー情勢の変化を踏まえ、我が国自主開発目標の早期達成に資するものとなるよう、機構による民間支援業務を効果的に実施するとともに、政府系金融機関による支援措置等、政府及び関係機関一体となった権益獲得の取組を図ること。
六産油国国営石油企業株式の取得による戦略的パートナーシップの構築にあたっては、産油国国営石油企業との間で長期的かつ総合的な取組を進め、信頼関係の構築により将来の権益獲得に資するものとなるよう、担当人材の育成等の組織体制の強化等に努めること。併せて、我が国に対する信頼が一層深まるよう、政府においても資源外交を積極的に展開するとともに、将来的な権益獲得に向けて、政府、機構、民間資源開発会社が緊密に連携して取り組むこと。
七独立行政法人に対する国民の厳しい見方があることを踏まえ、真に機構が国民のために必要な行政サービスを提供し、かつ国民に信頼される運営を構築するために、業務・組織の改革に取り組むよう、必要な措置を講ずること。
政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。
一独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(以下「機構」という。)における案件の審査に当たっては、石油等の安定的かつ低廉な供給に資するという法の趣旨に厳格に従うとともに、当該案件の採択による現在及び将来の我が国国内の資源やエネルギー産業に対する影響、相手国の環境・社会面への影響等多方面から検討が行われるよう努めること。
二海外資源会社の買収や産油国国営石油企業株式の取得等の新たに拡充する支援については、経済性の低い権利の取得等が行われ将来の国民負担が生じる懸念があることを十分踏まえ、機構内において厳格な審査を行い得る人材を確保するほか、外部の専門家による資産評価や第三者委員会による確認の手続等の審査体制の整備を通じ、業務に係る意思決定の客観性・透明性を確保するとともに、事後の評価に資する十分な情報公開が行われるよう努めること。
三海外資源会社への出資等の業務により獲得される石油等については、低廉で安定的な供給に資するよう、我が国におけるニーズを把握した上でその利用のために万全の対応を図るとともに、対象となる国からの輸入状況等について、適切な情報開示を行い、説明責任を果たすこと。
四石油等開発技術は、将来に向けて更なる高度化・広範囲化が求められ、技術が複雑化していることを踏まえ、機構において、幅広い知見を持ち、最適な技術を選択できる人材の育成が積極的に行われるよう取り組むこと。
五産油国国営石油企業株式の取得に当たっては、国営企業との間で長期的かつ総合的な取組を進め、信頼関係の構築により将来の権益獲得に資するものとなるよう、担当人材の育成等の組織体制の強化等に努めること。あわせて、産油国との戦略的パートナーシップの構築に資するよう、資源外交を積極的に展開するとともに、将来的な権益獲得に向けて、政府、機構、民間資源開発会社が緊密に連携して取り組むこと。
出典:国立国会図書館「日本法令索引」(https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?billId=119201008)を加工して作成(加工:TaiLexi AI) 発言の出典:「国会会議録検索システム」(国立国会図書館)を加工して作成。引用部分は会議録の原文です(見出しは質問の一文、強調は一致した語)。国会答弁・附帯決議は法的拘束力を持つものではありません。